ウタカゼ物語をなんとなく書いてみたい その2

 ヨシノは長い間、村の日常に飽き飽きしていた。彼の心は常に何か新しい冒険や未知の世界への探求を追い求めているのである。毎日同じ景色、同じ顔ぶれ、同じ話題に飽き飽きしていたのだ。だからこそ、彼は冒険への憧れを常に抱いていた。彼は星を見上げ、村の外に出て、探求心の赴くままに世界を旅してい見たいという強い欲求を感じていた。

 豊穣祭の前夜、彼は違和感を抱いた。村の麓近くにある森に呼ばれるように、どこかから声が聞こえてくる。月が妖しく森の方を照らし、どことなく森全体が生きているようにも感じる。

 ヨシノはその光景に引き込まれ、昔夢の中で見た幻想的な世界に導かれるような感覚を抱いていた。それは確信に近いものであった。まるで冒険の旅がこれから始まるかのような気持ちを持ち、家から離れ、好奇心を胸に秘め森の奥深くへと足を踏み入れる決意をした。

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