11点フルトラ&フェイシャルトラッキング&快適な環境を揃えるまでの道のり
VRChat楽しいですよね。色んなワールドがあったり、色んな人と交流できたり、イベントがあったり。
(なお私は未だにVRCにて友達の作り方が分かりません)
今回は、そんな私が「VRってなに?」って状態から、段々とどんな手順で11点フルトラ+フルフェイシャルトラッキングにまで至ったのか書こうと思います。
自力でやってたら「なにそれ!?」っていう落とし穴がかなり多かったので、もしやろうと思ってる人にこれが役に立ったら嬉しいです。
所持VR機材
・Meta Quest2
・Valve Index
・Indexコントローラー
・VIVE Pro Eye
・VIVEコントローラー
・ベースステーション(2.0)×4
・VIVEトラッカー3.0×8
・VIVEフェイシャルトラッカー
第1章 - Oculus Quest 2(持ってる人は飛ばして良いです)
まず私が買ったのは、VRのエントリーモデルと言っても過言ではない(今は亡きOculusの)名機です。
特にVRC用とかは考えてなくて、スペチャン5のあらかたダンシングショーとかをやりたいなぁと思って購入してました。
当時は、ゲームの中で自分の腕が自由自在に動かせるのにはとても衝撃を覚えました。正直今でもあれ以上の感動は(フルダイブ級の衝撃がないと)もう味わえないんじゃないかなぁ……と最近薄々思ってます。
発売から2年経ちましたが、何だかんだで一番無難な感じがします
Oculus(Meta) Quest2のメリット・デメリット
◆良いところ
・大体何でもできるので、大抵なんとかなる
・頭に付けるやつがゴムバンド製なので寝転がってVRできる
・ハンドトラッキングができるので、アプリによっては直接手を使って色々と楽しいことができる
・バイオ4VRが超楽しい
◆悪いところ
・Oculus Link(有線接続でPCに繋ぐ)をやっていると段々とバッテリーが減っていく
・重心が前寄りなので実際の重量より重く感じる
・ゴムバンド製なので頭を支えるのにはちょっと心許ない(サードパーティーのヘッドストラップで付け心地が向上できる。Ankerからも出てる)
・純正ストラップの耐久力が低め(付け心地自体はかなり良い)
PCVRをやってると、PC側からの給電とバッテリー消費が間に合わない現象は「給電機能付きのUSBポート」を使えばなんとかなるらしいですが、私の場合はなぜか上手くいかなかったです。
※追記:USB3.2 Gen.2 C to Cなら給電が間に合うそうです。
それ以外だとAir Linkの無線で繋ぎながら充電する方法がありますが、Wi-Fiの強さに依存します。
Oculus Linkの落とし穴
Oculus Linkを高速で楽しむにはUSB3.0以上、長さが3m以上のケーブルが必要です。純正ので良いんですが割と高いので、Ankerのがおすすめです。
そこまでこだわらないのなら適当なUSB3.0のケーブルにすればおkです。本体付属のUSBは2.0かつ短いので、充電以外には使わない方が良いです。
(追記)
なお、USB3.2規格以下だとLinkで繋ぐとバッテリーが減るので大人しく公式ケーブルか上記、または下記のUSBケーブルを買うのをお勧めします。
第2章 - Valve IndexとVIVEトラッカー
そこから1年弱して、なんとなく「n点トラッキングやりたいなぁ」と思い始めました。
できればダンスとかの激しい動きとかもトラッキングできると良いなぁと思い調べた結果……
という感じで「精度&今すぐの欲しさ」と重視してVIVEトラッカー3.0を8つ購入しようと思ったのですが、「トラッカーを認識するためのBaseStationが入手できない」という壁にぶち当たりました。
という感じだったので、将来のことを考えて2.0を買おうとしたのですが……。
高い(そして怪しげなAliExpress)
そこでけーさんは考えました。
「BaseStation2.0が入ってるValve Indexキットを買った方が安いんじゃ?」
Valve Indexのメリット・デメリット
◆良いところ
・Quest2より視野角が広いので世界が広がってる感じがする
・Indexコントローラーで指が動かせる(Quest2でハンドトラッキングを体験してると感動は若干薄れるかも)
・頭に付けるやつが標準でかなりがっちりしてるので安心
・PCVRなので電池切れの心配なし
◆悪いところ
・専用ケーブルなので断線したとき用の交換ケーブルがそこそこ高い(断線対策は必須)
・私の手が割と小さい方なのでIndexコントローラーに指を誤認識されることが多い(私の手長が17cm、男性平均19cm/女性平均18cm)
