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雲部!vol.36 浮世絵の雲を見てきました~太田記念美術館「江戸の天気」~

本日の雲部!、太田記念美術館の企画展「江戸の天気」をじっくり鑑賞してきました。
こちらの企画展、リアル展と並行してこのnote上でも開催されているのです。素晴らしい~。私が鑑賞したのはオンラインのほうです。

前期・後期合わせて113枚の展示はとても見応えがありました。
「雨」や「雪」、「夜の空」といった幾つかのコーナーに分かれて展示されていますが、雲部!としてはやはり雲が見たいわけで、おすすめは「さまざまな気象現象」と「様々な雲と空」のコーナーです。

雲部!の私は普段空を見上げて、ちょっと珍しい雲があると「あ!乳房雲!」「薄明光線!」「頭巾雲!!」などと雄叫びをあげていますが、浮世絵にもありました。

どんな雲がみられたか、ここで言ってしまうと、これから観る方に申し訳ないので止めておきますが、私はパソコンの前で「あ!〇〇雲」「おおっ〇〇雲!」などと喚きながら鑑賞していました(オンライン展覧会の利点ですね)

また、私は日本画や浮世絵の知識があるわけではないので、一文字ぼかしや「すやり霞」という、空や雲を描く伝統的な技法をこの展覧会で知ることができました。「すやり霞」というのは横にたなびく雲で輪郭のはっきりした雲、なのかな。角丸の長方形みたいな形状です。

幕末から明治にかけては、西洋絵画の技法がだんだん取り入れられ、一枚の絵の中で、すやり霞と水彩画風の雲が共存する、というような作品もありました。美術史的にも興味深い作品なのでしょうね。

雲を描くにあたって、「輪郭をぼやかす」ことに挑戦したくなるのは西洋画も日本画も同じようです。今回の展覧会では板ぼかしという技法で雲の表現に挑んでいるものもありましたよ。

また、日本画や浮世絵独特の表現なのでしょうか。すやり霞を構図に生かしている作品が多く見られました。多くの地域のようすや、複数の場面を1枚の絵に収めるときに、その境界としてすやり霞を使うことで、不自然さを持たせない、というか。

西洋画だと、宗教画ではよく雲がそうやって絵の構図づくりに一役かっていたような気がします。それもまた、絵画の中での雲の役割なのですね。

今回は文章ばかりになってしまいました。最後に最近撮った何枚かを載せておきます。

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