RAGE UCL 雑感 ②「安定するデッキ」と「マイナーデッキ」について&Day1を突破しやすい組み合わせ

前回、それぞれの主なデッキ組み合わせの話しに夢中になってしまい、肝心のDay2に行く確率を上げるにはどうするかの所感を書ききれませんでした、すみません。今回は前回のファイナリスト達の組み合わせを見た上で、その他のデッキを使うメリットデメリットを解説していきたいと思います。


①「安定するデッキ」について

この環境はドローソースも豊潤でこれまでのShadowverseの中で比較的引きに偏ったデッキはあまりなかったように見受けられますが、やはりデッキによって偏差というものは存在します。このゲームがデッキからランダムにカードを引くというルールである以上これは仕方の無いことです。プレイヤーはこの偏差を極力少なくするために努力をしますが、この際やってはいけないのが

「環境デッキは偏差が大きいから安定するデッキを使う」

ということです。一見、偏差が大きいデッキを使うことは所謂「運ゲー」を挑みに行くように見えますが、実は

偏差の少ない環境外のデッキを使うことも十分「運ゲー」の部類に入る

と思います。


まず、偏差の少ない環境外のデッキを使うことのメリットから説明します。

偏差が少ないためもちろん偏差の大きいデッキと比べて安定した動きができて、相手の下振れを拾うことができます。これが最大のメリットです。更に、RAGEのようなオフライン大会では相手のメンタルや体調でプレイがブレることも少なくなく、更にはBo3を普段やらないプレイヤーの慣れていないプレイング等も拾うことができるので、実は

偏差が少ない環境外デッキはDay1においてはそこそこ立ち位置がいい

と思います。更に、対戦相手からしてみると対処法がわからない場合があるので弱い択を打ってきた場合、相性有利なら格上相手でも勝てる可能性もあります。

次にデメリットです。ここまで書いておいて何故持ち込みをオススメしないかというと、

デッキそのもののパワーが環境デッキに比べて低いため相手がただひたすら上を引いて負けることがある、Day2進出より先に行くつもりならプレイヤー自身のミスや対処法がわからない状態を拾うことが難しくなる

ためです。そして何故冒頭で偏差の少ない環境外のデッキを使うことも「運ゲー」の部類に入ると言ったのかというと、相手の下振れ、もしくは中間ぐらいの回り方を期待しないといけないことと、偏差の少ないデッキであればあるほど、不利対面を踏むと負ける確率も高くなります。何回回してもあまり変わらない動き方をするのに不利ということは、上振れを押し付けることもできないということです。逆に言ってしまうと

Day1を抜けることだけを考えていて環境デッキのプレイングに自信がないのなら偏差が少ない環境外のデッキを使うことも選択肢に入る

ということになります。ただし、強い対戦相手を踏んだり、不利対面を踏むと上振れ値が低いためどうしても環境デッキよりもジャイアントキリングの可能性は低くなります。

まとめると

偏差の少ないマイナーデッキは練度が必要な他のデッキを無理やり持ち込むよりは十分選択肢としてはアリ

ということになります。しかし、チームリーダーとしてはあまり使用を推奨しませんし、大会に出るなら環境初期の時点で環境デッキも触り始めてほしいというのが本音ではあります。実際僕もROGでは機械エルフでDay2に行きましたが、相手のレベルが違い1-3で敗退しました。Day2に1度行けばわかるのですが、本当にDay2から先に行きたいのであれば持ち込みを推奨できません。



②「マイナーデッキ」について

大会には自分の好きなクラスで出たいが、今期自分の好きなクラスが弱い…といったパターンはよくあると思います。環境外のデッキでプレーオフ進出は正直ほぼ不可能だと思いますが、Day2進出ならできます。次はその事について書いていきます。

今環境の例だと

「進化ロイヤル」「アグロヴァンパイア」

このふたつのデッキタイプはDay2進出のみを見るならば持ち込みは十分に有り得る環境でした。

まず進化ロイヤルは前述した「偏差の少ない環境外のデッキ」の部類に入ります。ただし、このデッキはこの手の低偏差デッキにしては珍しく明確な弱点があまりありません。デッキとしての欠陥としてドローソースが貧弱という点はあるのですが、対面相性を見ると有利もつきにくいが不利もあまりつかないといった感じになっています。

あとは低偏差デッキの時に説明した通りで、相手の下振れやミスを拾え自分は安定したパフォーマンスを発揮できるのが強みです。

アグロヴァンパイアは今環境トップのウィッチに対して有利という明確な環境における役割を持っていましたが、それ以外のデッキに対して(特にウィッチのサブデッキに多いリノセウスエルフやネクロマンサー)あまり強く出れないという弱点があるため環境外になっていました。ウィッチさえ毎回踏めればDay2にも進出可能なデッキで、実際持ち込んだ人はそこそこいたと思いますが、Day1は闇鍋なのでウィッチを持ち込んでいない相手と当たると頭を抱えます。

