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あの日の記憶

2023/8/22,朝起きたら珍しくベランダにセミの死にかけくんがいた。(画像グロくてごめんなさい🙇‍♀️)

ちょうど1年前の2022/8/23朝10時、わたしの父は亡くなった。今日はちょうど1周忌にあたる。時期的なタイミングも重なりこのセミは間違いなく父であるとわたしは謎に確信した笑。

セミはまだ辛うじて生きていた。水を上からふりかけ水を与えてみたり足をバタバタさせてるのをしばらく眺めていた。あの日(父の亡くなる間際)と同様、このセミの死に際も最後まで見届けよう。なんとなくそれが今日の使命かもしれないと思ったので。

その後セミさんは亡くなったので近所の100均まで行き火バサミを購入した。火バサミでセミをつまみゴミ袋に入れマンション一階のゴミ収集場へ捨てに行き丁寧に供養した。

購入した火バサミ

お父さん、セミは大きくて寝起きで見るのは少し怖いから今度来る時は違うのにしてください。笑

セミがだんだんだんだん弱っていく様子を眺めてたらあの日(2022/8/23)の記憶が鮮明によみがってきた。ただこの記憶も年々と薄れていくかもしれない。なのでまだ覚えてるうちにここにも記録しておこうと思う。

2022/8/23

2:00 妹が寝てるわたしの部屋へ来る、パルスオキシメーターの数値が70になってると騒ぐ。その後看護婦さんへ連絡

2:35 看護婦さんが到着、再度パルスオキシメーターで測定してもらったら87あった。どうやら妹の測り方が悪かったようだった…。申し訳ない…。せっかくなので看護婦さんに熱冷ましのクスリを投与してもらい一度帰宅してもらう。朝にまた来てくれるという(ありがたい)

ここで3:00になったかどうかだったと思う。また少しでいいので寝とかねば…

前日の21日くらいから39度の高熱が続いており熱は全く下がらず。身体のあちこちに氷を縛り付けていた。

8:05 さっき来てくれたばかりの看護婦さんがまた来てくれた。高熱続きで汗でびっしょりの父親の身体を拭くため(いわゆる入浴という項目に該当)よって湯を沸かしフットバスに湯を注ぎ大量のタオルを渡す。服を脱がせた箇所からタオルで身体を拭く作業スタート。妹がその補助に就く。ただのお湯では味気がないので薬用入浴剤をフットバスにも投入(これオススメです)嗅いでるだけのこっちもいい香りに包まれいい感じ。

メンソレータムの入浴剤

もうはっきりした意識はないんだろうけど少しでも温泉にでも入ってる気になってくれたら、リラックスしてくれたらと妹はいい,それを微笑ましくみていた(お湯運びや洗濯はわたし)

拭きおわった箇所から新しい下着や風通しのよいパジャマに着替えさせては次の箇所を拭く・着替えさせるを繰り返す。

9:25  身体を拭く作業と着替えがようやくおわる。お父さんも入浴剤の香料がいいのか表情が和らいだように見えた。1時間以上はかかるんだな、この仕事は大変だなと改めて知った。
看護婦さんありがとう。

9:45 父が寝てる和室から全員が引き上げ向こうのリビングへ移動し朝ごはんを食べだした。看護婦さんを玄関で見送りわたしはまた父が寝てる和室へ戻り掃除し今のうちに次の何かに備える準備と確認をしていた。すぐに使う物の補充だったり。和室には寝てる父とわたしの2人だけだった。そして突然カタっと何かが落ちる音がした。
落ちたのは父のおでこに置いた凍ったタオルだった。

アレ?

ここ数日おでこに凍ったタオルをおいたままにしていてもカタっとおちた事がなかったので変だなと思い父の顔をみた。

呼吸が止まってた。呼吸が止まったから落ちたんだとすぐにわかった。

9:54くらいの事だったはず、看護婦さんがこの家をでてまだ10分も経ってなかった。そして

お父さん!!!と大声で叫んだ

リビングに移動してた、母・妹・妹の子(甥っ子)が向こうから走ってきた。

そしてわたしはさっきでていったばかりの看護婦さんの携帯を鳴らし再び戻ってきてもらうよう依頼した。

朝の10時少し前の出来事だった。

いい香りに包まれリラックスし安心してしまったのか父は心も身体もさっぱりした瞬間…
逝ってしまった。

わたしは自分達のこの見送り方、最高の見送り方だと今でも思ってる。これを書いてるわたしも含め人はいつか亡くなる。その時の状態が清潔な状態で汚れてない洗い立ての服を着たままで…とは限らない。

その事に父が満足してるかどうかは知らんけど笑

その後はあちこちへ電話
医者も来て死亡診断書をもらい葬儀屋へ連絡しバタバタバタバタと準備が進む。

泣いてる暇もなければ一服する暇も携帯を見る暇も全くない。気づいたら夕方だった。

そんなあの日を1年経ったいま振り返ってみた。

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