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ディマシオはディマジオではなかった

たいしょく日記6 10月14日

最初ディマシオという文字を見て、ジョー・ディマジオのことかと思ってしまった。
ジョー・ディマジオは昔々のアメリカの大リーガーだ。

いまどきディマジオの名前を知っているなんて、年がわかる。
ただワタシだって現役時代のディマジオは知らない。
ディマジオはいつも白黒のニュースフィルムにあのハリウッド女優のマリリンモンローとセットで記憶されている。

二人は新婚旅行で日本にやってきたのだ。

ディマジオはベーブルースと並んで日本で大人気の野球選手だった。
本人、自分が日本で人気があるのを知っていたので、奥さんのマリリンモンローに「俺は日本人の間で人気者なんだぞ、君もきっとびっくりするよ」
と、いいところを見せようと新婚旅行で日本にやってきたのだ。

しかし、来日すると日本人はディマジオのことなど忘れてしまうぐらい、モンローに仰天してしまった。
それで新婚早々二人の間に溝ができてしまう。
ハネムーン・クラッシュと言うのらしい。

まあ、そんなことよりシとジの違いだが、ディマシオと聞いて誰のことを思い浮かべるのだろうか。
画家のディマシオを知っている人はいるのだろうか。
ワタシは全然知らなかった
ジェラール・ディマシオ。フランスの幻想画家。
世界最大の油彩画の制作者。

高さ9㍍幅27㍍の油彩画を制作した画家だ。
その絵が北海道新冠町の山の奥にあるのだ。
その画家の作品をそろえたディマシオ美術館にあるのだ。

油彩画の一部


2010年8月に開館している。
北海道では話題になっていた。
当時のニュース番組などでも放送されていた。
ワタシの記憶に残っている。

それで見に行ってみた。13年前だ。
今でこそ分かりやすく道順を書いた大きな看板があるのだが、当時はこの先何キロと素っ気なく書いてあるだけだった。

車にはナビもなかったので、ひたすら走って道を間違えたかと思い来た道を戻ったりえらい苦労して、美術館にたどり着いた。
山の中の田舎道だ。美術館を示す目立った標識もなくひたすら迷いまくった。
当時に比べて今は看板や標識も増え随分と分かりやすくなっている。

美術館には作品はいくつも展示されていたが、中には搬入途中なのか、梱包されたまま部屋にゴロンと置かれていた作品もあった。
壁の塗装が半分しか塗られていない部屋もあった。

メインの油彩画は展示されていた。体育館に。
体育館の横の壁一面に圧倒されるほど大きな絵が飾ってあった。
本当にこれを描いたのかと思わせるほど大きな絵だった。
さすがに世界最大の油彩画といわれるだけのことはある。
少し下がって見ないと、絵の全体がわからない。

そんな絵がなんで新冠町の山の中にあるのかと思っていた。
それも当時は無造作に壁に飾られていたのだ。
飾られているというより、壁が絵になっているという感じだった。
そして体育館の窓から差し込む強烈な光に照らされていた。
こんな強烈な光に照らされていたら絵が傷んでしまうのではないかと心配になったほどだ。

しかし、4年前は照明や音楽で幻想的な空間を楽しめるようにバージョンアップされていた。

当時、管理人というのか館長というのか、責任者のおばさんがいた。
どうみても近所のおばさんがアルバイトで来ているようにしか見えない人だった。
そのおばさん、いなくなったと思ったら、奥の事務所なのかそこでサンマを焼いていた。
ホントだ。
美術館の中にサンマの匂いが漂っていた。
美術館でこんなことあるのかと思ったが、13年前は、そんな感じだった。

絵画に光が当たっているのは、今回4年前に行ってみた時も同じだった。
気になったので聞いてみたら、ディマシオ自身からこのままの状態で展示してほしいという希望があり、このような展示になっているのだそうだ。
窓から差し込む自然光が強烈に絵にぶつかっている。
13年前とそして4年前に訪れたときも。

太陽の森ディマシオ美術館のホームページを開いてみると、また様変わりしているようだ。
グランピングができるようになっている。
美術館の周りに宿泊施設ができている。
おしゃれなカフェバーも中にあるようだ。
月日が過ぎればいろんなことが変わっていくものだ。
泊まれる美術館。夜間も作品を鑑賞できる美術館。

オーナーは大阪の不動産業の人だ。
ディマシオの巨大な作品を展示する場所を探していて、廃校になった新冠小学校がオークションサイトに出品されているのを見つけ美術館にしてしまった。
さすがに不動産業の財力とエネルギーはすごいものがある。

どんな人かは知らないが、本人の紹介記事が館内にあったので、見てみるとお笑いの島田紳助氏や他の芸能人などと歓談している記事などがあった。
大阪では有名な人なのだろう。

設備が新しくなり、ますます楽しめる場所になっているようだ
隠れ家的な美術館とでも呼ぶのだろうか。
山奥にあってもまたぜひ行ってみたくなる。


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