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15年ぶりに見た大浜海岸の夕陽
大浜海岸ではっきりと夕陽を見たのは19歳の夏以来だ。今まで何度も帰省して、ことあるごとに大浜海岸を訪れている。しかし、太陽が水平線に隠れていく様子が見えるくらい天気に恵まれたことはなかった。夕陽を見ているこちら側が晴れていても、日が沈む海の向こうに雲があれば、水平線に落ちる前に隠れてしまう。
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実は、世界的に見て日本は晴れの日が少ないというのはあまり知られていない。ただでさえ、日照時間が少ない日本の中で、ベスト3に入るくらい、奄美市は年間降雨量が多い。夏は台風も来るし、冬に晴れることは少ない。
島に定住しているならともかく、たまにしか帰省しない島の人や観光客にとって、サンセットは貴重なのだ。
19歳の夏、高校の友人たちと大浜海岸へ行った。島を離れて上京した後の、初めての帰省だった。夕陽をながめながら話した。ガラケーのカメラで写真を撮って、しばらく待受画面にしていた。
この時間が永遠に続けばいいのに。太陽はゆっくり水平線の向こうへ隠れて行った。完全に太陽が沈んだ後、空が赤に近いオレンジ色になる。島に戻ってきて感じる、奄美の良さに気づいた。
15年ぶりに見た夕陽。一緒にいるのは家族だ。他にも、スマホで写真を撮っている人がいる。ガラケーがスマホになっても、夕陽の美しさはあの頃と変わらない。
願わくば、スマホが別の何かにとって変わる時代になっても、自分が初老になって娘が大人になっても、気まぐれな夕陽が見える変わらない場所であってほしい。
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