初演のジェラール・クレマン大尉の神ぶりー炎のボレロー


炎のボレロの再演にあたり、ひたすら記憶を手繰って、ジェラール・クレマン大尉が神であったことに思いを馳せました。あの、ビデオ………。
※あいまいな記憶を手繰って書いてますので、間違いも多いかと思いますが許してください。

炎のボレロ 
星組トップスター日向薫さんのトップお披露目公演。
2番手だった紫苑ゆうさんは敵役のジェラール・クレマン大尉を熱演。
この記事で大切なこと→紫苑ゆう=シメさん=ジェラール

ジェラール・クレマン大尉。
それは私が神とも崇める紫苑ゆう様が演じられて超絶スーパー熱血漢なのに冷たい態度が最高に素敵なフランス軍大尉です。

人生の4分の3を宝塚ファンとして生き、あっちへふらふら、こっちへふらふらしながらも、常に私の脳内には貴方がいました。ジェラール・クレマン大尉。そう、貴方です。

幻の場面、はたまた私の妄想が生み出したものなのか。

当時、小学生の私は日向薫さんのファンでしたので、お披露目公演『炎のボレロ』のビデオを父の友人がくださいました。
東京在住の方が録画してくださったもので、NHKで放送されたものかと思う。そうなると東京公演のものではないかと思う。そして、その後出回っている映像と若干違うのです。というか、私にとっては全然違うのです。

どこが違うって?それはジェラールのカッコよさが断然違う……!

繰り返し見て、ビデオテープがダメになってしまったので、私の記憶をたどるとこんな感じ。
ブチさん(麻月鞠緒)演じるブラッスール公爵がネッシーさん(日向薫)に休戦協定のお話をしにいきます。そこで、結構エグい条件をつけたブチさんに、随行していた誇り高きフランス軍人ジェラール演じるシメさん(紫苑ゆう)が激高するんです。

「ブチさん、あなたが責任とるべきだ」と。
激高するシメさん、血管きれそうだけど、マジかっこいい……!!

そこでブチさんに「一士官が口出す案件じゃねえ」的に一喝され、退場していくシメさんに敵側の反乱軍の人(千秋慎とかそのへん)が、

「あんた……えらいよ……!」って背中越しに声かける……。
シメさん、やりきれなさそうな表情を見せつつ退場………、
これ、マジ最高にかっこいい………んです!!!!!!!!

これ、現代のサラリーマン的に考えるとウルトラNG案件ですが
※役員の重要会議に同行した現場マネージャーが横から異を唱えるとか有り得ない※
宝塚だからこそ、エンタメだからこそ、保身に走った卑俗な施策を非難する誇り高きジェラールは最高にかっこいい。そして、それを称える側の自分でありたい、とますます心が震えるのです……!

ジェラール的に超見せ場だったんですが、見すぎて消えた私のビデオテープ以外の映像にはそこ、入ってないの……、見たことがないの……。
…………私の妄想だったのでしょうか。もう30年も前の話だしねえ。。


シメさま(私の神)が演じるジェラールというのは、ほとばしる青い焔がメラメラ、サイコパス的な常軌を逸する病的な攻撃性というか怖さがありました。コワイとかっこいいのどっちだかわからない境界線上にいる。

それがすんごいかっこよかった。

シギちゃん演じる恋人モニカとの場面は一応、人間なのね、と気持ちが和らぎました。といっても徹底的に熱くて徹底的に冷たい恋人なんですけどね。しかし、生きてる間は好きな女のそばにいたい、とかすごい台詞ですよ……。あと、あばよ!って言ってました。さすが柴田先生でございます。

これはカメラワークの違いか記憶違いなのかわかりませんが、
モニカとの銀橋デュエットは最後の最後まで振り向くことなく、肩を揺らせながらマント翻して笑顔で去っていジェラール、最高でした。
あんなに銀橋でかっこよかった人、この30年、いませんでした…。

今ある映像を見ても確かにジェラールはかっこいい。でもね、私が持っていた映像のジェラールはもっともっとかっこよかったんですよ?宝塚の男役こうあるべし!という魅力が凝縮されていたジェラールだったんです。見すぎて消えた私のビデオテープ以外の映像にはそこ、入ってないの……。
…………私の妄想だったのでしょうか。もう30年も前の話だしねえ。。

考えられるのはスカステで再放送されているのは関西テレビの花の指定席バージョン=大劇場公演、私がいただいたビデオはNHK版=東京公演だったのではないかと。

そう思って、東京公演版のパンフレットを探してみたものの、見当たらず。大劇場公演のパンフには「あんた、えらいよ」のセリフもブチさんに一喝されるとこもなかったです。やっぱり東京公演だったのかな、幻だったのかな……。どうなんでしょうか。生きている間に、文明が発達してあのビデオテープが復活してくれさえすれば……。

今回、再演するにあたり「ジェラールは宝塚史に燦然と輝くスーパー軍人超絶かっこいい役だけど……」舞台全体を考えると再演するほど面白かったろうか……と、実は結構微妙な気持ちになりました。
柴田先生の作品には超絶名場面あるけど、でもでも全体的にはちょっと再演するのはどうかなーというものもある……。その辺は今回の再演で改変されるんですかね。
ただ、私は宝塚の舞台、作品全てが万人受けする傑作である必要はないとも思っています(それについてはいつかまた)。


先日の梅田芸術劇場の初日舞台挨拶で彩風さんが柴田先生への思いを『炎のボレロ』の台詞にのせられていて、胸が熱くなりました。テレビの前で泣きました。生きて生きて、生きていきたい。
初演のクレマン大尉への想い入れが強すぎるので迷っていましたが、生きて生きて生きてゆくために、LIVE配信を観るぞと決意しました。
そして強く願っています。
どうか、どうか、愛する宝塚の舞台の幕が無事に上がりますように……!
タカラジェンヌの笑顔が多くの方に届きますように。

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