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「のさりの島」の人インタビュー。渡邉綾香さん。#12

こんにちは。 #のさりの島note をご覧いただきありがとうございます!私達は、熊本県天草市で撮影された映画「のさりの島」を一人でも多くの方に見て頂きたいと思い活動しています。

▼活動の経緯はこちら


このnoteでは、天草で映画撮影に関わった方々や、東京など天草以外で上映プロデュースに関わる方々を紹介しながら、映画やプロデュース企画の裏側をお伝えしていきます。

今回は東京のプロデュースチームの一員として「のさりの手紙」の仕掛け人でもある渡邉綾香さんです。


天草らしさが映画を通して自然と伝わる

ーー渡邉綾香さんが「のさりの島」上映プロデュースに関わったきっかけを教えてください。

渡邉綾:2019年11月に、山本監督が元気プロジェクト代表の夫を訪ねてきたときに偶然私も居合わせたことが始まりでした。オレオレ詐欺のストーリーであるこの映画の撮影地を監督が選んでいた時に、「監督、天草ならあるかもしれんばい」と言われ撮影地を天草に決めたというエピソードを聞いて、"天草らしくて心温まるエピソードだなぁ"と心惹かれました。

また、ちょうど映画の前売り券を印刷するとのことで、「天草には活版印刷という伝統的な印刷技法があって、とても味があって素敵なんですよ」と紹介したところ監督が早速見に行ってくださり、本当に活版印刷で刷られた前売り券が出来上がりました。自分のアイディアが形になるって面白いな!と思い、このプロジェクトに参加しました。


映画からつながる手紙が生まれた理由とは

ーーのさりの手紙という企画はどうして生まれたんですか?

渡邉綾:”映画を見るだけでなく、天草のことももっと知ってもらいたい”。そして、ぜひ天草や天草の人とのつながりをつくっていきたい。そんな思いから、メンバーでどんな企画を立てようか話し合いました。オンラインでのやりとりからだけでは伝えきれない天草の人たちの温かみを感じて欲しいと感じ、それを実現したのが「のさりの手紙」という企画です。

「のさりの手紙」は、のさりの島・天草の方々が映画の観客に向けて書いたメッセージが、映画館で観客に手渡され、さらに受け取った方はお返事を書くことができるというものです。

誰が、いつ手紙を書くの?どうやって書いてもらった手紙を届けよう?どうやったらお返事もらえるかな?と、東京と天草の皆で話し合いながら多くの方々に支えられ、この企画が実現しました。

私の本職は看護師ですが、病院や施設でなく地域に飛び出し人々の暮らしの中で出会えるコミュニティナースでもあります。「人と人とのつながり」を意識する中で、「見ず知らずの人だけれど、誰かが誰かを思う気持ちもこの時代のつながりのひとつなのかな」という思いが手紙のやりとりを形にしてみようと思ったひとつの理由でもあったのかも知れません。

しかし、企画を進めていく上で何度も壁にぶつかりました。当時私は第二子妊娠中であり体調不良で思うように動けず、新型コロナウイルス感染症の影響で打ち合わせはオンラインのみ。本来ならばもっとスムーズに動けていたであろうこのどうにもならない状況に、不安や焦りを感じていました。

そんな時に心の支えになったのは、一緒に動いていた仲間の存在です。壁にぶつかる度に、「こうやったらいいんじゃない?」「一緒にやるよ、1人で抱え込まなくて大丈夫だよ」とアイディアをくれたり励ましてくれました。これが一人きりだったら、途中で挫折していたかもしれません。

そのくらい仲間の存在が励みになりました。そして2021年5月29日、東京・渋谷のユーロスペースで手紙の配布初日を迎えた時、これまでの道のりを思い起こして胸がいっぱいになりました。

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(5/29東京・ユーロスペースでのさりの手紙をお渡ししました)


天草の心の温かさを知ってほしいという気持ちが原動力

ー-「天草出身じゃないのに、どうしてやろうと思ったの?子育て中なのに、大変じゃない?」と言われますが…

渡邉綾:確かに私は天草出身ではないし、なんなら天草出身の夫と結婚するまで九州すら行ったことがありませんでした。けれども天草の方々はよそからやって来た自分を温かく受け入れてくれて、どこへ行ってもみんな優しくしてくれて。

「のさりとは、いいことも悪いことも天からの授かりもの」という言葉は、私にとって天草の優しさそのものなんです。少しでも天草の方々の心の温かさをたくさんの人に知って欲しいという思いは私の原動力のひとつです。

だからこそ、絶対に手は抜きたくない。どうなったらもっと素敵な未来が待っているかなって、あらゆる可能性を信じて進んでいます。「のさりの手紙」も、配布して返事をもらって終わりではありません。どんなアフターストーリーが生まれるか、楽しみにしていてくださいね。

今は2歳の息子と生まれたばかりの新生児を子育て中ではありますが、仕事も家庭も両立しながらやってみたいと思うことに挑戦する姿を子どもたちにも見せて、君たちも好きなことに思い切り挑戦しておいで!って背中を押してあげられるような母でありたいなって思っています。

このnoteを読んでくださった方へ

ーー最後に、この記事を読んで下さっている方へ渡邉さんからメッセージをお願いします。

映画「のさりの島」では、包み込んでくれるような優しさに溢れた等身大の天草が描かれています。先行きの見えない世の中に不安ややりきれない思いを抱えている方も多いと思いますが、ちょっと歩みを止めてその優しさに触れてみませんか。そして、遠く離れたのさりの島・天草に思いを馳せてみてください。きっと、あなたにとって心のお守りのような特別な映画になるはず。映画を通して天草の魅力がたくさんの人に届くとうれしいなと思います。

ーー

○映画「のさりの島」公式HP

▼前売りチケットの購入はこちらから (BASEを通じて購入いただけます)

○上映プロデュースプロジェクトについてのメッセージや取材依頼はこちら
 amakusagp+nosari@gmail.com(担当:渡邉・金子)

文・編集:渡邉健

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