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第138回 道真サンの右腕 の巻

宇多天皇が息子・敦仁に譲位する際に「この4人は重用しなさい」と伝えた文書があります。

その4人は時平・道真・紀長谷雄と、この平季長でした。

紀長谷雄は道真の学問分野の右腕でしたが、平季長は政治分野での右腕でした。

平季長だけが極端に知名度が低いのは、残された史料の少なさと、なしとげた仕事の地味さ、そして短命によるものです。 

しかし道真の黒子として要所要所での働きぶりは地味ながら目を見張るものがあり、私は道真物語の中では5本の指に入る大好きな人物です。

道真著作『菅家文草』にも2,3度登場しますが、道真は平季長のことを「宮廷に必須の人」とまで評していて、全幅の信頼を置いていたことがわかります。

仕事人として季長が登場するのは阿衡事件が最初…かな。

最高権力者・藤原基経を諫める道真のあの有名な文書は、実は季長との連名でした。

この頃すでに道真と政治生命を共にするほどのコンビだったことがわかります。

また、道真と連名できるほど、基経にも一目置かれていた人物だったのでしょう。

財政改革に先立って実施された現地調査の記録があります。

現場に入り込んで役人や民衆の小さな悩みを聴き取り、法律を作って解決する手腕は、やはりただ者ではなさそうです。

次回のマンガでは、そんな「できる男・キレキレ季長」をもっと世に知らしめるべく?ユル〜く描いてみます。


ボツマンガも掲載しておきます

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