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夜中にひとり食パンをかじる バターをつけないで ジャムをつけないで 電気もつけない 冷蔵庫…
ざあざあと傘が泣いてる 交差点に人はまばら 忘れ物をしたようで振り向いたら 世界はどこにも…
はじまりの海は遠浅で かなしむことをまだ知らない透明なさかなたち 約束したはずの場所を ゆ…
わたしをくるむあなたの器官を 海と呼んでみようと思う なまあたたかい夜の渚に 白く浮かび上…
そぞろ歩きのちいさな深夜 足取りは変に軽いのに どこに視線を送っても 歩みが満たされること…
群青がいっぱいに広がっている 微熱を抱えた花びらに そっと目配せをされて ぼくは立ち止まる …
震えているのは ぼくのささやかで深刻な欠落です 今日はとても風が強いから 取り繕いのバリアーも 秒で剥がされてしまうね 飛んで行ってしまう あの日もこんなふうに ちいさな僕は塀の蔭で震えていた 家には入れてもらえなかったんだろうね あまりに寒いと人間は泣けないんだ でも 何かを失ったのはその日じゃない 欠けたり割れたりというのは べつに比喩とは限らなくて 文字通りにひびが入ることもある そこから滲み出る血液とか何やらを 秒で気化させて風が運んでいくんだ そうやって流され