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銀狐

山が鳴く 霧も吹きながれ 空から雪降り落ちる 積もる雪のように優しき言葉に埋れている私はひとり。
雪原には獣があらわれる
こちらの出方を舐めるように見据えて
恨めしそうに見ている。
優しさに包まれて我を忘れている獣
私のプライドを痩せた腹のプライドで喰いにくる。

山が泣いている

私は優しき言葉の雪原をひとり
足跡残す銀狐
痩せた獣にならぬと口をしばり
ふらふら歩く銀狐

…電子の世界で降る雪は 人々の言葉に乗り 私の部屋に土足で入ってくる。
目の前に居ない人を叩いてなにになる
優しさに包まれて浅ましい獣はいないだろうか。

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