まとめると

環境デッキにあまり不利がついていない低偏差デッキと環境トップへのメタとなるデッキ

は環境外のマイナーデッキだったとしても持ち込みが十分に考えられるということです。ただし、何度も言いますがDay2から先はかなり厳しいので、どうしても時間が無い人や好きなクラスで挑みたい方向けです。


番外 オフラインにおける体力、集中力の持続力について

ランクマッチやオンライン大会と違って、RAGEや地方大会といった大規模なオフライン大会は慣れない環境で対戦相手と向き合ってゲームをすることになります。更に、

1番しんどいのは実はゲーム中ではなく待ち時間

です。試合ごとの待ち時間はトイレや水分補給をしたり、リプレイを見直したりするのに使えますが、集中していたのが終わった瞬間が恐らく疲れが1番押し寄せて来るのだと思います。そして、その後試合に入ったら再度集中力を高めないといけない。この繰り返しなので

誰でも集中力と体力は消耗していきます。なので、オフライン大会では自分が100パーセントの実力を出せるとは考えない方がいいです。

「なんでこんなミスしたんだろう、普段ならしないのに」

当たり前です、普段と違うのですから。大事なのはミスをしてもメンタルを動かさないことと、1度ミスしたら気を引き締めてその日はもうミスをしないこと、1番大事なのは

ミスを正当化するために択を歪ませない

ことです。

「ミスしたけどこの択ならこれはミスにならない」

こういう思考になる人いると思います、僕はそうです。これは絶対しちゃいけないことで、ミスをしても極力動揺せずに自分にとって強いプレイングをすることが大切です。

大会前から1ミスする覚悟はしておいた方がいいと思います。ミスは極力したくないものですが、人間である以上避けられなく、これがDay1における不利対面貫通の原因になったりもするので、そこがオフライン大会の大変なところでもあり、面白いところでもあると思います。



③では何を持ち込むのが正解なのか、正解を見つける方法

答えから言うと前回書いたファイナリストの握っていたデッキタイプを持ち込めば正解なのですが、それぞれメリット、デメリットがあるため今回はそれを深く掘り下げます。

まずは環境トップのウィッチ。

このデッキは歴代ウィッチと比べると偏差が少なく、それでいて今までと変わらずコストの踏み倒しによる上振れを搭載しているのでかなり強力で、他環境デッキとの相性関係もとても良好なので

最低限の回し方さえ覚えていれば持ち込み得

でした。しかし、このデッキを無理に難しく捉えすぎて手放したり、ウィッチは引き次第だからとサブデッキの方ばかり練習をしてしてしまった人がいるように思えます。ウィッチはたしかにマリガンが難しいのですが、基本はスペルブーストを進めることを意識してカードをプレイするので、極力PPの余りができないようにすればOKで、1ターンで出るダメージは10点近くにもなるが20点のOTKはキャル入りでもない限りは狙いにくく、ある程度顔を詰めていかないと勝てないデッキということを認識すればある程度は勝てると思います。ウィッチの使い方が間違っていると感じた対戦相手は、盤面に必要以上に除去を回してしまっていたように見えました。マリガンは有名な人やIf2だとのののさんのnoteに書いてありますが、複雑な方だと思います。なので、他人が書いたマリガンを覚えておくことよりもまずは

自分自身でデッキを回して答え合わせのような形で他人のマリガンを見ていい所を吸収する

といった形で良かったと思います。本番では他人のマリガンを見ながらプレイなんてできないので覚えることになるのですが、手っ取り早く覚えるには自分自身でこれは強い、これは失敗だったと経験を重ねた方がいいと思います。ただし、自分だけじゃ見えない択は存在するので、そこを他人の意見を取り入れて補完する形です。実際僕はウィッチのマリガンほぼ手慣れでやって、通話中は他の人に必ず「これどうする?」と意見を求めて段々覚えていきました。

次にリノセウスエルフ

メリットとしてドローソースが豊潤のため、安定した動きができる他、不利対面がウィッチとアマツエルフのみでアマツエルフは数が少ないのでほぼ全対面五分以上で見れます。しかし、このデッキをオフライン大会で使う際の最大のデメリットが

リノセウスが引けない時やミラーの試合時間が長くなりがちで休憩時間が最悪取れない上に手札が豊潤で取れる択が多いので取り返しのつかないミスをしてしまう可能性がある

ことです。これは盤外の要素だからといって侮ってはいけなくて、やっぱり連続で試合をさせられるプレイヤーと十分に休憩を取ったプレイヤーとでは出せるパフォーマンスはかなり変わってくると思います。Day1は今回は7回戦あったので、2-1×6と1-2をする想定で最大21試合することになります。ランクマッチならあっさりこなせる数ですが、大会となると話しが変わります。

