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第68回 渤海国からの使者 の巻 その3

漢詩対決は深夜にまで及びます。 みちざね VS ハイテイ、最終決戦の行方は・・・!

道真の提案は

●下書きしない
●一度書いたら訂正もしない
●対面の時以外は作詩しない
●京にいる期間は毎日

でした。

道真がこの設定を提案したそうですが、乗った仲間もすごいけど、何より提案されたハイテイが了承したのがすごいです。

この激しいIQバトルの末に生まれたのが「友情」でした。

よほどウマが合ったのか、最後はふたり上半身 裸になって酒を酌み交わしながら詩をやり取りしたそうです(…すごい絵だな!)。

道真は、勢いあまって自分がぬいだ着物をハイテイにプレゼントします。お互い言葉が通じにくい中、心から親愛の気持ちを表した行動だったのでしょう。

最終日のお別れ会は深夜にまで及んだそうです。お互いここまで詩をやりあえる相手に出会えたことが本当にうれしかったのでしょう。 ふたりは12年後の再会を誓い合います。

そして約束通り12年後に二人は再会し、旧交を温めながら詩のやり取りをしています。

この時すでに道真は宇多天皇の側近で、重要職をいくつも兼任するほどの大出世をしていました。ハイテイもびっくりしたことでしょう。 しかしそれが最後の交流でした。

さらに12年後はお互いの息子同士が出会います。
道真の五男・淳茂(あつしげ)とハイキュウ、父たちに代わって親交を深めることになります。

◆◆◆

ちなみに、道真の息子たちの中で、学者として最も大成したのは五男(四男とする史料も)の淳茂(あつしげ)。
唯一 方略試(最高国家試験)にまで合格し、道真と同じ文章博士(学者トップ)にまで上り詰めました。

長男の高視(たかみ)も優秀でしたが二番手。
方略試(最高国家試験)合格にまでは至らず、一歩手前の文章得業生どまりでした。しかし大学頭(だいがくのかみ)、現在でいう「東大の学長」にまで出世し、その子孫は学者として繁栄したようです。


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