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2年9ヶ月目のドクターストップ 自分の限界を知ること


会社員のもやもやの正体」でも触れましたが、新卒で会社に入社した時、何があっても3年は頑張る、文句を(なるべく・・)言わずに何事もまずはやってみる、と決めていました。

もともと考えるよりもまず体が動き、新しいことに取り組んだり、企画したりするのが好き、休日や旅行の行程も予定で埋め尽くしたがる詰め込み型の完璧主義だった私は(今思えば嫌な予感しかしない・・・)3年決意と共に営業職としてのキャリアをスタートさせました。

最初の数ヶ月こそ、新鮮さと新しい知識が増えることの喜びがあり、1日◯件とるぞ!と意気込んでそれなりに楽しく仕事をしていました、が、すぐに社会の理不尽さや人間の真っ黒い部分が見えたりしてフラストレーションが溜まっていきました。

幸い良き先輩に恵まれ、飲みながら話を聞いてもらうことでなんとか仕事を続けることが出来ました。

「私も最初は悩んだよ〜みんな同じ道を通ってきてるからね。どこかで割りきってやっていくしか無いよね。」

先輩たちも同じ悩みを抱えてここまで来たんだなあと思うと、少し安心ができる一方で、「割り切る」??これがいつできるのかというのは、全く腑に落ちていませんでした。

少し話が脱線しますが、実は「割り切る」ということは今になっても良いことなのかどうか分かりません。

割り切れば気持ちはいくらか楽になるとも思いますし、例えば家庭をもったり、守らないといけないものがある場合には、ある程度仕事を仕事として「割りきって」いかないと家族が路頭に迷うことにもなりかねない、これも分かります。

分かるけど、分からない・・めちゃ矛盾しているようですが、こういう矛盾心を持っている人って多いのではないでしょうか・・

そして、わかっちゃいるけど、やっぱり割り切れない!と思う人は、サラリーマンには向いていないような気がしてます。だって日々自分で自分の首を絞めているようなものですもん。割り切れるもんなら割り切りたい!でも、割り切ったらやっぱりなんか悔しいんです!だから割り切りたくない!もう気持ちがわちゃわちゃで言ってる本人も訳わからなくなってきました・・

話を戻しますと、私は、とにかく頑張り続けることで道が開けるのではないかともがいておりました。

お客さんを頑張って説得しようと粘りすぎて、怒られ、玄関先で塩をまかれたり、ゴキブリだらけのお宅に何度も訪問しなければならなかったり、一筆お詫びと住所、名前を書くまで帰りたくても帰してもらえない軟禁状態にあったりと、つらすぎることが多く、3年目の夏頃から、「もたないかもしれない」と周囲に漏らし始めていました。

さらに残念なことに、当時の長は、「お前らは兵隊なんや」と思っても口には出すなよということを口に出してきちゃうタイプの方で、頑張っても頑張っても報われない徒労感は半端無かったです。

それでも社会人3年目の私は、頑張ることしか出来ませんでした。思考停止状態です。

そのころから、カラダにも不調が現れ始めます。思ったことを上手く言葉にできなくなったり、頭の整理ができずに黙ってしまったりと、物理的に思考停止状態になることが増えてきました。

涙が意味もなく溢れたり、家に帰った途端に大声で嗚咽が出るほど泣き暮らしたりしたこともありました。

家族は心配し、医者にいけと言いました。そして忘れもしない11月30日。

会社の産業医の先生による精神科を受診したところ、ソッコーで

「12月1日からの自宅療養」を命じられたのです。診断結果は抑うつ状態とのことでした。2年9ヶ月目のドクターストップ。

俄には信じられず、「明日もあさってもアポがあるので無理です。」と言ったら、すぐに上司を呼ばれました。

どうやら自分でも気が付けない程、心身ともに限界を超えていたことをその時初めて認識しました。

一度限界を超えると、思った以上に回復には時間がかかることも知りました。(結果4ヶ月も休むことになってしまいました。)逆に、あの時点でドクターストップがかかってなかったらと思うと恐怖です。

20代はとにかく焦りやすい時期だと思います。頑張りもある程度は効きますし、がんばった分だけ結果が出ることもあるでしょう。でも、時々立ち止まって、自分の心とカラダに問いかけることはほんとーに大切です。

人のキャパはそれぞれ。私は辛く、暗いトンネルをなんとか抜け、今となっては自分の限界を知れたことは良いものさしになりました。完璧主義気質もだいぶ緩みました。(それでもまだ注意しないとまた同じループに乗ってしまいそうになりますが)

他人と比べず、自分のペースで。

だって自分を本当に守ることができるのは自分しかいないから!

のんびり楽しく過ごすことは決して惰性ではないのだと気付かされた出来事でした。

ムダlica


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