映画備忘録 2022年3月、4月

舌の根も乾かないうちに、というのはこのことかw また映画を見始めました。アカデミー賞を見てたんですよ。今年のアカデミー賞自体はもういろいろダメすぎて、げんなりしてはいるんですが、コーダがちょこちょこ出てきて、そういえば評判になってたな、と思うわけです。で、コーダのちょっとしたシーンやあらすじを聞きながら、ん…? これ見たことある…? なぜ…? いや、見たことはないけど、あれとそっくりじゃない? ほら、あれ…フランス映画の…600万人が見たっていう…大感動して大号泣して人にすすめまくった…エールだ!
調べたら、エールのリメイクなのね。それは、まあ、もとがめちゃめちゃいい映画だしな。でも、ハリウッドリメイクってさー、マーリー・マトリン出てるんかい! 絶対にいくわ!
我ながら、変わり身早いw
マーリー・マトリンはオスカー女優ですが、私はドラマの「ホワイトハウス」で大ファンになったんですよね。気の強い何か(覚えてないのかい!)の役やってて、美人でかっこよくて、シーズン3ぐらいでいなくなったんですが「ホワイトハウス」は超名作なので、みんな見るといいよ。
というわけで、ひさしぶりに映画館にいってきました!
さっそく、いってみましょう!

「ガンパウダーミルクシェイク」

コーダじゃないんかい! いや、でも、復帰するなら、超かっこいいシスターフッド見たいじゃないですか! かっこいい女性の共闘すばらしいじゃないですか!

超絶最高でした!

全世界の人が見るといいよ(主語が大きい人の言うことを信用してはいけません)。
幼いころに殺し屋の母親と離れ離れになり、自分も「ファーム」という組織の殺し屋になったサマンサ。殺した相手の中に大組織のボスの息子がいて追われることになりつつ、ファームからの依頼で父親を殺してしまった女の子を助け出さなくてはならなくなり…。
あらすじってむずかしいね! どこかを見てね!
もうね、全部が最高だったんですけど、最初から最後まで血が飛び散ってるので、これがPG12…? とはなりましたね。とにかく殺す! かっこよく殺す! 最高!
サマンサのお母さんが合流するところとか、図書館の女性たちも戦うところとか、好きなシーンばっかりで、いま映画を見る気になってよかった! と心底思いました。悲しいところで泣いて、かっこよくて泣いて、情緒忙しい!
なんたって、主人公側がずっと強くないのがいいんですよ! すごい相手が現れて、全員、いったん負けそうになりながらも勝つ。鎖使うやつ、仕事人の京本政樹リスペクトかな…? と思う昭和脳ですが、あれはいいよね。いい殺し方(物騒なほめ言葉)。
好きなセリフ!
最初のダイナーでのサマンサママンの「Close your eyes, my baby」(微妙にちがうかも)。かっこよすぎて、きゃー! ってなった。
あとは助けた女の子が8歳と言われるたびに「8 years and three quarters」(8歳と4分の3=8歳と9か月)って訂正するところも、赤毛のアンの「Anne with E」味があって、とっても好きでした。
続編できそうな終わり方だったから、続編あるといいな。
あとは「ガンパウダーミルクシェイク」ってタイトル(原題ママだった)考えた人が天才すぎるので表彰されてほしい。
最高の映画でした!

