【Diablo4】 バーバリアンのシーズン0振り返りと現段階の感想

シーズン1開始直前までの自分のプレイの振り返り、および現在の Diablo4の感想を載せておく。

友人と一緒に遊ぶ予定で、自分が前衛っぽいクラスをやることだけは決まっている状態でスタート。
ドルイドで狼男や熊男に変身するビルドが好みの雰囲気がしたのだが、Diablo2でも3でも自分でバーバリアンを使ったことがなかったことに気付きせっかくだからと土壇場でバーバリアンを選択。初手からいきなり「バーバリアンが硬すぎたのでナーフしました」「ワールウィンド関連の諸々をナーフしました」 的な不穏な告知が飛び出ており、ブリザードあるあるの極端なバランス調整に戦々恐々としながらシーズン0を進めることと相成った。

最初は分かりやすく出血シナジーで繋がっているフレイ、レンド、ラプチャーなどをかき集め、奥義は古の民の呼び声……的な出血主体のビルドを組んでいたが、ストーリー終盤あたりから伸び悩み始め、友人のネクロマンサーやソーサラーと歴然とした火力差がある状態だった。
出血ビルドなのに出血と全く関係のない古の民の呼び声が主要なダメージソースになっているのも流石におかしい気がして、本編ストーリークリア直後あたりに色々と調べ始めると、 バーバリアンはとにかくシャウトが強いとのこと。
ウォークライ、進軍の雄叫び、挑発の叫びのシャウト系3つと狂戦士の怒りでバフを盛ってコアスキルで敵を殲滅するビルドが強いらしい。6枠しかないスキル枠のうち4つがバフという極端な構成だ。
そして、バフが強いとなると、バフがかかっている間効率良く移動しながら連続攻撃ができるワールウィンド(WW)と、バフ重ね掛けで大ダメージの範囲攻撃を放てる古の大槌 (HotA) がそれらを最も活かせてお手軽という結論になる。(注:HotAの方はバグだったらしく7/21の大規模アップデートでめっちゃ弱くなったらしい。なんなんだ)
ビルドの構造が単純でプレイングも楽なので当然と言えば当然だが、結局シャウトしてコアスキル振ってるだけなので飽きが早いという欠点もある。
ただ、プレイが簡単ならその分周回も脳死でできたりするので一長一短の側面もあり……。一々考えながらナイトメアダンジョンの周回をするのもちょっと面倒そうだなぁという気持ちもある。ゲーム的な強さと、 長時間遊ぶ上での面白さ(飽きの来なさ)の両立がこの手のゲームの難しいポイントだと感じる。

それ以外にも同時に色々な弊害が思い浮かぶ。 先述のように、 Diablo4のスキル枠は6つしかない。シャウト3つと狂戦士の怒りでテンプレ的に4枠も使ってしまうと、残りは通常スキルとコアスキルの枠しか選択肢がないということになる。しかもこの3つのスキルは[シャウト]という括りでまとめてパッシブスキルの強化の影響を受けるため、全部取るのが効率が良い運用になってしまうのも難しい所だ。
これがバーバリアンのビルドの幅を狭めてしまっている主たる原因だろう。 例えば様々な武器を使うことで機能する歩く武器庫などはスキル枠の食い方が逆風になっているようだ。
……と言うととんでもない環境のようにも見えるが、実際のところ歩く武器庫ビルドを試している人もいれば、紅の原野を使った出血ビルドで遊んでいる人もいる。ここはPVE主体のゲームである強みが出ていると思う。
それに、上位層は直近のバランス調整を受けていろいろなビルドを試しているようなのでまだまだ研究の余地はありそうだ。 
ただ、自分らのような層の主流はWWorHotAであり、多数派であることは間違いなさそうだ。今後細かく均等に均すような調整をしていってくれるともっと遊びの幅が広がって楽しくなりそうだと感じる。

進捗としては、ナイトメアダンジョンのティア50程度まではクリアできたもののエンドコンテンツの少なさ故にレベル90くらいで燃え尽きてしまった形。
個人的にはナイトメア入りたてからトーメントが安定するくらいまでの間が一番楽しめた。やれることが増え、キャラクターの成長もパラゴンボードが解放されるレベル50辺りで自由度が増す。反面、そこまでで方向性を決定づけるためのものであるためかスキルツリーはイマイチ物足りない雰囲気。何が物足りないかと考えてみると、やはりある程度決まったように進行するようガイドされているからなのかなと感じる。