このデッキは

体力や集中力の持続に自信があるプレイヤー、オフライン大会に何度も出ていて場馴れしているプレイヤー

が握ると強いデッキだと思いました。最低条件として落ち着いて広い択の中から正解を拾えるプレイヤーというのも存在します。

ネクロマンサー

今期のネクロマンサーはかなり引きによる要素が大きいのは事実ですが、引きが悪かった時にもどう勝つのかを考えるのがカードゲームです。なので、引きとプレイング、更には今期のネクロマンサーは単体でのカードパワーが高いカードが多いのですが、セレスによるコンボの側面もあるのでアグロに寄せるかグールでコントロールに寄せるか憑依でセレスとの噛み合いを良くするか等、採用カードの幅が他のデッキと比べて比較的広かったです。このデッキを握るメリットは

パワーが高くプレイングが出るデッキなので相手の弱い択を拾うことができる

ことです。デメリットはそのまんま逆にしただけで

プレイングが素直に響くので練度と構築の勝負になる

ことです。練習と構築次第で無限の可能性を秘めているのと思うので、かなり素直な環境デッキではありますが、やっぱり引きには左右されるので相当自信がある方じゃないとこの手のデッキは持ち込みをオススメしません。下を引いた時に諦めるのではなく、どうしたら勝てるのかを考えるタイプのデッキです。

ドラゴン

上述のリノセウスエルフとネクロマンサーに比べて求められる練度は低いのですが、その分

構築力とそれにあったプレイ

が求められます。細かいカードの採用が勝ちに繋がる鍵になっていると思います。

ただし、ドラゴンは当初コントロールエルフに有利とされていましたがリノセウスエルフと化した今、五分程度だと思います。なので、明確に環境デッキの中で有利が取れる相手はいません。完全にデッキの上振れ加減との勝負になります。今期は上振れた手札をいかに強く使うかと、上振れにどうしたら繋げられるかといった点が重要だと思うので、ドラゴンに自信があった方以外はオススメできません。

アマツエルフ

正直に言うとオススメではあるのですが

今環境の中では運が求められるので、Day1突破という観点で見ると少し疑問が出ます。しかし、アマツエルフウィッチの組み合わせにすれば不意打ちが狙えたり、相手がアマツエルフの想定をしていなかったりすることがDay1では多々あったので

リノセウスエルフ、ネクロマンサーに自信がなかった人

にはオススメできます。このデッキもウィッチと同じく使い方を間違えなければある程度戦えるタイプなので、相方のウィッチの方に練習時間を割ける、更に試合時間が短いので十分な休憩を取りやすい(特にDay2弁当ゆっくり食べれる)のがメリットでした。

デメリットは相手がウィッチを持っていない場合少し試合が厳しくなるのとやはり運に左右されることです。今環境は最低限ウィッチは回せないと勝ちにくかったと思うので、サブデッキに練習時間割けない方はアマツエルフ持ち込みがオススメでした。

リオードロイヤル

前期から落ちたカードが結構痛く、パワーとしては落ちています。それなのにプレイ難度はあまり変わらなく、泉や二刀流等のカードの価値も前期と変わっているので

しっかりとした練習が必要なデッキタイプで、更に、ウィッチを踏まない場合がかなりしんどいのでDay2シードが欲しい

デッキタイプでした。今回の記事のテーマはDay2突破なので、

これに限らず職人タイプのマッチング運要素高いデッキはオススメできません



まとめ

ウィッチが最低限回せる人は

ウィッチ+アマツエルフ

サブデッキにも時間を割ける場合は

ウィッチ+ネクロマンサー

どうしても時間が無い場合はマッチングお祈りで

アマツエルフ+アグロヴァンパイア

以上がDay1突破用今期の持ち込みオススメ編成になります。リノセウスエルフは体力面や場馴れが必要なのでオススメしにくく、リオードロイヤルはDay1ではオススメできず、その他はオススメする理由がなかったので結果的にこの3つになりました。

今環境の例で説明しましたが、要するに

環境トップ+上振れパワーが高いデッキ

環境トップ+環境2位

上振れパワーが高いデッキ+環境トップへのメタデッキ

を握るのが(例外はあると思いますが)Day2進出に近くなると思います。これを前回に当てはめると

自然ビショップ+リノセウスエルフ

自然ビショップ+自然ネクロマンサー

リノセウスエルフ+自然エルフ(クラス同じだから組めないけど)

ということになるので、リノセウス+自然エルフ以外は合ってると思います。

以上で②は終わりです、だいぶ長くなりました…

ここまで読んでくれてありがとうございました。

おまけ→ https://note.com/amatsu_teisyutu/n/n5e865c5a5f71

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