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夢の重ね着

社会に出てから十年近くが経った。
仕事におけるキャリアアップは順調で、まだやれることがある、やってみたいことがある。

しかし、なんだか全部上手くいっていると言い切れない気持ちがある。

例えば休日にさくっと出かけようかと思っても、うまく出かける格好が思い浮かばない。ジャケットやシャツを羽織ってみても、それに似合うアクセサリーや時計がない。おまけにジャケットに似合う靴もない。

その度に気付くのである。
なにかが、こぼれ落ちている、と。
日々何かを得ると同時に、こぼれ落ちている。

昔買ったアクセサリーや時計は年齢に応じて処分したものもあるが、ずっと残しているものもある。しかし、自分のものという感覚がなく、ただ"持っている"状態になってしまっている

これじゃどこにもいけない。
こんなチグハグじゃ街を歩けない。 

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