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ネタバレ有感想「すずめの戸締まり」


以下、ネタバレ含みます。


近年稀に見る「胸くそ映画」で、イライラが止まりません。

エンタメ作品に触れて、こんなに怒ったのいつぶりだろうというくらいイライラしています。


理由は大きくわけて2つ。

1つめは、

ダイジンかわいそう!!


2つめは、

いつまでジブリのオマージュやるんですか!?

です。

まず、

ダイジンかわいそう!

についてですが、ダイジンがすずめに嫌いって言われたあたりから最後まで、私はずっと泣きながら映画見てました。

ダイジンかわいそう。
お前がうちの子にならないって言ったんじゃないか。
そんなことも忘れやがって、と。

左大臣が環おばさんに乗り移って言っても思い出さんし。

自分好きな椅子の男(草太)が要石になることは命をかけて拒むくせに、ダイジンが犠牲になることには心を痛めないすずめ。

ダイジンと左大臣が再び要石になってくれた後も、エンドロールでも、ダイジンのことを誰も思い出さない人間たち。

スナックのくだりから、ダイジンと左大臣は元々人間だったのかなって連想できるよね。
ダイジンは子供だった可能性すらある。

野田洋次郎いわく

「愚かさでいい 醜さでいい
正しさのその先で 君と手を取り合いたい」

とのことで、それはきっと「天気の子」と同じで、ふたりの愛のために周囲を犠牲にしたって話なんだろうけど

「天気の子」では共感できた、【誰かを愛する身勝手さ】みたいなものに、今回はまったく共感できなかった。

多分その対象が人類全体ではなく、猫の形をしている2つの個体だったから。

そして主人公たちふたりが、2つの命を犠牲にしたことに、気づいてもなさそうだったから。

そんでもってダイジンのグッズはたくさん出したり広報に使われてるのもダイジンかわいそう。


胸くそ2つめの理由

いつまでジブリのオマージュするんですか?

についてですが、新海さんはいつまでジブリのオマージュやるんですかね。

「星を追う子ども」は笑って見てましたが、いまはもう人気も知名度も当時とは違うのに、どういうつもりでやってるんだろう?と疑問でした。

すずめのお家はポニョのそーすけのお家だし(車の色も)、草太さんは外見ハウルだし、最初に出てくる廃墟は千と千尋だし、みみずはシシ神さまがデイダラボッチ化した時そのものだし、扉をしめた後に雨が降ってくるのもデイダラボッチに首を返した時の演出と似てるし、旅立ちのシーンで「猫もいるし!」とルージュの伝言流すくだりも含め、なんかもう一体どういうつもりでやってんの??と疑問でした。
左大臣が大きな白猫になったのは、モロ様でしたね。
主人公に愛されたくて周囲を壊してしまうダイジンもカオナシと重なるところがあるし。

ついでにいうと、東京に浮かんでた円形のみみずは、まどマギのワルプルギスの夜を思い出したし、鍵を閉める時にお頼みもーす!ってやるのは細田守監督のサマーウォーズのよろしくお願いしまーす!だし(鍵をしめるってのも同じ)既視感の連続で、もやもやもやもや……

ただこういう既存作品を連想することが本当に増えてきたので、単に自分が歳を取りすぎたのかもしれないとは思う。
数年前に国民的大ブームを起こした鬼の漫画だって、作画は新しいと感じたけれど、キャラクターも演出も既視感の連続で、わたしにはなにがいいのかまるでわならなかったから。


廃墟が増えてきた、当時を思い出せば鍵が開く、っていうのは、私の知る限りでは新しかったので、とてもよいと思った。

相変わらずの圧倒的映像美と、RADWIMPSの楽曲が合わさってもかなわない、強烈なもやもやが残る作品でした。

偉そーに色々言って申し訳ないです。

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