・無線で使えない
・顔の堀が深くないと痛いらしい
・Quest2に慣れてからだとゴッドレイが酷すぎる(こういう感じの↓)
Valve Index用の対策グッズに関してはここに詳しく載ってるので参照した方が良いです。
※ただし、冷却用ファンに関しては「VRゲームが静かなら開放型ヘッドフォンを貫通してくるくらいの駆動音」がして没入感を損なう(密閉型ヘッドフォンでなんとかなる?)のに加え、ドライアイになりそうなくらい風が目に届くので、熱いor涼しいけどドライアイを天秤に懸ける感じになります。
ベースステーションの落とし穴
ベースステーションの設置に関しては、借家じゃないならいかなる手段を用いても大丈夫です。しかし借家に関しては壁に穴を開けて固定するというハードルがあります。
①スタンドを使う
カメラとかの三脚でも良いので、部屋の隅に立てると壁にダメージがなくなります。
ただし、ふとした弾みでベースステーション設置位置がずれると多分再度設定をしないといけないので一長一短です。
②穴の目立たないピンを使う
穴の目立たないピンは芯自体が細いので抜いても分からないのですが、細いということは「耐久性が弱い」ということでもあるので、もしも実行するなら細いヤツ×2~3本のやつにしましょう。
ただし、壁から外れてベースステーションが落っこちて壊れたり、穴がはっきりとしすぎる大きさまで広がる場合もあるので自己責任で……。
③張って剥がせる粘着テープを使う
もし、壁の素材がコンクリートや木なら粘着テープもアリです。ただし、壁紙に貼る場合は事故に繋がる場合もあるので気を付けてください。
というのも、壁紙にも使える張って剥がせる粘着テープは長期間貼りすぎると粘着力が強くなりすぎるという致命的な欠点があります。
消耗品と割り切って、数ヶ月のスパンで定期的に張り直すなら多分問題ないです。
VIVEトラッカーの落とし穴
まず、VIVEトラッカーの通信はUSB3.0と混線するので、トラッカー関係の配線にはUSB3.0のものを使わないようにしましょう。
加えて、VIVEトラッカーを認識させるのには「ドングル」というUSBデバイスが必要になりますが、これは離して設置しないと混線してしまいます。
ちゃんと右の画像みたいに付属のUSBポート+ケーブルを置いて離して設置しましょう。
VIVEトラッカーの下準備に必要なもの
トラッカー用のベルトに関しては、少々根が張るもののEoZさんがかなり良い感じです。胸、腕、足、腰、全部揃います。
人気で売り切れてる場合もあるので、その場合はKiwi designもアリです。
Rebuff Realityのベルトはバッテリーが付属していて最大+10時間くらい稼働できるようになるのですが、駆動時間が3~4時間だったVIVEトラッカー2018に比べ、3.0は7時間くらいになっているので必須ではないです。
次にUSBケーブルについてですが、VIVEトラッカー本体にもケーブルは付いているものの、あくまでドングルを刺すためのUSBポート用です。
もし、別途で充電したい場合はUSBケーブルとUSBハブが必要になります。
こちら私のおすすめです。これはC to AのUSB2.0でコスパもいい感じです。
USBハブについてはUSB2.0規格のをトラッカーの個数だけ(充電をするならその2倍)揃えれば大丈夫です。
Type Cケーブルを使っているのであれば3.0規格でも一応セーフです。
おまけ
素肌にトラッカー固定ベルトを着けるとジャギジャギして痛いこともあるのでインナーを着ると割と緩和されます。
第3章 - VIVE Pro Eyeとフェイシャルトラッキング
さて、8点のフルボディトラッキングができるようになったので、今度は顔の表情をやりたくなりました。
今回のHMD選定で私が気にした点は以下のつです。
・ある程度のアイトラッキングができること
・黒の表現が凄いらしいので、有機ELを使っているか
・ベースステーションが付いてくるか
その結果、VIVE Pro Eye+VIVEフェイシャルトラッカーを選びました。
VIVE Pro Eyeのメリット・デメリット
◆良いところ
・ちゃんと目の動きを感知してくれる
・黒がしっかり黒(今までは黒がうっすら光ってた)
・フィット感がかなり良い
◆悪いところ
・スクリーンの中心から外れるとたちまちぼやける(Quest2よりひどい)
・イヤホンジャックがない(USB Type-Cがあるが1口しかないので、フェイシャルトラッカーのケーブルと競合する。あと、充電しながら使えるType-C+イヤホンジャックがフェイシャルトラッカーと併用できなかった)
