私を生きる　秘話前半

　今日から数回のシリーズで、「私を生きるセラピー」誕生秘話、そして、このセラピーの正体、セラピーをする前と後の驚くべき違いを私自身の体験談は勿論ですが、すでに体験してくれて、生きながらに生まれ変わった人たちのインタビューも載せていきたいと思っています。

「私を生きるセラピー」誕生秘話
　私は同じ母親に３回捨てられた過去があります。もし１回ならその子は残った父親と暮らすか、父親がいないなら親戚の家か、または施設に入ることになると思います。または、一度捨てたけれど、その後後悔した母親が引き取り（迎え）にくる可能性もあります。
　しかし、同じ親に２回以上ということは、１度捨てたけれど、引き取り（迎え）にきて、再度捨てたことになります。

　なので私の場合は、１回目捨てられて、迎えにきてくれて、２回目捨てられて、また迎えにきてくれて、３回目捨てられっぱなし。という感じです。

親に捨てられるというのは、彼氏に捨てられたことがある人なら少しわかっていただけると思いますが、自分に自信が無くなります。自分のどこが悪かったのか？と悩みます。私より好きな人がいるのだと悟ります。そして最後に自分は捨てられたのだと受け入れざる終えなくなります。

　彼氏に捨てられるのと、親に捨てられる大きな違いは、変えがきかないことです。彼氏ならまた新しい彼氏を作れますが、新しい親というのは、結婚して義理の親か、または、養子に入って新しい親という可能性はありますが、遺伝子的な親は変えがききません。

　その唯一無二の親に捨てられるという体験は、まるで、いらなくなって捨てられる犬や猫と同じです。

　実際、２回目の捨て子体験では、体調不調で学校を早退して自宅に戻ったら、私の荷物（机、箪笥、ステレオ、レコード）以外、全て引っ越しされていて、家はもぬけの空でした。冷蔵庫も持っていかれたので、食べ物もない、お金もない状態でした。そのまま私は、「もしかしたら、迎えに来てくれるかもしれないから、待ってよう」と、３日間ほど家から出ずに、来るか来ないかわからない親を待っていました。

　その時の私の気分は完全に捨て犬でした。
「くぅ～ん、くぅ～ん、お腹すいたよ」

　親に何度も捨てれたことにより、私は自分に「親にさえ愛されない私。邪魔な私」というレッテルを貼りました。

　こんなに派手に私を捨てたのに、母親はまた１年後くらいに私の前に顔を出しました。子供というのは健気です。「もしかしたら次は愛してもらえるかもしれない」と淡い期待を持って、親を信じようと思うのです。

　人間の脳は、なんとか自分が自分を守り、生きやすくするために、事実を曲げたり、忘れさせたり、楽しいことを見つけてくれたりするので、自分で張ったレッテルのこともいつのまにか忘れていました。

　大人になり、好きな人ができて２７歳で妊娠をしました。３歳年下の彼に伝えたら困惑していましたが、彼の御両親が生むなら結婚。結婚しないならおろすことと２択を提案してきて、彼は赤ちゃんの命を優先にし、生むことを決めてくれました。

　幸福だったのもつかのま、妊娠８ヶ月頃、私が出産用に貯めていた貯金を、母親と義父が全部持って（盗んで）夜逃げしました。同時に私の住める家が無くなりました。

　彼とは籍がまだ入っていなかったので、私は急に自信が無くなり、「こんな不幸な女、誰もお嫁にもらってくれない。私はどうせ誰にも愛されない、邪魔な女だ」と、過去に貼り付けたレッテルがフラッシュバックしました。

　彼に嫌われないように、「住むところはある」と強がり（嘘）を言って、友達の家を転々としながらも、入籍の日を迎え、その後は一緒に住むことができるようになり、長女を無事出産することができました。

　正直、とても好きな人でしたが、最初から上手くいかないことはわかっていました。でも、どうしても赤ちゃんを産みたかったし、結婚もしたかったのです。

　この結婚生活は２年で終わりました。

　３０歳が大きな転機でした。

　離婚し、母子家庭になり、両親がいない私は叔母を頼りました。３つ仕事を掛け持ちしながら資金をため、さらに知人からお金を借りて、私は鎌倉に初めての自分のサロンを持ちました。住居兼サロンです。住みながら、子育てしながら、仕事ができる環境が望ましいと思ったからです。

　そのサロンでは、当時日本ではまだ珍しかったアロマセラピーとフランスカリタのエステティック、さらに、霊視鑑定もしました。

　おかげさまで、そのサロンは口コミだけで大流行となり、経済的な不安は一気になくなりました。ようやく、ここから安定した生活が始まると思った矢先、次に来たのが子宮がんでした。鎌倉市の無料検診で見つかったのですが、私はなぜかショックを受けず、「やっぱりな」と思いました。

　続きはまた明日。