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初めてのカウンセリング

すいません。何をどう書いたらいいのか考えているうちに、少し間が空いてしまいました……。今回は答えを探すべく、初めてカウンセリングを受けたときのお話を書きたいと思います。


■ユウヤの心に空いた大きな穴

初めてお会いしたカウンセラーのMさんは、とても穏やかで、でもものすごく鋭い視点をお持ちの方でした。

「どんなことでも話してください」

そう言ってくださったMさんに、私は堰を切ったように、これまでのユウヤとのことを話しました。彼との出会い、二股結婚に至るまでの経緯……。

Mさんはだまって頷きながら私の話を聞き

そして、こう言ってくださったのです。

「彼はたぶん、結婚しても、天宮さんが変わらずに自分を愛してくれると思ったんでしょうね」。

……
……
……

意外な言葉でした。

そしてさらに、Mさんはこう続けます。

「そもそも彼の心には、ものすごく大きな穴が開いていて、それを埋められずにいたんだと思いますよ。そこに現れたのが、すごく愛情深くて、包容力がある天宮さんだったんです。きっと彼は、この人なら何をしても受け入れてくれると思っていたんだと思います」。


Mさんいわく、ユウヤの私に対する暴言やわがままは、

「それでも愛してくれる?」という
お試し行為だったのではないかとのこと。

私がそれだけの愛情を持っていると思ったからこそ、そんな行動を取ったのだろう。ということでした。

ここで私は、一番知りたかったことを、Mさんに尋ねてみました。

「じゃあ、彼ははぜ、他の女性を選んだのでしょうか」

そこまで私を認めていたなら、彼はなぜ私ではなくて、その女性を選んだのか。それが不思議でならなかったのです。

これに対して、Mさんから返って来た答えは、また少し意外なものでした。

「彼が選んだわけではないかもしれませんよ。もしかしたら、選ばざるを得ない状況になったのかも知れません」

選ばなければいけない状況……?

私が想像した、できちゃった婚とか。なのでしょうか。そこはユウヤ本人に聞かないとわからないことなのですが……。

さらに、Mさんはこう続けます。

「これ以上天宮さんを傷つけちゃダメだっていう気持ちがあったから、結婚したという可能性もありますね。

彼はおそらく、『自分は悪い存在だから、この人のそばにいちゃいけない』みたい気持ちをずっと持っていたと思うんです。

だから、もっと適当な人と結婚するっていうこともあり得るんですよ」。

もしかしたら、ユウヤにとって私は、それなりに大切な存在だったのかもしれない。

そう思うと、「選ばれなかった」私が少しだけ、救われたような気がしました。

そして、さらに嬉しかったのは、
Mさんがユウヤのことをこう話してくれたことです。

「彼はね、全然悪い人間じゃないんですよ。悪い人間はもっと違う出方をしますから。なかなかそうは思えないと思いますけど、彼はちゃんと、愛情深さとか、やさしさも持ってる人なんですよ」

それを聞いて、私は涙をこらえきれませんでした。

私も、そう思っていたからです。

そう信じていたからこそ、彼の行動が理解できずに、苦しんでいたのです。

そして、Mさんはこうも言いました。

「でも、彼自身が自分の心に開いている穴に気づいて、自分で何とかしようと思わない限りは、

彼が変わるのは難しいのかも知れませんね」。

この日のMさんの話は、「選ばれなかった」「愛されなかった」という自己否定の闇の底でもがいていた私にとって、大きな光でした。

そして、その後もしばらくの間、私はこのMさんのところに通うことになります。

そこで次に紐解かれていったのは、
<私自身の心に開いた大きな穴>でした。






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