【短編小説】尊い痛みを笑われる
体がねじれていく。
絞られていくと言ってもいい。
二体の鬼が、俺の体をねじり、緑色の体液が滲み出てくる。
鬼はワハハハハと笑いながら、俺の叫び声を聞いている。
俺は、タコ焼きを食べたい。
フリスビーを投げたい。
間違い探しをしたい。
雪かきをしたい。
凧揚げをしたい。
天気予報をしたい。
なんでもいいから、何かしたい。
ねじられる以外の、何かをしたい。
ねじられている時、俺は、この世のかけがえのない物を知っている。
ただし、ねじられが終わって、しばらくしたら、また元の、当たり