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「割り切ること」

貴女は『自由がない』と言う。
僕にはわからないけど、きっとそうなんだと思う。
それに比べ、僕は自由だ。
いつどこで誰と何をしてもどうなってもいい。
けど、こんな自由、ちっとも嬉しくない。
時間を縛られたい。
交友関係を縛られたい。
服の趣味も、髪型も、カーテンの色も、観葉植物も。
好きな貴女に縛られ、僕は不自由になりたい。

貴女は僕を『可愛い』と言う。
そう言われると少しくすぐったくて、やっぱり嬉しい。
貴女が可愛がるのは、僕だけ。
そんな特別感で満たされ、何も言わずに満面の笑みで返す。
けど本当は、『かっこいい』も欲しくなる。
きっと貴女は甘え上手、その上目遣いに刺されてみたい。
指先から腕、次第に絡まり合っていく貴女を感じたい。
疲れたり、悲しいことがあれば頼られたい。
あなたの横にいる人みたいに、かっこいい存在に、なってみたい。

貴女は僕に『ありがとう』と言う。
僕は貴女に出会い、この言葉が少し嫌いになった気がする。
便利でずるい、優しい言葉。
『ありがとう』じゃいやだ、もっと求めて。
『ありがとう』だけで終わらせないで。
帰り際、「まだ一緒にいたい」が出てしまわないよう必死に喉を押し潰す僕へ、悲しそうに『ありがとう』だなんて、言わないで。

もう、無理かもしれない。
早く、僕の好きが壊れる前に。
もっと、貴女を。


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