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【高見澤海人】2019.11.10 ツール・ド・おきなわ 市民レース140km オープン 6位

個人的には7回目、チーム入団後は2回目のツール・ド・おきなわ。言わずもがなシーズンの集大成。この日のために1年やってきたと言える、とても大切なレース。

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今年は市民140kmがオープンとマスターズ(40歳以上エントリー可)に分けられたため、チームから同クラスへのエントリーは、永瀬さん・キクさん・クニさん・松尾さん・荒井くん・自分の6名。スタート前にいつも通り普久川ダムまで往復してアップ。1009とシード権をいただけたので前に入らせていただいた。

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光栄なことにチームとしてスタート前にBS1のチャリダーのレポーターにインタビューされるが、明確なライバルは挙げず。というか挙げ切れず苦笑。現にチャリダーバイクカメラの方の背中に書かれているだけでもこんなに(福田さん撮影)

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ただ自然と緊張感はそこまでなく、というのも今シーズン何度も(キクさん・松尾さん・荒井くんは何十回も)一緒に練習をしてきて、松尾監督から事前戦略を共有されて自分のやるべきことをやる、と頭がクリアになっていたからだろう、静かな闘志を燃やしてスタートラインに並んだ。チームの戦略としては松尾さん記載の通り。要所まで人数を残して小集団でのスプリントだ。

<ツール・ド・おきなわ概要>

はじめて「ツール・ド・おきなわ」を知った方のために簡単にレースの概要を紹介する。コースは下記水色の線だ。

沖縄県本島、「道の駅」ゆいゆい国頭をスタートして、与那から東へ(普久川の登り1回目:紺色矢印)。その後分岐を北上し、半島をぐるっと回り再び与那から東へ(普久川の登り2回目:ピンク矢印)。その後分岐を南下し、東海岸に沿ってひたすら南下。アップダウンを経て、最後は名護にFinishする全長140km、総獲得標高2600mのロードレースだ。

FireShot Capture 539 - 市民レース - ツール・ド・おきなわ - www.tour-de-okinawa.jp

<普久川1本目>

スタートして普久川ダムの登り口までは常に前。2km程でノーシード集団後方スタートだった松尾さん・荒井くんも前に上がってきてチームメイト6人で固まって走る。普久川の登りはアドレナリンが出ているので苦しさは感じなかったが、ベース・パワー的にはそこそこでクリア(17:46,297w:PWR4.5)。実は登りの中腹、スタートから11km地点でフロントがイン側にチェーン落ちしていた。落ち着いて手を上げてコース脇に寄って、一度降りて戻す。幸い走り出すと集団のお尻が見えていたのでじわじわとダンシングしてドッキング。斜度が緩くなったタイミングでコース脇から前に出てチームメイトの近くに合流。ここで変にダッシュして脚を使わなかったのはよかった。

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遅れても焦らない(左端奥)

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この笑顔である笑(2枚とも、©Makoto.AYANO/cyclowired.jp)

この登りで留目さんと、加藤さんが逃げ始める。加藤さんはヒルクライマーとして事前にマークしていたこと、まだ距離も長いことからチームメイトと話して泳がせるよう判断。

登り切って左折して下る。昨年よりも下れるようになったのはアドバンテージ。ここで固形物(ロールパン×2、蒸しパン×2)をちびちび食べる。事前にたくさん食べていたが走り始めて心拍が落ち着くと若干空腹感を感じる身体らしい、空腹感が空腹になる前に食べる。

<奥〜海岸線>

奥の登りもチームメイトの近くで。ここは先頭にWAPPA鈴木さん、次いでクニさん・松尾さんが着いてペースは緩まずクリア((cyclo sphere)10:04,281w:PWR4.25)

海岸線に出ると、前と1分半差。バイクからの情報でそれを知ったチャリダー河田さんがアタック。これは見送る。内房古谷さんや、湾岸雑賀さんとともに、距離も長いから大丈夫だと話す。同じ思惑の敵チームと初対面でも協調しやすいのはRXのチームジャージのおかげか、リスペクトを得られている(気がする)。一気に詰める動きはしないが過度に広がるのも嫌だったので松尾さんらと話し、チーム員全員が前に来てローテーション。当然だけどめちゃくちゃ走りやすい。ただ、この動きに対して他チームから協調は得られず(当然か)、10番手くらいに下がってもRXを前に入れようとする方が多くローテが回らないので30番手ほどまで下がり、他チームにも回ってもらう。この時前にステイしてクニさんがローテしてくださったので脚を溜められた。

<普久川2本目>

登りに差し掛かる前に前方に上がり、登り始める。

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(photo:Satoru Kato/https://www.cyclowired.jp/image/node/313532

入口こそ若干強めに入ったものの後半に向けて緩んでいき、1本目よりまったり((cyclo sphere)18:34,274w:PWR4.15)。途中で内房古谷さんとWAPPA鈴木さんが上げていき、2人逃げ⇒3人逃げ⇒大集団という構図。登りでかち上げてしまうとせっかく残っている人数の利を活かせないので、きっちり6人残って右折して下りへ(ここは事前に話した通り)。前との差をバイクが教えてくれるが、1:30±30sでなかなか安定しない。後でわかったが、先頭の2人と第2集団の3人との差が混同されていたらしい。

