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【長編小説】ダウングレード

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記事一覧

【長編小説】ダウングレード #33完

「安慶名、具合でも悪い?」  顔を上げると沖が真正面から顔をのぞき込んでいる。 「いや、別…

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【長編小説】ダウングレード #32

「安慶名くん、よくここが分かったね」 「店長に聞きました」 「君も何か飲む?」  菅原は手…

【長編小説】ダウングレード #31

 プレートを二つ抱えて店長がキッチンに戻ってきた。かなえはまだカウンター前に立ったままだ…

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【長編小説】ダウングレード #30

 夜中に息ができなくなり、このまま死んでしまうのではと和佳は毎晩思う。寝る前に飲むように…

【長編小説】ダウングレード #29

 テントで目覚めた朝はとても寒かったが、空気が澄んでいて気分は良かった。簡単な朝食の後川…

【長編小説】ダウングレード #28

 シェルターに来て一週間が過ぎた。  最初の二日間は、この施設のルールや分担する家事の確…

【長編小説】ダウングレード #27

 西川が車を停めて店長が古びたアパートに入って行ってから、もう十分近く経っていた。運転席の西川はハンドルに手をかけたまま道の先の景色を見ている。後部座席に座った耀も窓の外を眺めていた。  菅原は耀の処遇はこれから検討すると言っていた。市長には報告するだろう。G2のメンバーにも意見を聞くのかもしれない。溝口かなえはきっと辛口の意見を出すだろう。 「俺の処遇を決める会議とか、あるんですか?」  耀は西川の後頭部に向かって声をかけた。西川は肩越しに振り向いて、また前方を見た。 「会

【長編小説】ダウングレード #26

 三十分ほどして西川が部屋に入ってきた。西川はまばたきを二回しただけで何も言わなかったが…

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【長編小説】ダウングレード #25

 目が覚めると明るい病室のベッドに寝ていて、ヘッドフォンをつけた西川が枕元のイスに座って…

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【長編小説】ダウングレード #24

 真夜中の二車線道路にサラサラと水が流れ続けている。和佳はきっと近くにいるはずなのに場所…

【長編小説】ダウングレード #23

「かなえさん、そんな大声でなくても聞こえるからもっと落ち着いて下さい」  西川は助手席で…

【長編小説】ダウングレード #22

 西川は今日も耀の家に居座っている。確か三日前に言われた言葉は「今晩泊めて」だったはずだ…

【長編小説】ダウングレード #21

 その部屋は主寝室らしく、セミダブルのベッドが部屋の中央に置かれている。壁にクローゼット…

【長編小説】ダウングレード #20

 その日は朝からツイていた。オートレースで三戦連勝してこの三週間の負けを取り返した。オートレース場にイベントで来ていたのは、デビュー当時から聴き続けている演歌歌手の小島さゆりだった。若いアイドルやお笑い芸人もいいが、歌のうまい演歌歌手の生歌はやはり最高だ。おまけに小島さゆりは歌いながら視線を合わせてきた。サビの部分で感情を込めながら。今日は最強だ。宝くじでも買うべきかもしれない。  胸ポケットに入れているスマホが震えた。登録していない番号からだが、機嫌よくタップして耳に当てる