映画備忘録 2020年11月・12月

11月は特に見たい映画はないんだよね、と思ってたら、大当たりに出会うから人生って楽しいね! そして、12月に見たい映画を全部持ってくるのやめてくれないかしら。ばらけて! またもや、2か月分まとめてます。それではいってみましょう!

「羅小黒戦記」

超絶よかった!
妖精と人間が共生する世界のお話。森を追われた猫の妖精と、人間を憎む妖精と、人間のお話。カタカナが苦手すぎて、だれの名前も覚えてない。すまん(だれに謝ってるんだw)。
もうね、主人公の猫の妖精がかわいくてかわいくて! かわいい! とずっともだえてた。
それぞれの正義があって、どの人が正しいとかもなく、とても上手な話作りだなあと思う。最後の「師匠!」のところから号泣した。ずっと泣いてた。師匠と生きていくんだよ、うんうん、って。
あとは声優さんがすばらしい! 日本の声優さんの技術の高さは宝物だと思うから、これからも安易に俳優さんを使わずに声優さんを信じてあげてほしい。全然ちがうから。
櫻井さんは最初から、櫻井さんだ! だし、マモちゃんは棒読みっぽいのに棒読みじゃないようにきちんと演じてるし(見に行ったら私の言いたいことがわかる!)、ハナザーさんがね! もうね! いいの! ハナザーさんに何度も泣かされたよ。かわいい上に技術あるって無敵じゃない? あと、杉田さんどれだw 出てたら絶対にわかる自信がある人なのに、今回わからなかった。名前出てきてびっくりした。
そして、日本語の主題歌が超よかった! 基本的には日本独自の主題歌反対派ですけど、今回の歌すごくいい! 「I believe in you and me」って歌詞がすごく好き。
こういう瞬間のために映画を見てるんだな、と思えた二時間でした。
幸せな気持ちになりたい人、全員見るといいよ!

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい」

原題は私の見間違いじゃなければ「エドモン」。「シラノ・ド・ベルジュラック」は知ってても、よく考えたら最後まで見たことないかも。「シラノ・ド・ベルジュラック」を下敷きにした映画とかを見てるから、知ってるつもりになってた。原作の人すら知らなかった。
創作に関わるすべての人を肯定してくれる、とってもとっても素敵な映画でした。原作者が主人公なんだけど、役者も裏方も原作者の家族も、みんな、きちんと描いてあった。劇場の支配人とかスポンサーとかライバルとかバー(かな?)の経営者とか、「シラノ・ド・ベルジュラック」が完成するまでに触れ合う人たちは悪役だろうと全員愛しくなる。主演の人の息子だからって抜擢された下手な役者さんが、いろいろあって最後は上手になるところは本当にすばらしかった。最後はだれも悪くなくて、みんな、いい人。こんなにちゃんとしたハッピーエンドってあるんだ、って泣いた。
「この劇は100年後も残ってる。エドモンの名前も」「私たちの名前は忘れられるけどね」って主役の人たちが言ってるの、たしかにそうだなあ、って切なくなった。映画は全員が残るけど、演劇は役者さんも裏方さんも残らない。そこをきちんと描いてるの、本当に真摯だと思う。
シラノが最後に死ぬとか知らなくてびっくりした。私が見てきたシラノ関係のもの、たいていは、醜くても心のきれいなあなたが好き! でハッピーエンドだった気がする。
とっても心が元気になる、すばらしい映画でした。

