「知らない人んち(仮)」四話の案、その2
<案1>
きいろの前に、アク、ジェミニ、キャンが立っている。
アク「ジェミニが、お前をこの家に呼び、俺たち三人と、濱津で、お前の事を色々と調べた。
甘いパウダーが山盛りにかかったケーキが好き、という事から、
過去に、ある家の養女になるが、「いらない子」あつかいに耐え切れずに家出して、名前をきいろに変えて、新しい人生を生きようとしている事まで、ほぼ全てだ」
アク「とにかく……お前をさんざん調べたのは、お前が「ある重大事件」にかかわっているからだ」
きいろ「あ、あたしは何も悪い事はしてないよ!」
アク「そう、今はまだ……な」
きいろ「どういう事?」
アクは暗室の扉を開ける。そこは巨大な機械が並んでいた。
実は、アクたちは、警察のハッカー部隊で、ある悪のハッカー組織の壊滅させるために、この家で極秘任務を行っていた。
極秘任務なので、本名はあかさず、星座からとったコードネームで呼び合っている。
アク「俺が創った、未来予測AI『修子』が、ビッグデータを元に未来を予測した結果、お前が「数百年後に、世界的な大悪事」を行うと言っている」
きいろ「だ、大悪事って……そもそも数百年って、あたし不死身にでもなるの?」
アク「いや……まあ、正確には「お前の遺伝子が元凶」という事だが」
きいろ「はあ?」
アクがPCのキーを押すと、ホログラムの『修子』が現れ、ロボットのような口調で語りだす。
数年後、きいろの孫が、悪いハッカーとなり、
世界経済システムを操作して崩壊させ、人々は全財産と職をうしない、交通事故が起き、世界を狂わせてしまう。『修子』はそう語った。
アク「こんな未来になるのは99%」
きいろは息をのむ。
アク「とはいえ、まだ何十年も先だがな……」
アク「俺たちは、この未来が実現しないように、『修子』がいう事は、全てやってきた」
アク「仲間で優秀だった濱津も、さっき排除した。その理由などはわからないし、いらない。『修子』がそうしろと言えばそうする、それだけだ。
そう、さっき刑事が来ただろう。あれは刑事のふりをした仲間で、濱津の排除を完了させた、と報告にきたんだよ」
きいろは後ずさる。
きいろ「この人たち、本気なんだ。まるでカルト信者……」
アクは、きいろにある書類を見せる。『時空局』と書かれてある。
アク「これはある企画書だ。まだ計画段階だが。
もし、あの悪夢が、未来で実現したら……
必ず、俺たちの子孫が、この「時空局」をたちあげ、この時代に戻ってくる。
そうなると、今、こうやってお前と話している、この現実は消えてしまい、まったく違う現実が発生する。
どんな現実になるのかって? そうだな、例えば、
俺そっくりの、俺の子孫が、
いきなり「時空局だ!」なんて言って、お前にレーザー銃か何かをつきつけ、
お前は頭がおかしくなって、大笑いしながら三輪車を乗り回すだろう。
(プッとふきだす)まあ、今のは冗談で、ちょっとふざけて言ってみただけだ。すまんすまん」
きいろ「大笑いしながら三輪車とか、ひどい~! あたし美人売りなのに~!」
アク「とにかく、今の現実は消え、新しい現実に書き換わる。
そして最後は……俺の子孫が、必ず、お前を殺すだろう」
アクはきいろを見つめる。
アク「それでもいいか?」
きいろはアクを見つめ返し、ゆっくりうなずく。
きいろ「うん……」
きいろ「って言う訳ないじゃん!」
きいろ「あたしはまだ死にたくない! だけど、こんな未来もいやだ!」
アク「どっちも嫌とか、ないぞそんなの!」
きいろ「あたしたちが頑張っていい世界をつくればいいだけじゃん! だって、あと数十年もあるんでしょ!」
アク「もちろん最善はつくすつもりだ。だが、俺の『修子』が言うには……」
きいろは、サッポロビールを四缶もってくる。
きいろ「ここで約束しよ! みんなで頑張って、必ず良い未来にするって!」
きいろはアクたちを見つめる。
アク「ったく、ユーチューバーってのは自由だな……わかった、最善の上をいく最善をみんなで尽くそう」
きいろはアクにグッドポーズをしてみせる。アクは少し照れながらグッドポーズを返す。
きいろは缶を前に出す。アクたちは缶を、きいろの缶にカツン! と合わせる。
きいろ「あたしたちの明るい未来に!」
アク、ジェミニ、キャン「俺たちの明るい未来に!」
きいろ「そんで ついでに、悪の遺伝子をもたない良い男と結婚できますように~!」
おいしそうにサッポロビールを一気に飲み干す四人。
きいろ「ぷはあ~! そうだなあ、結婚するなら、アクさんみたいな頭のいい人が安全かも、判断力あるものね。となると、ねらい目は……IT系か?
それで、子供が生まれたら、世界一頭のいい子に育てよう。そして、あたしを「いらない子」だっていった世間の奴らを見返してやるんだ……」
きいろがそう言った瞬間、きいろの未来が変わる。
モニターにきいろが映っている。それを見ているアクそっくりの人物。
彼はアクの子孫で、銀色の全身タイツをきて、背中に『時空局』と書かれている。名札は「子孫 淳」(しそん じゅん)
子孫「これが悪魔的ハッカーの祖母か。過去にいるコイツさえ排除すれば、今の、悪魔的ハッカーに壊されたおそましい世界は、平和に変わる! いくぞ、みんな!」
子孫と仲間は、過去にタイムワープしていく。
きいろは自撮り棒を持って、道に立ち、自撮りしている。
きいろ「テイク2でやっと成功! 動画って、何度でも撮りなおせるからいいよね。人生にテイク2なんてないよ、たった一通りしかないよ。色々あればいいのに。ねえ?」(きいろの人生が、視聴者版とプロ脚本家版の、2つある事を暗示)
きいろ「まあいいや! 今はとにかく、今晩、泊めてくれる人を探そう!」
ジェミニが地面に何かを埋めている。
きいろ「第一村人発見! あのう、すみません~」
そして、プロ脚本家版へ続く。(視聴者版のエンディングが、プロ脚本家版の第一話へと続いている)
<案2>
ちょっと思ったんですが、
例えば、
視聴者版:刑事役は、本物の刑事。
プロ版:刑事役は、プロの役者。
なんてやって、「本物」と「演技」の対決!なんて面白いかもしれません。
(どういう差があるのか?も見てみたい)
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