「知らない人んち(仮)」三話案、その4
きいろは、アク、ジェミニ、キャン、に言う。
きいろ「アクエリアス、ジェミニ、キャン。あたしは、ずっと気になっていた、あなたたちのその、星座をかたどった呼び名が……
これらはギリシャ神話では、
アクエリアス(水がめ座)は、「不死の酒、ネクタール」を給仕する美少年ガニメデが、持っている水がめ(酒器)、と言われている。
ジェミニ(ふたご座)は、「不死」の弟ポリュデウケースが、死んでしまった兄カストールと「不死」をわかちあいたいと、「神ゼウス」に願い、二人で星座になったと言われている。
そう、どちらも「不死」に関係するもの。
数年前、この家には幸せな家族がいた。あの絵のように。
だけど、ある日、誰かが死んだ。おそらく弟かしらね。
しかし、あなたたちは死にさからおうとした。
ジェミニ、あなたは、死んでしまった双子の弟をよみがえらせようとした。
そしてアク、あなた不死の酒「ネクタール」を開発しようとした。
たぶん違法な事もやったのだと思う。そのくらいしないと叶わない事だと思うし、部屋に監視カメラなんてつけないわ。
だけど、かなわなかった。あなたたちは「神」ではないのだから。
キャンサー(かに座)は、ギリシャ神話では、化け蟹カルキノスが、「神」の子ヘラクレスの足をはさむが、ふみつぶされて死ぬ。
そう、しょせん人間が、「神」の決めた運命にかなうわけがなかった。あなたたちは無残にふみつぶされてしまった……
キャン、あなたはそれを最初からわかっていた、むしろ反対していた」
アク「なぜ、俺たちにかまう? 目的はなんだ?」
きいろ「太陽が一年かけて通っていく12個の星座を「黄道十二星座」というの。そう、「きいろ」い道の星座たち。
あたしは、あなたたちと出会う運命だったのかもしれない。
あなたたちを、悲しみの闇から、「陽の当たる道へ」と導く運命だったのかもしれない……」
アク「……ククククク」
きいろ「な、なにがおかしいの?」
アク「俺たちが、本当に失敗したと思うのか?」
きいろ「え!」
アク「俺の呼び名「アク」には、もう一つ意味がある……確かに俺は「神」にはなれなかった。だが、「アク」マならどうだ?!」
(または、「俺の呼び名「アク」は、アクエリアスという意味じゃない、……確かに俺は「神」にはなれなかった。だが、「アク」マならどうだ?!」)
きいろ「あ、あなた……なにを言っているの?」
突然、暗室の扉がやぶられ、大量のゾンビがはいでてくる。
アク「おっと、尊い実験には、犠牲はつきものだからな。大量の失敗作たちの処理にはいつも困らせられる」
大量のゾンビを前にふるえるきいろ。だが、きいろのユーチューバー魂に火がつき、きいろはカメラをかまえて動画を撮り始める。
すると、バリーン! とガラスを破って、濱津が飛びこんでくる。
濱津「こんな時は、カメラなんか止めて、さっさと逃げんか!」
きいろ「お前が言うんかーい!」
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