この時点だとヘルタイドも報酬が美味しくかなり楽しい。 当初PC版をプレイしていたが、やたらと重くヘルタイド中に落ちるのが嫌でXBox Series Xを買ってXBox版のDiablo4にもう9000円支払ったりと正気を失った行動を繰り返していたのもこの辺り。
段々とヘルタイドのうまみは減っていくのだが、シーズン終盤のアップデートでユニークアイテムが出るようになったのは良いテコ入れだったと思う。
これによりアイテム集めのためにヘルタイドに行く理由ができたので、 エンドコンテンツが実質ナイトメアダンジョン一択だった状況が二択になった。
どっちがユニークが出易いか確率は正確には不明だが体感ヘルタイドの方が出そう……な気がする。
なんだかんだ時間内に効率よく箱を開けるために頑張るので割と楽しめるし時間が経つのが早い感じがする。うまみさえあれば良いシステムだと思う。

パラゴンボードはこの手のゲームにありがちな異常成長システムで、 Grimdawnの星座然りパッと見だと意味不明なくらいが多分ハクスラ民的にはちょうどいいんだろうなと思う。
一応ボード毎にスタートとゴールが決まっていて、大抵はレアorレジェンダリーノートを経由しながらゴールに突き進んでいく形になるため、進行は見た目よりは簡単かも。代わりにボードの接続とグリフは自分で考えても意味不明なのでこれで複雑さのバランスを取っているように見える。
今作はスキルツリーの自由度があまり高くないので、どちらかと言うとパラゴンボードの方で個性を出してくださいという意図を感じる。今後ボードやグリフがアップデートでどんどん追加されたら化け物システムになりそう。

グリフとレアorレジェンダリーノードの性能上昇は目を見張るものがあるが、パラゴンボードが分かってくる頃のキャラクターの成長速度に敵の調整が追い付いていないのか、 ナイトメアだとそこそこ時間かかっていたワールドボスがトーメントだと30秒くらいで瞬殺されていてかわいそうだった。もうちょっと強くして報酬を豪華にしても良いんじゃないかと思う。

ビルドを変える際のポイント振り直しが面倒なのはネック。消費リソースはお金だけなので振り直しはしやすい筈なのだが、 手軽に振りなおせるのは序盤まで。最終的には一つ一つポチポチ押してたら気が狂うほどになり、とにかく圧倒的に面倒で色々試す気が削がれる。別途グリフのレベル上げも必要になってくるので、多分こういう所も多くのプレイヤーがWWやHotAといったずっと使える安定択に落ち着いてしまう理由の一つなのではないかと思う。

まぁこのシリーズは昔は振り直しすらできなかったらしいのでそれに比べればマシなのだけど、令和のゲームな以上いろいろつまませて飽きさせない工夫は要るのかなと思わないでもない。
ただ、振り直しをしやすくすればするほどゲームの寿命も短くなり、今後長くアプデが予定されているゲームで簡単に遊び尽くされてしまうのもよろしくない。便利過ぎれば次のアプデまでに遊びつくされてしまうし、不便過ぎればプレイヤーのモチベは下がるがゲーム全体の寿命は長めに保たれるので、令和の世のゲーム開発というのは、令和的な便利さと、 簡単に遊び尽くされないための工夫のせめぎ合いなのかもしれない。
パラゴンボードの不便さはあくまで一例だが、実際やってるとわざと不便に作られているんじゃないかと疑うような部分が結構あったりする。
ハーレクインの紋章をはじめとするハイユニーク品が異様に出にくく、世界で5件前後しか入手報告が確認されてないというのも遊び尽くさせないための施策の一環だと思う。その施策の良し悪しはともかく。

これは近代の様々なゲームに共通して言えることだとは思うけれど、Diabloというある意味不便さにゲーム性を見出して来たシリーズだからこそ、こういった界隈の潮流的なものをリアルに感じ取れるようで興味深かった。
言い方は悪いがこういった粗雑さを味として楽しめるのも新作をプレイすることで得られる特権だと思っている。


使っていたユニークについて

上三つの能力が微妙過ぎる

ゴールの破壊的手甲
爆発部分のダメージが目玉が飛び出るような凄まじい勢いのナーフを食らった(50-70%が16-26%に減った) が結局WW+4が強くて長いこと使っていた。
WWビルドでは必須のパーツだからほしい!というようなことを言ってはいたが、いざ使ってみてさほど必須ではないことに気付く。もちろんナーフの影響もあると思うけれど、手袋は部位としてかなり重要度が高く、微妙な能力で三枠も占めているゴールの破壊的手甲はさほど良いものでもない。
スキルレベルアップに加えてクリティカルと脆弱関連の能力が付いている良品があるなら外しても良い程度の装備だとは思う。


バグがなければな…

向う見ず
祖霊向う見ずを手に入れた頃には障壁発生時のダメージアップがバグで機能しなくなっていたらしく結構怒っていた。
とはいえWWで敵の中に突っ込むとモリモリ障壁が生成される部分は代替不可能であり、他脚装備と一線を画すパワーを感じる……感じていたが……結局外して障壁時ダメージアップを機能させたら火力が1.5倍くらいになってしまったのを確認して泣く泣く外した。こういうバグは人を悲しませるのでよくないと思う。


