見出し画像

第116回 別巻・定省の運命(さだみのさだめ)⑤出家したくなった話

 

宇多帝は7~8歳の頃から仏教にハマり、比叡山で修行をしていたそうです。

そして10代後半頃でしょうか、ついに出家を決意します。 母に出家させてくれとお願いしますが母は聞き入れず、はぐらかして3度も思いとどまらせた様子が宇多天皇日記に書かれています。

宇多天皇日記は「政治的な意図」のために書かれた文書だと考えられるので、ただ「出家したいのにお母チャンにとめられた~!」というエピソードを書いても意味がありません。

「出家するはずのボクを止めて天皇に育てた母、スゲエ、先見の明!」とアピールすることで、後宮で大きな力を持つ実母・班子(なかこ)女王を権威づける意図があったんじゃないかな?とマンガ的空想をしています。

◆◆◆ ◆◆◆

ちなみに、定省が食べているドーナツは「からくだもの」と呼ばれる平安スイーツ。

当時はドーナツのような輪の形状もあったようです。現在、からくだものは「清浄歓喜団」という名称で販売されています。

「マンガ描くなら体験しとけ!」の法則(?)。 京都で清浄歓喜団を販売している店をさがし、さっそく購入。

独特の形状ですね。
立派な箱に入っています

外側がごま油で揚げられていて、イメージと違ってカリカリ。お香の風味がなんとも仏教的!?。今までに食べたことがない独特の風味です。カリカリの殻の中に入っている上品なあんこは江戸時代からで、平安時代はまだあんこではなく、杏子などが入れられていたそうです。

中は上品なあんこ


「おいし〜い、また食べた〜い!」とまではいきませんでしたが、太古のオヤツを経験できて大満足でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?