「ネクストステージ」

元気になれる映画ばかり見られて、本当に幸せです。
昔売れっ子だった黒人女性歌手とそのアシスタントの物語。歌手は新しくアルバムを出したいと思ってるけど十年前に出したのが売れなくてマネージャーに、だれも求めていない、ってとめられてる。アシスタントは音楽が大好きで、その歌手のことも本当に大好きでプロデューサーになりたいと思ってる。そこに、才能がある男の子がやってきて、アシスタントはプロデューサーだって嘘をついてその男の子とアルバムを作るうちに恋仲に…、みたいなよくあるお話です。
この映画もとにかく創作に関わる人を肯定してくれるやさしい物語。
黒人女性歌手はいまは売れてないわけじゃなくて、昔のヒット曲でツアーはできるし、有名だし、人気もある。それでも、つぎのアルバムが失敗したらキャリアがおしまいだと思ってて、アルバムを作りたいけど作れない。
「四十代以上の女性の黒人歌手で一位とったのは、これまでたった一人」
これは歌手だけじゃなくて女優さんでも、ある程度年齢がいくと主役をはれない、とかとおんなじで、若い子しかメインになれないのはまちがってる、と訴えてる人がたくさんいる。ダイアン・キートンとかメリル・ストリープとかがあの年齢でも主役してくれるの、本当にすごいことだなあ、とか思いたくない。当たり前であってほしい。年齢がいった男優さんはいくらでもメインはってるのにね。ハリウッドって実際はすごく男尊女卑だなあ、ってよく思うよ。
それはそれとして。
アシスタントのついた嘘がばれて、すべてがダメになる。そのあとのいろいろな伏線回収がすばらしかった! あー、いい映画だなあ、って思った。
歌手の人はアルバムを作るし、悪役かと思ってたマネージャーは実はちゃんと歌手を支えるいい人だったし、アシスタントと男の子はくっつく。ちゃんとハッピーエンド。とてもよかったです。
歌手の人がアシスタントに謝るときに「なんかいろいろしたかもしれないけど」と前置きして
「I forgive myself」
って言うの爆笑した。おまえがおまえを許すんかい! って。それがとてもチャーミングなの。
歌もいいし、最後はぼろぼろ泣いた。
感想がたいてい、泣いた、なの、ちょっとどうかと自分でも思うけど本当に泣いてるからしょうがない。実生活で泣かない分、フィクションへの涙腺がゆるいのです。

「ノッティングヒルの洋菓子店」

こういう二匹目のどじょう狙いのタイトルはきらいなんだよね。原題の「LOVE SARAH」がとっても素敵なのに、どうしてこうするよ…。
映画はとってもよかったです!
一流パティシエのサラが洋菓子店を開く直前に事故で亡くなった。一緒にお店をやる予定だった親友と、仲違いしたままだったサラの母親と、母一人子一人で支え合ってきたサラの娘。その女性三人がサラのいない洋菓子店を成功させるお話。
心があったかくなる、本当にいい映画だった。
そこにサラのもと恋人で父親疑惑のある有名パティシエや、サラの母親と恋仲になる男性も絡んでくる。派手なできごとは起こらずに、淡々と過ぎていく時間がとても愛おしい。
あとはとにかくお菓子がおいしそう! こういう映画でお菓子がおいしそうならそれで成功な気がする。
世の中、理不尽なことも多いけど悪いことばかりじゃないよね、と思える映画でした。

「燃ゆる女の肖像」

くっそつまんなかった。以上!
って終わらせたいぐらい、本当につまらなかった。
期待したものはだいたいはずれの法則が発動。
結婚前に肖像画を描くことが貴族(たぶん)では当たり前のことなのかな? その肖像画を描く女性画家と描かれる良家の女性の間で恋愛が起こるけど最終的に結ばれることはない、という期待しかない内容をどうしてここまでつまらなく作れるのか監督に聞いてみたい。
ムダな描写ばかりだし、これ本当に二時間なの? どこかで時間が巻き戻ってない? と思うぐらい時間が長かった。終わりが気になるから最後まで見たのに、終わり方もなんなんだ、あれ。
昔からフランス映画がものすごく苦手だけど、私のだめなもの全部のせ! みたいな映画だった。
途中で「時間を無駄にしました」ってセリフがあって、この映画を見てるいまこの瞬間のことかな? って思った。
ひさしぶりの、金は返さなくていいから時間返せ映画でした。

