5枚の写真と2つのテーマ
ドーモみなさん。マテラッツィです。
改変と自撮りにハマってるしがないVRChaterです。
初めてのVR写真展示
先日、rocksuchさんという方から「(写真の展示ワールドの二次出展で)マテさんの写真を展示しませんか?」とお声がけいただきました。
展示する場所は「Re:collection」というワールド。
VRChat上で写真を撮影し投稿されている、いわゆるバーチャルフォトグラファーの方々の写真を集めたワールドです。
ワールド自体は誘われる前から存じており、すでに展示されている面々の写真に対する知識は自分よりも断然豊富で、展示されている写真もとてもとても目を引かれるものばかりでした。
リアルを含めて写真展示というものを経験したことがない自分にとって、そんな機会を初めて頂けたことはとても光栄でございまして…(重い)
これを機にレタッチにも挑戦し、一期目の方々に見劣りしない作品を作ろうとめちゃくちゃ気合が入りました。
テーマを考える
今回提出できる写真は5枚。
枚数以外に特に内容の指定や制限はないのですが、良くも悪くも自分は「創作物には世界観やテーマを持たせたい」と思っており、今回も5枚の写真を通じて一貫した『何か』を表現したいと考えていました。
冒頭に述べた通り自分はいろんなワールドに合うアバター改変をしたり、そのアバターで写真を撮ることが好きです。
なのでそれぞれ異なる衣装のマイアバターを被写体にすることは第一に決めていました。
次にあったのは「海を撮りたい」ということ。
元々海が好きで、直近では自作のウェットスーツでダイビング(してる風)の写真を撮ったりしていたこともあり、その要素も入れたいなと思っていました。
ただし5枚全部を海にしてしまうと代わり映えもなくなんとなくつまらないので何かいいアイデアがないかなぁと考えた結果、「”知識の海”とか”人の海”とか言うし、それならいろんな比喩での”海”を集めてみよう」と思い至りました。
海といえば”起源”
↓
何かの過程やストーリー性のあるものを表現できそう
↓
「新しい分野に興味を持ち、それが昇華していく過程」を表現しよう
といった流れでこのアイデアも取り入れることにしました。
そんなこんなで最終的なテーマは「様々な海」「好奇心の昇華」に行き着きました。
1枚目「生命の海」
1枚目のロケーションはそのまんま海です()
連想したものは『起源・原点』。
原初となる生命が誕生し、あらゆる歴史が始まる空間。
自身の中で芽生えた好奇心という名の卵が孵化し、限りなく広がる未知の世界に胸を高鳴らせる瞬間をイメージしました。
撮影時は意図していませんでしたが、遠くにうっすらと見える巨大な影(クジラ)がこれから立ち向かうであろう困難や高みにいる存在を連想させたり、その先にある光は目指すべき到達点を連想させたりと、想像を掻き立てる要素を感じられてとても好きな写真です。
2枚目「知識の海」
2枚目のロケーションは図書館。
連想したものは『集積・堆積』。
先人の英知が集い積み重なる空間。
まだ駆け出しで手探りながらに挑戦した経験やそこから得た学び、調べ取り入れた知識が自身の中で積み重なり確固たるものとなっていく過程をイメージしました。
ゴシック系の衣装がここでは勤勉な「司書」という風にも見えます。
ひたむきに知識の整理や吟味を行う過程の表現をより強調できたのではないかと我ながら思いました。
3枚目「人の海」
※諸事情によりRe:collectionでは異なる写真を展示しております…
3枚目のロケーションは交差点。
連想したものは文字通り『交差』または『錯綜』。
個々に異なる境遇や価値観を持つ人々が交差し、影響を与え合う空間。
偶然必然を問わず関わりの中で他人の成果や価値観に触れ影響を受けるとき、それまで自分の中だけで培ってきた価値観は様々な変化を遂げます。
ある時は憧れとして目指すべき道しるべを見出すこともあり、ある時は自信を失い錯綜する思考が荒波のように押し寄せ、それまで積み上げてきた価値観が崩れ去ってしまうこともあります。
ちなみに元々は人がごった返している様子を表現しようと思っていたのですが個人では難しかったため、代わりに四方に延びる自身の影を重ねた描写を形にしました。
これは「スランプに陥り目指すべき到達点と自分を見失い右往左往している」という感情も表していたりします。
4枚目「電脳の海」
4枚目のロケーションは電脳空間
連想したものは『拡散・発信』
スランプを振り切った心はより輝き、より広がりを見せます。
うちに広がる世界観はさながら仮想世界のように自身が望む限り果てのないもので、誰にも縛られない自由な空間です。
また自分だけの世界観を形にして発信していくことで他の誰かの心を共鳴させ、新たな「海」を作り出すことでしょう。
ここでの表情は、自分の好きなものを写す世界が鮮やかできらびやかで尊いものなんだと再認識する感情を意識しています。
5枚目「宇宙の海」
最後のロケーションは宇宙コロニー。
連想したことは『発展・進化』
地球という枠組みを脱して、前人未到の到達点を目指す近未来の空間。
大成したかつての好奇心はもはや一つのジャンルであり一つの星とも言えます。
ここから先は自分というジャンルをより突き詰めより星を大きくするも自由、好奇心を箱舟に別の星という名の新たなジャンルを目指して旅立つも自由です。
なぜならこれは自分だけの趣味であり自分だけの人生なのだから。
いずれにせよ何かを突き詰める中で培ったものはきっと別の何かを始める上でも役に立つし、一生の財産となります。
また無重力であるこの空間は、好きなことに上下という概念なんて無いのだと気付く瞬間をイメージしました。
配置のイメージ
展示ワールドでは写真が横一列に並ぶため、それを考慮して見栄えの良い配置を意識しました。
①見る人の経路を意図して左から順番に並ぶように配置(なお自分が勘違いしており、実際の経路は右から順が正規だった模様…)
②3枚目を中心に全体が対称的に見える構図作り(写真の縦横比、写るアバターの視線やカメラアングル)
その他にも「原始的な空間から近未来な空間へ」「地に広がる海と天に広がる宇宙」「アナログな図書館とデジタルな電脳空間」「誕生と進化」「堆積と拡散」「自身の影響から他者への影響」など様々な対称を意識しています(個人の観点)
余談
今回のテーマを形にする中で、自分の在り方というものを改めて考えていました。
VRChatはよく「自分のなりたい姿になれる場所」と表現されがちですが、それは自身の内面も同じだと妄想します。
心のありようもまた自分で「無理」を作らない限りはいくらでも広がりどんな色にも変えられるのです。
あなたの『海』はどんな景色ですか?
あなたはどんな自分でありたいですか?
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