これもパッと見は微妙だが、使い道が見出された貴重な品でもある

懺悔のグリーヴ
ほぼ死に特性の冷気耐性とかついていてパッと見はイマイチだが、 動き回りながら攻撃するWWと相性がよく、凍結状態の敵に約10%ダメージが乗算される点が強力っぽい。
本当に移動速度とx10%だけの装備という感じだが、近接にとっては他のあれこれに目を瞑れるだけの性能はしていると言えそう。


他の情けない品と比べるとさすがに一段勝る感じがする

ハロガスの激高
"シャウトの早回し"というビルドの根幹を担う品。シャウトによるバフが切れている間は明確な隙ができるため、 シャウト系ビルドは如何にシャウトのクールダウンを早めるかが求められる。
指輪やアミュレット、 パラゴングリフ"元帥"の追加効果などでクールダウンを減らすことは必須であり、ハロガスの激高もそうしたパーツの一つ。
レベル80過ぎくらいまで一個も手に入らなくてやきもきさせられたが無事取得できた。


改めて見ると分かるように、4枠の能力を有用なもので埋められるレジェンダリー品と比べて死に能力がついているユニークは性能的に劣ることも多い。スキルの性能が変化する唯一無二の点に魅力を感じて使ってみるものの容赦のないマジレスで最終的に外れてしまうこともしばしば。

現状クリティカルと脆弱時のダメージを上げる能力と、リソース生成量とスキルのクールダウン関連の能力が最優先とされ、 防御的な能力は通常の効果、 レジェンダリー効果問わずかなり冷遇気味。例外的にエリート攻撃時に障壁を生成するスキルは単体で強く、障壁があるときのダメージが大きく上昇する化身と合わせてコンボのような形でも使われる(だからこそ向う見ずのバグが惜し過ぎる)。あとはドルイドの反射ビルドとか? ちょっと身内でやっているバーバリアン、ネクロマンサー、ソーサラー以外はあまり調べてないから怪しいけど。
また、現在は耐性がほとんど機能していないらしいので、今後バグが修正されたら装備選びの基準も変わるかもしれない。

これに限らずやっていて気になるバグは多いし、 実際自分でもバグ臭い挙動を見ることもあるし、全体の出来は完璧とはほど遠い。
まぁ装備に関しては深く語ることもそうないだろう。 Diablo4のユニーク装備は種類が少なく、低ドロップ率ながらも手が届く品が殆どだ。 部位ごとの選択肢も正直なところあまりない。選択肢自体が存在しないのだから、 目当てのユニーク装備一つが出たか出ないか以上のものはないし、一度出たら後はより可変値が高い同じものを探し求めるだけだ。それに、レベル90になる頃には自分のクラスのほぼ全てのユニーク装備を取得できていることだろう。やっていればちゃんと目当てのものは手に入るし、 努力は実る。 実に近代的なゲームと感じる。
ただ、序盤に偶然手に入れた一本の武器がキャラクターの運命を大きく変えてしまうような、 いち個人のアイテムドロップの偏りひとつが物語を紡ぐようなゲーム体験がこれでできるかというと、それはNOである。

ハイユニークを除いたユニーク品はどんなプレイヤーも手に入るようになっているし、工夫して代替する必要性もない。パラゴンボードにより個人間でキャラ性能にブレは生じるだろうが、 基本的に普通のプレイヤーはビルドに準じて普通のプレイを行い、普通に進めて普通にクリアすることになるだろう。
そうした舗装された道の中心を通るか、 それとも端を通るかという程度の自由度のハクスラが好みかどうかは人によるとは思うが、私個人はやや物足りなさを感じてしまった。

とはいえ、これはまさに継続的なアップデートの結果として要素の多いゲームになっていった過去作と比べたときの話に過ぎない。
何にせよ、 Diablo4はまだこの世に生まれ落ちたばかりだ。そもそもゲーム内にディアブロが出てきてすらいない。これを"まだDiablo4は始まってすらいない"というメッセージにすら感じるのはいくらなんでも考えすぎだろうか。

先ずリリースしてみて、こまめなアップデートと共にどんどん改善していくというスタイルは昨今のユーザーのコンテンツ消費速度を考えると悪手にも見えるが、ブリザードエンターテイメントという大御所のDiabloというビッグタイトルに限ってはそういった業態も肯定される。
一度触れればDiablo2と3の良いところ取りを目指して作ったんだろうなとも感じ取れるし、細かなバグや調整不足に目を瞑れば根っこの部分は相当しっかり作られていると思う。
シーズン1以降、継続的なアップデートを経てどれだけの要素が増えるだろうか?それともバランス調整でゲーム性が様変わりするだろうか?
シーズン0は素のDiablo4のポテンシャルを確かに見せてくれたように思うので、これからのDiablo4が更に深く、より面白く成長していくか、腰を据えて長い目で見ていこうと思った。

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