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M-1は、ただの漫才師日本一の大会じゃない。

どうも、天野です。
大学時代にM-1について卒論を書いた程度の、ただのお笑い好き30歳です。

先ほど、M-1のアナザーストーリーを見て、感涙。
(30歳が-2度の部屋でスマホ片手に泣きじゃくる姿は見れたもんじゃない)

ナイツ塙が「今日本で一番漫才がうまい」と評したインディアンス、年間1000本以上の舞台に立ち続ける東京漫才代表のオズワルド、その実力ある漫才師たちを破って50歳で栄光を手にした錦鯉。

M-1は2001年から全部見てきましたが、こんなに感動する大会はなかった。

6017組という過去最大の参加者、たった10組だけが行ける決勝の舞台。
テレビ離れと言われる昨今、視聴率は約20%。関西では30%。
毎年ハードルが上がり続ける中、その期待を大きく超える、漫才師達。

松本人志が「定義を裏切るのが漫才」と言っていましたが、その通りだと思います。

松本人志


近年で言えば、2019年優勝のミルクボーイが「これぞ漫才」と思わせたかと思えば、2020年のマジカルラブリーは「これは漫才なのか」と論争が起こるまでに。

そのムーブメント含め、漫才の影響力の大きさを否定する人はいないと思います。

ここで、ずーーーーーーっとM-1を見続けて1つ思うことがあります。

「そもそも、なぜこんなにも僕たちは笑ってしまうのか?」
「なぜこんなにも、芸人たちの姿に感動するのか?」

エンタツアチャコ

それは、「誰よりも人を笑わせる」という命題。

その一点のみを追い求めて、"選択"し続けているからだと僕は思います。

もし、自分が芸人になったら、と考えてみてください。

お笑い好き、学校のクラスでは誰よりも人を笑わせてきた。
ダウンタウンに憧れて、自信を持って吉本の芸人養成所(NSC)に入ったら600人以上の芸人志望が入学。
自分より面白い奴が10人どころか100人以上いる。
養成所で初めてのネタ見せ、練習はたくさんしたのに、同期の奴らは全く笑わない。講師からは酷評。なのに次の出番の奴は大ウケ。
初めてのM-1に出たら1回戦敗退。同期で一番面白かった奴でさえ、2回戦敗退。
コンビを組んでた奴は、養成所卒業したらお笑いは諦めて就職するから解散しようと言われる。
卒業後、なんとか相方を見つけるも、すぐに食えるわけはなく、バイト三昧。
舞台に出ても、誰からも笑われることなく、親からは「早く定職につけ」と言われる。
3年が経ち、テレビのネタ見せ番組で同期が「第7世代のニューカマー」として出演。会場はネタで爆笑。それをバイト先で皿洗いしながら見る。
地元の友達は、スーツを着て、安定した収入を得て、家族を持ち、部下を持ち、「お前は好きなことしてて良いよな」と言われる。
なかなか芽が出ないまま、年齢も30を超え、10年が経過。
ようやく認知も増え、単独もできるくらいにはなったが、毎年出場するM-1は未だに3回戦止まり。芸人としての収入は4万5千円。バイトは3つ掛け持ち。恋人には何年も誕生日プレゼントをあげられない。母親に電話。「ごめん・・1万円貸してくれないかな」
現実を突きつけられ、夢を追い続けることが、ロマンではなく、リスクに感じてくる。
「今年を最後の年にしよう」と決め、M-1出場するも、またもや3回戦敗退。
コンビは解散し、芸人も辞め、友人が営む小さな会社の工場に勤務。

・・・なんて話が、ほとんどだと思います。(あくまで、色んな芸人さんを見ていての想像です)

そんな中、錦鯉のまさのりさんが30年以上かけて掴み取った優勝。
本当に凄いことだと思います。
どれだけの選択をしてきたんだろう。

まさのり

同期への嫉妬、親からの心配、友人が安定する姿、自らの現実への焦り。
色んな感情や、その都度で大きな選択を強いられたと思います。

じゃあなぜ、そんなに頑張れたのか。

それは、「誰よりも人を笑わせる」という命題があったから。
「売れたい」とも言える。

その一点のみを追い求めて、"選択し続けた"から頑張れたんだと思います。

あのビートたけしだって、最初から面白かったわけじゃない。
ただただ、その命題をずっと追い求め続けて、今の成功がある。

そしてここで、タイトルの回収をします。
「M-1は、ただの漫才師日本一の大会じゃない。」

では、何か。

M-1は、現代の日本人1人1人に、自らの命題は何かを突きつける場
(まあM-1はそんなこと1mmも思ってないと思うんですが笑)

日本が誇る、漫才師日本一を決める大会は、
周りの目を気にして思考停止した日本人を突き動かす、最高のファクターだと思います。

あなたにとっての、人生の命題はなんですか?
また、それを選択し続けていますか?

僕の場合、残り50年くらいでしょうか。
その中で、何を追い求め続けよう。

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