「コーダ」

ちゃんと見たよ!
普通。すごく普通。私は「エール!」の方が好きだったな。映画として洗練されてるのはこっちなんだけど、「エール!」のいい部分も消えちゃってるので微妙…。
どうして農家から漁師にしたのか、弟から兄にしたのか、その変更になんの意味もないから、いえ、そんなの求めてないんで、ってなる。そこにオリジナリティ出す必要あったの? 市場でみんなで売ってるところが好きだったんだよね。っていうか、これだとお母さん、働いてなくない?
ただ、いい改変ももちろんあって、最後の歌にあわせて、こういうふうにみんなと溶け込んでいったんですよ、って見せるところがすごくよかった。
ラスト、娘が戻ってくるところは知ってても泣けた。
私は常日頃疑問に思ってることがあって、ジュリアードってだれでも入れるの? 好きな海外ドラマでも今回もだけど、別に歌がそこまでうまくない、そのうえ、ポップス歌って合格するという描写が当たり前にあるから、びっくりする。ジュリアードって芸大ぐらいの難関さだと勝手に思ってたんだよね。ちがうのか。
主人公の子がそんなに歌うまくないのは「エール!」もだから別にいいんだけど、これでジュリアードに奨学金で…? となると、いやいやいや、って思うよ。歌のうまさに説得力がない。
あとは期待してたほどマーリー・マトリンのよさが出てなかった。あのお母さん、勝手すぎてむかつくし、反対してたのにどうして応援しようと思うようになったのか一切わからなかったし、マーリー・マトリンの無駄遣いだった。
お父さんは本当によかった! これはオスカー取るのも納得。歌ってみせてほしい、のところも「エール!」にはなかったと思うけど、あそこがとてもすてきなシーンで感動した。
とはいえ、骨格はすべて「エール!」が作りあげてるので、「エール!」を見てほしい。すばらしい元ネタ映画があるものに作品賞か…それはどうなんだろう…ともやもやしたので、おんなじ気持ちの人は「ガンパウダーミルクシェイク」を見よう! おしまい!

「ドリームプラン」

ウィリアムズ姉妹のお父さん、リチャードの話…というか、ヴィーナスが成功するまでの話かな。
私は物心ついて以来、ずっとテニスファンで、ヴィーナスとセリーナが出てきたときも見てるし、二人とも大好き。テニスを知らない人たちからはパワーテニスと揶揄されることも多い姉妹ですが、すべてのテクニックを持ってるすごいプレーヤーなんだけどね。最近ようやく正当に評価されるようになったので嬉しい。
そんな私からすればリチャードはピーでピーでピーなので(お好きな言葉をどうぞ)、あれをどうやっていい人に描くんだろう、と思ってたら、ほう、だめなところはすべてなかったことにするのか。
たとえば、オラシーンと離婚して40歳下のただの小娘と結婚して、ウィリアムズ家と疎遠になって、ファミリーボックスにも入れてもらえない(オラシーンはいつもいる)とかは教えないのね! お父さんの教育が正しかったらいまも仲いいはずなのにね、ふっしぎー! とか思って、全然楽しめなかったわ。いや、嘘だった。とりあえず、ウィリアムズ姉妹は好きなので、とても興味深かった。ヴィーナスの子供時代はまったく似てないけど、セリーナはそっくりでびっくりした! とか、カプリアティもサンチェスも似せる気ないだろう、とか、ロディックここにいたんだ! とか、テニスファンとしては小ネタが楽しい。
楽しいけども、リチャードが正しいよね、みたいな描き方されるとさー、はああああ? と思うわけですよ。ウィリアムズ姉妹の決勝しかなかったころはつまんなすぎて女子テニスの人気が落ちてた、とか、女子で勝てる相手がいない、男子にも勝てる! って男子のトーナメントに出て500位ぐらいの選手にぼっこぼこにされたとか、楽に勝てちゃうからつまんなーい、テニス休むー、とか全盛期に言って、本当に休んだから、結局、セリーナは復帰してからの悲願である女子のグランドスラム最多記録が取れないまま終わりそうとか(そのころ真面目にやってたら、とっくに塗りかえてる)、そういうのも、リチャードのあの教育ならそうだろうね、と思ってしまった。
裏側を知ってると、はあ、そうですか…なところも多いけど、映画としてはよくできてたんじゃないかな。たぶん。
詳しいものの映画は微妙な感想になるんだな、という発見があったからいいか(ヤケクソw)。

