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思考のスナップショット

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誰かに相談されたときに「あー。それ今はこういうふうに考えてるんですよ」ってリンクをシェアできるようなメモを置いておきたい。
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ちょっとしたツールを作るときの考え方と技術スタック

最近仕事でプロダクトの初期段階を作ったり、小さなツールで問題解決したりすることが多いので自分なりのやりかたをまとめておく。 まず、本当にモノを作る必要があるかを考える逆説的だが一番大事なステップ。エンジニアをやっていると、問題を聞きつけたときにすぐそれを解決するツールを作りたくなる。 しかし、ユーザーに聞いてみると実はそんなに困っていなかったり、既存のツール(たとえばZapier)を使えば解決したり、1回気合で手作業するだけで良かったりすることがそこそこの頻度で存在する。

意義が感じられない業務があるとしたら、それは構造的に捉えられていないだけかもしれない

目標設定とか評価とか、いわゆるピープルマネジメント的な仕事が苦手だ。 評価の時期になるたびに「給料もらうために必要だから仕方なく」とか「これをやったからって良いものが作れるんかいな」という天邪鬼な気持ちが心をよぎっていた。 最近は自分でチームを立ち上げてプレイングマネージャー的なロールをやっているが、「メンバーの目標設定やってくださいね」と言われて「まぁ苦手だけどやるかぁ……」と後ろ向きだった。 今日VPoEの藤倉さんと1on1をする機会があり、上記の考えを共有して相談

アウトプットの慣性を生み出す

最近ふと、文章を書くのが億劫になっている自分に気づいた。 エンジニアという仕事柄ドキュメントを書く機会もそこそこあるが、書くのに時間もかかるし、なんとなくドキュメントよりもコードを書きたくなったりして少し遠ざけてしまったり。 文章書くのが遅くなるくらいならまだ良いが、文章を書いていない弊害として大きいと思うのは「じっくりひとりで考える時間が減る」ということだ。 思考が浅いときに文章を書こうとすると、ちょっとしたところで疑問が出てきたり論理展開がうまく書けなかったりして、そ

ランダムな出会いが、僕たちを豊かにする

幡野広志さんの選書フェアがあるということで、妻と一緒に代官山の蔦屋書店「Daikanyama T-SITE」に行った。 Daikanyama T-SITEは本屋とスタバと美術館とTSUTAYAとファミマを魔合体させてパクチーを添えたような施設で、代官山という立地もあって大変おしゃれな雰囲気を醸している。 敷地の広さとあまりの魔合体っぷりに、最初はどこに行けば良いのか、そもそもこれは本屋なのか、と戸惑った。 書棚の構成はというと、『パターン認識と機械学習』のすぐ隣の棚に『

思考を素早く文章に変換する3つのテクニック

noteの編集画面を開いて「うっ」となった人はいないだろうか? noteをやっていないなら400字詰めの原稿用紙でもいいし、新品のノートでもいい。まっさらな状態に文字をのせるという行為は、どこか窮屈さがある。 そのハードルを越えていくのが「書く」という行為で、執筆のリズムができているときはいとも簡単に原稿用紙を汚すことができる。 不慣れな人や、しばらく執筆していない人はどうしても、そのハードルを越えるのが難しい。書き出しはもっとインパクトがあったほうがいいかな、とか、こ

「ちゃんとした暮らし」じゃなくて、「ラクな暮らし」を目指そう

結婚して1ヶ月半ほどが過ぎた。幸い喧嘩もなく、毎日楽しく暮らせている。 楽しく生活していく上で僕が大事だと思っているのは、なによりも「ちょっとしたストレス」が少ないことだ。同じお金を使うなら、瞬間的に楽しい消費より、ストレスが減ることに投資していきたい。 家選びストレスフリーな生活は家選びから始まる。イケてるポイントとイケてないポイントを列挙しよう。 まず大事なのはイケてないポイントの精査だ。 一度住み始めたら2年くらいは住むことになるし、入居前でも気づくような違和感

感覚を較正する

何歳になっても舞台に立ちたい。 そう言っている漫才師の方がいた。 漫才そのものが好きで、ずっと触れていたいというだけではない。その人が大事にしていることを一言で表すなら「感覚を較正する」ということなのだ。 「較正」とは、計器の狂いを正すこと。 自分の「面白さ」は今のお客さんには通用するのか。独り善がりなものになっていないか。そういった大きなテーマから、口調や間の取り方、身振り手振りの大きさといったテクニック的なところまで、お客さんの反応と照らし合わせて正していく。

コミュニケーションを諦めない

「それで、君はそんな彼らに何か言ったの?」 あるコンサルのインターンで、ついていたメンターが僕に訊いた。 これは、僕の就活の中で最も苦くて最も貴重な経験の話だ。 ・ ・ ・ コンサルのインターンでは、お題として与えられた企業の問題点をチームで分析し、今後打つべき戦略をプレゼンする。チームの人数は3人から6人。与えられた日数は3日ほどだ。 僕らのチームはひどいものだった。会議は踊る、と表現するのがぴったりだろうか。船頭多くして船山に登る、でもいい。話し合いが上手くいか

漠然とした不安に囚われないために。

「最近お金がなくてさー」みたいな会話ばかりしている人が周りにいないだろうか? もしかして、あなた自身がそうだろうか? 大きめの買い物をした月なんかは月末は漠然とした不安がつきまとう。別に不安がったところで収入が増えるわけでも支出が減るわけでもないのに、なんとなくお金が少ないことが重しになる。 そして思考がぐるぐると同じところを回りはじめる。今月つらいな、もっと収入あればいいのに、自分の能力が足りないのかな、いやそもそもあんな買い物しなければもうちょっとお金余ったな、何で買

人生で初めて何かを理解した瞬間について

人と人とが向かい合って手のひらを合わせたとき、自分の左手が触れている相手の手はどちらの手だろうか。 もちろん答えは右手なのだが、これを理解した瞬間を覚えている人はどれほどいるのだろう。あたりまえだと思って流してしまっているのだろうか。 僕は明確にその瞬間を覚えている。 「パパ」「ママ」が言えるようになり、身の回りのいろいろなものの名前を覚え始める時期。机、椅子、パソコン、ピアノ、布団。そんな流れの中で「左手」と「右手」があった。 僕は左手に大きなほくろのようなものがあ