<そしてレーススタート>

学校坂で雑賀さんが上げていく((Strava)15:20,268w:PWR4.06)。呼応してまだ元気な選手もたくさん。だが、登りの中腹でクニさんがチェーン落ち。戻ってくることを願うが、マークしていた有力選手は当然いて集団も大きい(はず、30番手より後ろに降りていないので全体の人数把握はしていない)ので、様子は分からず。登り切って荒井くんが苦しそうなので声をかけて鼓舞する。自分に対しても鼓舞するつもりで。これでチームは5人に。

その後の短い丘で湾岸の選手が集団から飛び出していく、数秒差ですぐに下りに入るが先頭キクさん・2番手雑賀さん・3番手自分でキクさんが抜けた後当然2番手の雑賀さんはチーム員が先行して回らないので自分が被せつつ先頭に出る。続く登り返しで雑賀さんが上げる。この辺りが流石だなと思いつつペースを合わせて登る、結構キツかった。

アップダウンを丁寧に走りつつ、ローテを回すように声をかけていく。河田さん・鈴木さんはこの辺りで合流。慶佐次でも湾岸のお2人・SHIDO中尾さん・チャリダー佐藤さんが前々でペースを作っていくが、まだ前3人(留目さん・加藤さん・古谷さん)とは縮まらず、50秒差。

下り切った海岸線がチャンスだと思い、若干強めに引き周囲にも声をかける。チーム5人と、湾岸の方々・チャリダーの方々・Max Speed高山さん・ITOI Power糸井さん・理科大の後輩2人(真柄・菊池)あたりが協力してくださるなと認識。荒井くんは精神でついていっている感じで引けなくなっているので、後ろで休むよう伝える。

<逃げを捕まえてレースは振り出しに・・・>

有銘の登りだったか、安部(カヌチャ)の登りだったか、3人を捕まえ、レースは振り出しに。松尾さん・荒井くんは遅れてしまうも、永瀬さん・キクさんとは一緒に。331号線の登りでキクさん・永瀬さん・雑賀さんが上げていく。集団は縦に伸びていく。左側が工事しており、コーンで道幅が狭くなっている。恐らく自分は5番手辺りで下りに入ったが、前が先にコーナーに進入、見えなくなったコーナーを抜けた瞬間、路面右から黒いボトルが飛んできて避ける。と同時に顔を上げると左側の壁に向かって雑賀さんがバランスを崩しながら突っ込み、バイクと身体が舞うのが見える。一瞬の出来事で頭が真っ白になるが、ニセコの宿で『落車は見ていると吸い込まれてしまう』と高岡さん・まこっちさんが話していたのを思い出して、ふっと首を反対に振り、進行方向に目を向ける。下りを抜けると前には数人いるがキクさん・永瀬さんの姿が見えない。登り始めて振り返るも変わらず、状況を理解する。

集団は30人弱、チーム内では自分だけになってしまった。これまで引いてくれたり話したチームメイトが頭に浮かぶ。悔しさでいっぱいになるが、こうなってしまった以上、自分がリザルトを残すしかない。

<勝負どころの羽地ダム>

羽地への平坦は牽制気味。入口前に3名ほどが飛び出し自分も乗じるが逃してはくれない。そして羽地。昨年はここで遅れて1年間悪夢を見た。自分を鼓舞するためにもサイコンのLapを切り、最大限集中する。先頭古谷さん、シュガーさんが若干先行。若干空いて加藤さんの番手で自分。苦しいが集中。後ろを振り返ると蛇のように一直線に集団がのびている。みんな苦しい。番越トンネルを抜けて右折したところ、何度通っても壁のように見えるがここも気合で。(下から番越トンネル抜け(cyclo sphere):3:45,335w:PWR5.07/曲がって上まで(Strava):4:45,332w:PWR5.03)

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(photo by Ms.Takasugi)

若干人数は減ったかに思われたがまだ20人はいるだろう。自分がここに残れていることにアドレナリンが出るも、手ぶらで帰るわけにはいかないとゴールまで集団のメンツとコースを考え戦略を練る、というか全力でついて行きながらどう脚を残すか考える。羽地からの下りでニッシーさん、バシさんと会い、アドレナリンはMax。先頭集団で逃げはなし、20人の集団で優勝争いが出来ることに幸せを感じてゴールへ。

集団の中で唯一「パンチ力がある」と一緒に走って知っていた石橋さんの番手を選択。集団人数も多いのでロングスプリントは合わせられてしまいそうだし、ラスト300あたりから埋もれないように、もがくラインも考えて集団右寄りに位置取って腰を上げる。が、脚を強烈に攣る。気合で回すもかかりが悪く加速できていない。集団4番手までは出るも離れていく先頭、右から見える水色のジャージ。届かないことは分かった。6位。(中央オレンジの留目選手の背後が自分)

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(photo:Satoru Kato/https://www.cyclowired.jp/image/node/313534

TOPとの1.6秒差はとてつもなく大きかった。完全に負けた。ラストは56.7km/hまで上がるも全然かかっていなかった。ここは来年に向けて大きな課題。

おきなわ

http://www.tour-de-okinawa.jp/PDF/2019/04_result.pdf

チームとしても、個人としても、おきなわの借りはおきなわで返す。

一年に渡りともに練習してきた方々、当日熱い戦いをした同じレースを走った方、万全の機材サポートをしてくださるRamonBikes村田さん、快く送り出してくれる職場・取引先の方々、そして現地までわざわざ来てサポートしてくれた大切な人、自分を支えてくれるすべての方に感謝しています。


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