「声優夫婦の甘くない生活」

ソ連からイスラエルに引っ越してきた売れっ子声優夫婦が、いろいろありつつ夫婦として再生していく物語。
普通。おもしろくもつまらなくもない、本当に普通。
映画を映画館でカメラで撮って盗むとことか、それ、本気でバレないと思ってる? とあきれたし、夫婦両方とも自分勝手だな、と思うけど、笑えるところもあって、話としては破綻してないからいいか、みたいな。
おすすめはしません。

「ビルとテッドの時空旅行」

見始めた瞬間から、これ続編だよね? って思うぐらい続編めいてた。調べたら29年ぶりの続編らしい。知るか! 見てないわ!
ただ、そんなことどうでもいいぐらいすばらしかった! もうね、本当に元気になれる。
ビルとテッドは昔売れたミュージシャンで、なんか知らないけど(過去作見てないから)時空を行き来できるらしい。その二人が、77分後に世界が滅亡するから救う曲作れ、って言われて、でも自分たちでは作れないから未来の自分たちに一縷の望みを託して、電話ボックス型タイムマシンで(スーパーマンだね)、何年か後の自分たちに何度か会いに行く。
一方、二人の娘ちゃんズ(娘が一人ずついる)は父親を助けようと、過去に存在した好きなミュージシャンを集めていこうとする。
あらすじ最悪だなw
でもですね! 本当に本当によかったんです!
娘ちゃんズの音楽家の選任がすばらしくて、モーツアルトで泣いたよね。ほかにも、そこか! って選択ばかりですっごい好き。
父親たちはいま作れないのに未来に自分たちが作れてるわけもなく、毎回ひどい目にあう。そこもすごくおもしろい。
最後、世界を救うのは自分たちじゃなくて娘ちゃんズだっていうの、本当に本当によかった。ぼろぼろ泣いた。
みんなで演奏するラストシーンは泣きっぱなし。
こういうよくある話をきちんと話として成立させるのすごいと思う。悪も善も最後はみんないい人になる映画は大好物です。
主人公の片方、キアヌ・リーブスに似てるな、って思ったらエンドロールで本人の名前が出て度肝を抜かれた。なんの予備知識もないまま映画を見ると、そういうのも楽しめていいね。
これもまた創作に関わる人を無条件で肯定してくれるすてきな映画でした。
最初は、えっと…なんだこれ…? ってとまどったけど、すっごくおすすめです!

「また、あなたとブッククラブで」

ダイアン・キートンが出てたら見に行く。そして、毎回良作(か佳作)なの、本当に信頼できる。
40年間、ブッククラブを開いてる女性四人の友情物語。こういうのに本当に弱い。とっても好きなお話でした。
恋をしても結婚しても完全なハッピーエンドなんてない。人生にはいろいろなことが起こる。破局という別れも死別という別れもある。そういういろいろを経験しつつ、みんな元気でいるのっていいよね。この年代でも新しく恋をするし、性関係の問題も深刻に悩んでる。いつでもおなじように悩んで友達に聞いてもらって発散して。年をとったけどおたがいにがんばろうね、って言い合える友達がいるのは本当に素敵。
これは自分にもおなじような女友達がいるかどうかで評価がわかれそうだな、とは思う。私は幸いなことに、こういう関係を築いてるグループがあるから(年齢、既婚未婚、職業ばらばら。いつの間にか集まるようになった、とても大事な人達)、すごいわかる! ってなったけど、女同士の友情なんて、けっ、って人もいるからね。
私にはとても刺さったし、友達を大事にしようと思いました。いい映画でした!


以上! 結構見たね。
来年もまた映画をたくさん見たいです。「魔女がいっぱい」が時間があわなくて見てないので見たい。1月も楽しみな映画がたくさんあります。
今年のベストとかやりたいな、といつも思うけど、もうすでに11月見た映画を忘れてて、自分の感想を、へー、とか思うぐらいに記憶力が怪しいので一生やらない(やれない)。とりあえずひとつあげるなら「ハッピーデスデイ」かな? いまでも覚えてるのそれぐらい(どんな記憶力のなさだ)。

それでは、今年もよろしくお願いします。




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