見出し画像

想像してみて下さい。

想像してみて下さい。

もしも、テーブルの上に、同じ高さの…大と中ぐらいの透明アクリルの箱が、隣り合わせで、二つあるとします。

そこには、それぞれの箱に「亡命扉」と「戦い扉」と呼ばれる扉が、二つ、づつ付いています。

「大、中の箱」の中で暮らすには…
もう限界だ…
ここでの生活は「もう、うんざりだぁ。」と、考えた人々が「亡命扉」から外に出て行きます。

どんどん、外に出て行きます。

やがて、「大、中の箱」の中には軍服を、身にまとった人々だけが残ります。

激しい戦いは「中ぐらいの箱」の中だけで起き続いています。

「大きな箱」からは、「戦い扉」開けて、つぎつぎと「中ぐらいの箱」の開きぱなしの「戦い扉」を通り…
ゼット(Z)マーク刺繍が付いた、軍服姿の人々が「中ぐらいの箱」の中に、次から次へと入っていきます。

「中ぐらいの箱」の中では、元々残っていた軍服姿の人々が、様々な武器を持ち、次から次へと「大きな箱」から、やって来る自分達とは異なる、ゼット(Z)マーク入りの軍服姿の人々を撃ち殺しています。

もちろん、「大きな箱」から、やって来た軍服姿の人々も、古い大量の武器を持ち込み、「中ぐらいの箱」の中だけで…激しく撃ちまくっています。

「大きな箱」から、やって来た軍服姿の人々は、「中ぐらいの箱」の中に元々いた、軍服姿の人々によって、次から次へと撃ち殺されています。

しかしながら、「大きな箱」からは、次から次へと、また新たな軍服姿の人々が、どんどん絶え間なく「中ぐらいの箱」の中に入ってくるのです。

「中ぐらいの箱」に、元々いた軍服姿の人々も、次第に…少しづつ「大きな箱」から、やって来た軍服姿の人々によって撃ち殺されていきました。

そして…
そんな状況が、何年も何年も繰り返されている内に…

更に時が経つにつれて、「大きな箱」の中には、人が次第に…いなく成りました。

そして、「中ぐらいの箱」の中は、沢山の軍服姿の人々の死体で、いっぱいに成りました。

「中ぐらいの箱」の中で、数人近くまでに減少してしまった…
元々いた軍服姿の人々が、暇そうに…そして悲しそうに…箱の内側から外を眺め(ながら…)、

「未だ未だ、必ずやって来る」と思いながら…つぶやき続け…

「大きな箱」から、やって来る、自分達とは異なる軍服姿の人々を待ち続けているのでした。

大きな箱は…ロシア
中ぐらいの箱は…ウクライナ

今日もまた…
「夜空の星は…とっても明るく光って見えているのに…」と、

一人の兵士が つぶやいた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?