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伴奏者とコレペティとは?

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

おはようございます。

天雨劇場支配人で、コレペティ修行している、天雨航平です。

さぁ今日は、

「コレペティと伴奏者」

についてお話をさせていただきます。実際コレペティといっていますが、正式にはコレペティトール、コレペティートは、イタリア語では全く違って、「マエストロ コッラボッラトーレ」とよびます。
コレペティとは、オペラ劇場にてピアノを弾きながら、歌手に稽古をする役割で、当然オペラは、オーケストラで演奏しますが、最初の練習段階や歌手のレッスンなどを、オーケストラがいないときに、オーケストラの代わりをピアノでします。

さかのぼれば、指揮者が自らピアノを弾いて稽古をしたというのが原型とされています。よって、コレペティは指揮者の仕事であって、ピアニストではないと言えるでしょう。
カラヤンやクライバーといった錚々たる指揮者も、このコレペティから始まっています。

しかし日本では、コレペティは練習ピアニストとか、稽古ピアニスト、と思われているでしょう。ほとんどの現場では、稽古でピアノを弾いている人のことをコレペティと呼んでいます。歌手の指導をしないピアニストや、ただ稽古で弾いてる人たちのことを、単に伴奏者であって、コレペティではありません。

先ほどお伝えした通り、元々は指揮者がピアノを弾いて歌手に稽古をつけるということを踏まえると、コレペティは演奏家ではなく、音楽スタッフいや、コーチと言えるでしょう。

つまりピアノは弾いていますが、実際にはピアノを使っているだけで演奏はしていません。

コレペティは無論、歌手ではないので、歌手の技術について口出ししてはいけません。
もちろん、技術のことや歌唱の知識は、当然あり、質問されたら、
「こうした方がいいよ」
「こうすれば良くなるんじゃない?」
など、提案することはしますが、
「こうしなさい」
「ここから出しなさい」
「ここで曲げなさい」
「もっと前に出しなさい」
など強制してはいけないと思います。

この場合、技術というのは、俗に言う発声のことを表して、低い音から高い音まで、どのように音を出すかという体の使い方を学ぶことを技術と言います。

例えば野球でバットをどのように握るか、特にボールを投げるにはどのようにボールを握って、肩をどのように使うかといった具合です。

ではコレペティは何をするのでしょうか?
コレペティは歌手に対して音楽的なことを中心に、楽譜で準備完了までの見方や解釈などを教えます。
例えば、
どのように抑揚をつけるのか。
その言葉は正しいのか。
ニュアンスは合っているか
などです。

皆さんが思っているコレペティ像は、ピアノを頑張って弾いて、指揮者に合わせてバンバン弾いてる人だと思いますが、実際は全く違うことだと思います。

皆さんが思い浮かべるのは「ただの伴奏者」であることをおわかりいただけたかと思います。
しかし、日本の音楽大学では残念なことに、コレペティを学ぶことができません。昨日の配信でお話しましたが、私がコレペティを知ったのも、ある一つの授業でした。

そしてまたコレペティは表舞台には立たない職業なので、認知もされづらいのが現状です。

コレペティというのは、言葉をよく知り、歌手のことを知り、オーケストラのことを知り、つまり全てのことを知っていなければいけません。

その上、指揮者や演出家や歌手の中心とされている職業なので、いわゆる中間管理職と言えるでしょう。とても人間関係で複雑だったり、あの人は、、、この人は、、、といったグズグズの関係もよく知ることは多いです。私はこれからコレペティをこのチャンネルでこんなことや勉強したりあんなことをしたり、中間管理職だったりなどを、発信していきます。

それでは素敵な1日をお過ごしください。コレペティの天雨航平でした。
まったねー
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