「MARRY ME」

いつかの女子会での会話。
「最近、動画見てるとおんなじ映画の宣伝出てくるの! 教師と歌手が結婚するやつ」
「オーウェン・ウィルソンのだ」(私)
「オーウェン…、ジェニファー・ロペスのやつ」
「そう、それそれ! ジェイロー出てるね!」(なぜかオーウェン・ウィルソンが先に出る私)
「そういえば、ジェニファー・ロペス、ベンアフレックと再婚したよね」
「嘘おおおおおおお!」(最近アメリカゴシップにうとい私)
「そうだよ」
「そうらしい」
「そういえば、その二人ってなんとかって呼ばれて…」(無視される私)
はい、ジェイローとベンはベニファーで(なつかしいw)、まだ婚約で、たぶん破局する(おい)。ジェイローもベンも好きですけども、前回の騒動見てるしね。あと、ベンの前妻のジェニファー・ガーナーが大好きです! ジェニファーって名前が好きなのか、ベン。
女子会の会話って、だいたいこんな風に流れていくよね~。
はい、というわけで見てきましたよ、友達と。この会話の流れで、なぜ見にいくw あの映画が見たい、という話だったらしい。女子の会話ってむずかしいね!
映画はすっごいよかった!
話はとてもありきたりで、売れっ子歌手のジェイローがおなじく売れっ子歌手の婚約者と全世界配信で結婚する当日、婚約者の浮気が発覚し、傷ついたジェイローは、たまたま「MARRY ME」と書いた紙を友人に持たされてた数学教師のオーウェン・ウィルソンと衝動的に結婚します(役名とかは自分で調べるといいよ!)。ひょんなことから結婚した二人は心を通わせ愛し合うようになるものの、数学教師は、世界がちがう現実に打ちのめされて別れを選んでしまう。どうして、そんなことするんだ、オーウェン・ウィルソン! 彼を取り戻せ、ジェイロー!
途中、あんまりにも二人が幸せそうで、おたがいを好きになっていく過程が丁寧に描かれていて、そこにジェイローの歌声がかぶさって、何度も泣いた。
だから、ああ、悲劇なんだなあ、と思った。幸せなまんまなんてありえない、って。
ちがって、本当によかった!
もちろん、いったん別れたりはするんだけど完璧なハッピーエンドすぎて、最初の「MARRY ME」の伏線もきれいに回収して、号泣しました。友達いなかったら、声出して泣いてたと思う。友達と見にいくのは楽しいけど、泣いてるの知られたくないよね。鼻すすってたけどさ。
あとはとにかく、ジェイローの歌がうますぎた! ジェイローの映画はこれまで何本も見てきたけど、ここまでストレートに歌姫やってたことはなかった…ような気がする(弱気)。ディーヴァと一度でも呼ばれたことがある人は、本当に破格に歌がうまいね! 劇中歌どれもよかった。特に主題歌の「MARRY ME」と最後に歌う「ON MY WAY」が好き。
同僚の女性教師もとってもキュートでよかった。最初にレズビアンって明示されてたから、応援役よね、うんうん、って思ってたら、友達が終わったあと、全然わかんなかったけど、あの人、もしかしてレズビアン? って聞いてきて、字幕しっかりして! 大事な情報落とさないで! と思ったわ。だれもが英語をそのまま英語で聞きとれると思うな。
最初から最後まで幸せな気持ちになれる映画でよかったです!
とってもおすすめ!

はい、映画リハビリ終了! 今後も定期的に映画を見にいくかはわかりませんが、映画はやっぱりおもしろい! 家で配信でも見るけど、途中で、ちょっと休憩~とかするしね。映画しか見れない映画館はとても大事な場所だと思います。

それはさておき! 「MARRY ME」の娘ちゃんって、ガンパウダーミルクシェイクの娘ちゃんだったの! とか、同僚のサラ・シルヴァーマン見たことあるな、と思って調べたら「I'm fuxxing Matt Damon」の人だったのか!(知らない人は調べるといいよ。マットデイモンはもちろん、ベンアフレックの親友だよ)とか、つながりがいろいろ出てきておもしろかったです。

また、映画を見にいったら感想を書きます。

それでは!

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