・VRCずっとをやっていると顔を動かすことによって目の位置がずれるので、段々とアイトラが破綻する
・断線対策をしないとかなり破損しやすい
(正直なところ、フェイストラッキングだけを求めるならQuest Proで良いような気がします。VRCもQuest Proのフェイシャルトラッキングにネイティブ対応するらしいですし。)
断線対策はこちらが大変参考になりました。
VIVEフェイシャルトラッカーに関してはかなり精度が高く、HMD側のUSBポートを一つ取られること+場合によっては手や物にぶち当たること以外の悪いことはあまりなかったです。
アイトラ・顔トラの設定(落とし穴)
VRCにてアイトラ・フェイシャルトラッキングを使うにはUnity(加えて3Dモデリングソフト側)での調整が必要になります。(当たり前)
私はVRCFaceTrackingを利用しながら、以下の2つの記事を参考にしてちまちまと設定をしました。
第4章 - ケーブル天吊り/品質の良い無線マイク・イヤホン
フェイシャルも整ったので、もっと良い環境構築を目指します。
まず天吊りです。
足元にケーブルが絡まず、接触不良の心配も減り、断線による寿命も減る。良いこと尽くめです。
Kiwiの天吊りデバイスは有名ですが、あれだと借家に設置ができないので壁にワイヤーを吊るすタイプのガジェットをおすすめしておきます。
無線マイクに関してはRODE Wireless GO IIかDJI Micをおすすめします。
多分女声の場合は高音のヌケが良いRODE Wireless GO II、男性の場合はDJI Micの方が良いと思います。
私はDJI Micを買ってある程度満足してます。
無線イヤホンはCOTSUBU for ASMRを買ってみたのですが、Bluetoothに混線して音が途切れてダメでした。普段使いのイヤホンにしてます。
イヤホンの解決策としては、イヤホンの延長コードを使ってVR用天吊りと束ねてしまうことです。(ここで気付いたのですが、マイクもイヤホンも天吊り前提ならあんまり無線化にこだわる必要は無いかもしれません)
イヤホンは色々ありますが、ベーシックにこちらor同じ会社が出してるE500あたりをおすすめしておきます。
マイクとイヤホンを一本化してしまうなら、EarPodsも品質がかなり良いのでおすすめです。(ただし、布擦れや息吹かれがかなり入りやすいのでマイク位置の固定やポップガード等の対策は必要です)
マイク付きイヤホンを使う場合は、4極の延長コードにしましょう。
音質改善
ボイチェンをやられている方はVoicemeeter経由で色々とVSTを挟む方が多いですが、それが手間だと感じる方向けに「比較的簡単にVSTを(2個まで)挟めるInput FX」というソフトを紹介しておきます。
ボカロのGUMIや音街ウナを売っているインターネット社が販売してます。
私はここにWavesのClarity Vx(環境ノイズ除去)とiZotopeのRX10付属VST Mouth De-click(リップノイズ除去)を挟んでます。
第5章 - 現時点での不満/今後の改善(今後発売されうる上位互換)
まず、アイトラがそこそこ微妙だったので精度の良いHMDが欲しくなってきます。
Quest Proのフェイシャルトラッキング精度が高そうなのでかなり欲しいですが、有機ELじゃなくてLCDだからちょっと悩んでます(が、値下げが来たのでかなり買いだとは思ってます)。
それ以外だとPimaxのReality 12KとCrystalがアイトラ対応なのでこちらも気になってはいるのですが、Pimaxはソフトウェア部分が微妙らしいのでちょっと不安です。また、Realityはまだ詳細や価格が公式サイトではリリースされていないので詳細待ちですね。
また、Indexコントローラーだと指の微妙な動きに対応出来ないので、Diver-XのContactGloveが欲しいのですが、クラファンのタイミングを逃したので一般販売を待たなければ無ければならないのでちょっと。
あとがき
VRについて密に相談できるもっと詳しい人がいればここまで試行錯誤せずに済んだのかもしれないなぁと思いつつ、こうやって試行錯誤するのも楽しかったことを思い出しました。
もし今後、私と似たような環境を構築する場合はこの屍を超えていただけると幸いです!
ちなみにめちゃくちゃVRC沼にハマっているように見えて、実のところワールド探索メインのソロプ超初心者なので、VRC内での友達の作り方とか教えてくれる優しい方がいたら嬉しいです!!!!IDは「amano_kei」です!!!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?