シングルマンとスロウトレインと±Conclusion
2作品を観たので、更新します。
Xまたはmixi2に投稿して吐き出してしまおうかと思ったのですが、ちょっと長文になりそうだったのと、ただ自分が何かの形でアウトプットしたかっただけなので、こちらに。
シングルマン
そもそもなぜ観ようかと思ったかというと、たまにお邪魔させていただくブティック?に、この映画を元にした香水が売られていたから。
かれこれ1年くらい前にお店で出会い、”いつかこれを身につけて舞台に立ちたいな”とうっすら想いを馳せておりました。
途中で売れてしまったらご縁が無かったんだなと思っていたのですが、まだあるんですよね。
しかも小さいサイズは売れてしまったけど、大きいサイズはまだ残っておりまして。
先日、年始にお邪魔した時に「これは頑張ってお迎えしよう」と決めました。
さすがにお値段がファビュラスなので、ちゃんと貯めてから。
お迎えに行く前に、せっかくだから香りの元になった映画を観ようと思ったのが、最大の間違いであり最高の出会い。
とにかくこの想いを語りたかっただけなので、作品の内容には触れずに書きます。
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裏切られた。
思ってた終わり方と違った。
あらすじを読んで、「いやに釈然としない書き方だな」と思っていました。
どんでん返しがあるような書き方。
観て分かった。
それはそう。ああ書くしかない。
メガホンを取った監督は世界的ファッションデザイナーらしく(すみません存じ上げませんでした)。
確かに、作中”情景”の描き方がとっても彩り豊か。なんだろう、視覚の誘導が上手だったのかな。
あと、演劇とか小説とか、物語を創作している人にとっては大博打的だなと思いました。そういった意味でファッションデザイナーの作品だなと思いました。
私は演出脳はないけど、少なからず制作脳はあって、そういった目線で考えると、あまりに怖くて出せない。
希望とか絶望とか、そういったものでは語れない。
もはや正解か不正解を問わせるような鋭利さがありました。
正解も不正解もないけど。
そうだ、鋭利だった。いま書きながら整理しています。
でも総じて美しい。
だけど終わりに向けて作り手に作り上げさせられた、作品への想像力とか期待みたいなものを、すごい綺麗なナイフで刺された感覚でした。
すごいニュアンスです。
とにかく、すごいものをみた。
スロウトレイン
ところ変わってスロウトレイン。
これを観たのは本当にたまたまで、寝れなかったからちょっと観てみようかな、くらいの気持ちでした。
野木さん脚本ですし。
星野源さん出てますし。
井浦新さん出てますし。
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観終わった感想としては、「なんでいま観た?」
内容を知らなかったから仕方がないのですが、
シングルマンからのスロウトレインは、流石にしっかりとしたダメージを受けました。
スロウトレインの内容自体は、とても温かいものでした。
寂しさとか孤独感を受容してくれるような。
現代のさまざまな思考とか生き方を、否定も肯定もせず、ただ受容してくれる。
野木さんからの、ちょっとした嫌味も含まれているのかな、なんて思う感じの。
お正月帰省する人もいる中でこの作品はとても素敵だし、ある意味挑戦的だなと思いました。
ただ、今じゃなかった。
これは私の事情です。
シングルマンからのスロウトレイン、ちょっとつらい。
最後、葉子ねえソロターンになってからの情景が、あまりにも幸せの形が明確すぎて、温かく描かれれば描かれるほど、脳裏にシングルマンが呼び起こされる。
シングルマン観てから間を開けて観ればダメージは少なかったのかもしれませんが、時すでに遅し。
ただ前提として、どちらも本当に素晴らしい作品でした。
素晴らしいの定義は分からないけれど、少なくとも私にとっては素敵な作品でした。
±Conclusion
突然の±Conclusion。
こちらは、演劇ユニットHORIZONが次回やる作品です。
開演前に、お客様に投票を行っていただき、その内容によって結末が変わるというダブルエンディングシステムを採用しています。
そろそろ本格的にクリエイションがスタートします。
こちらの作品は、復讐の是非を問うものです。
もちろんそれ以外にテーマ的なものはありますが。
何度読んでも、答えを見つけさせない構成だなと思って読んでいます。
「いやでも、やっぱりこうだよね」と答えに行きつこうとすると、他の思考が良い意味で妨害してくる。だから一生その答えには辿り着けない。
辿り着くことだけが正しいわけじゃないけど、煙とか霧が目の前にずっと見えているような居心地の悪さがある作品だと思っています。
視界がずっと明瞭にならない、というか。
前述の2作品に通ずるものがあるなと思いました。
そういった意味でも、このnoteに書いた作品に出会えてよかった。
まとめ
お付き合いありがとうございました。
とんでもない作品たちに出会えてよかった。
そしてすぐに感想を吐露できてよかった。
とりあえず、自分への誕生日プレゼントだと思って、今月中には香水をお迎えに行きたいと思います。
天野仁