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角野隼斗 全国ツアー 2023 “Reimagine”(2023/1/27)みなとみらい公演備忘録

初めての感想投稿

 普段はツイッタランドの住人です。去年からクラシックコンサートに行ってTwitterで感想を呟く様になりましたが、誤字脱字に気づかないまま投稿してしまい、いいねをいただいて消すに消せないことが多数。
今回少し書きたいことが長くなりそうだったので、思い立ってnoteに書いてみました。
記念すべき(大した話じゃないけど)初の感想投稿です。

注意事項

 まず最初に音楽ど素人な上、一部の音域に対して聴力が弱いので、正常な方とは聴こえ方が異なり、あまり参考にならないかも知れません。
ステージ両脇に設置された大きな黒いスピーカーも、ステージ中央前方に設置された小さい白いスピーカーも、見えてはいたけどどんな役割を果たしたのか実感出来ませんでした。
また実際Twitter上で皆さんの感想を拝見すると、自分が感じたものと同じ様なキーワードはほとんど見られず、自分がいかに「音」に鈍感なのかと愕然としました。

 それでも私自身は自分の感じたもの自体を「とても素敵な思いつき」だと思ったので、否応なくフォロワーさんに流れて行くTwitterではなく、noteにこっそり書いてみようと思います。
この世のどこかに1人でも共感してくださる方がいたら嬉しいです。
細かいセットリストや、曲ごとの感想は、音楽に造詣の深い他の方々の投稿をご覧ください。因みに私はピアノ経験は小学生時代のみ、他は部活でトロンボーン、クラリネットをやっていました。
建築・美術・歴史好きな史学科出身(ペーパー学芸員)の会社員です。

1曲目で見えた景色

 …前置きが長くなりました。
1曲目バッハのインベンション第1番。
角野さんが登場して挨拶もそこそこに始まったグランドピアノでの演奏。
まだ客席は落ち着かず、衣擦れの音やボソボソ話し声もする中で、素朴とも言える様なペダルを使わない音が雑音の合間を縫って聞こえてきました。
軽快な指使いがテンポ良く響いて、少しずつ雑音が静まっていく中、突如インベンション第1番という美しい装丁の大人絵本の扉が開いた様な感覚になりました。
 私はバロック的な音楽を聴くと、どうしても華麗な建築物や絵画、ヨーロッパの景色も含めて時代背景の様なものが脳内に浮かんでしまいます。
そういった映像がピアノの生演奏という美しい装飾文様に彩られ、目の前に提示された感覚です。
事前予習をしたものの、馴染みのないラモーやグルダ、カプースチン、バッハというバラバラの時代を、角野さんのピアノによって1冊の絵本として魅せてくれるんだと理解しました。
 そんなことを思いながら聴いていると、しばらくして背面のアップライトピアノに移動して弾き始める角野さん。
カデンツァ?アレンジ?内省的な音で曲の表情が変わった感じになったのが、絵本の新しいページをめくった様に感じました。
そして私はその「美しい装丁の絵本」という感覚をとても素敵な思いつきだと思いました。

「ただここに音があることだけを感じて」


 角野さんはMCの中で、「先入観をとっぱらって、ただここに音があることだけを感じて欲しい。」と言うようなことを仰いました。モノの本質そのものを捉えようとする角野さんらしい言葉だと思いました。
 その時点で自分の知識と角野さんのピアノから連想して作り上げた絵本は、先入観そのものだと思いました。
これは角野さんが感じて欲しいものでは無いと。
それでも私の頭の中は「美しい装丁の絵本」から離れられません。
そして、一度浮かんだイメージを最後まで払拭することが出来ませんでした。

どんどん広がる世界

 その後、アップライトでは左を向き、グランドピアノでは右向きと、移動して身体の向きを変える度に、視覚的にもページがめくられた様に見えました。
 曲が変わるごとに新しいページの中に色んな世界観が見えます。
貴族のサロン、真っ暗な無音の宇宙、煌めく星、静かに自分の心の奥底のものと向き合う姿。
他にも色々あった気がします。(もう既に記憶が曖昧です。)
 アップライトピアノでは、自席からは死角の為詳細が分かりませんでしたが、上部を何度か触っており、音色が変化していました。
何種類か音が変わった様に思いましたが、ハープの様な音が気に入りました。
 以前フェルトを加工したり、別の材質のものを取り付けて音を変える様なお話をされた時、それぞれ別の加工を施したピアノを複数台使ってコンサートをして欲しいと思いましたが、まさにそれを実現されたのが嬉しく思いました。

ビートのある音楽

 ビートのある音楽という共通性から、ロックコンサートばりにノリノリになるんじゃないかという様なコメントが事前のラボでありました。
実際コンサートでも角野さんがMCで、曲の時代が違ってもビートを感じて欲しいという主旨のお話しをされました。
残念ながら、私は古い時代のものにそこまでのビートを感じることが出来ませんでした。

ピアノを使った舞台芸術

 前半でも照明を使った演出がありましたが、後半はまた少し形を変えて照明が効果的に使用されていました。
始まったばかりのツアーの為詳細は伏せますが、見ているうちにこれはピアノの演奏を聴く為だけの時間ではなく、ピアノの使った舞台芸術を鑑賞しているんだと思いました。
ピアノの音があってのステージであることは間違いないけど、ピアノや照明、マイクのセッティングから、角野さんがピアノを弾く姿そのものも含めた芸術作品なんだと。
 そう思ったら、最初に考えた「絵本」という思いつきも、芸術作品、舞台の楽しみ方として間違ってないんじゃないかなと思いながら最後まで鑑賞しました。

終わりに

 長い文章は、手順書はたまに仕事で作るけど、それ以外だと卒論ぶり(20数年ぶり笑)です。
長い割にコンサートの中身が何も分からないじゃないかと思われた方、申し訳ございません。noteの使い方も分かっておらず、スマホでポチポチ打ったので、色々見づらいと思いますが、何とか記憶が残っているうちに書けるだけ書いてみました。
 実は、角野さんのツアーにはこの後も行く予定があります。
チケットは取れないだろうと思って、行ける日程を全て申し込んだら、全て当たってしまいました。
 今回感じたことを記録したことで、次回以降感じたことと比較が出来ると思うと楽しみです。
 次回もnoteに書くか分かりませんが、ここまで拙い文章を読んでくださり、本当にありがとうございました!

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