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探究心

 いつ最近「もう直ぐ夏休み」と言うnoteを公開し、その中で科学工夫工作の話を書いた。
 ちょうど新聞に面白い記事が載っていた。
 多くの親は、「子どもには何か熱中できるものを見つけて欲しい。」「好きなことにはとことんのめり込んで欲しい」と思うそうだ。
 テレビの「博士ちゃん」なんて言う番組はまさにそれだ。
 見ていると子どもたちの探究心の凄さに度肝も抜かれる。
 どこぞの大学の先生よりも、もっともっと専門的な知識を持って、自ら探し歩いている。
 どの子もみんなそうなってほしいと思うのが親心だ。
 そして、その子どもの探究心に火をつけるのは親の接し方なんだということが書かれていた。
 生まれてから3歳くらいまでの乳幼児期を見ると、彼らは探究心の塊だ。
 何かをしたいと言う願望を持ち、好奇心を働かせながら、思考錯誤を重ね、親や周りの人たちと対話しつつ、いろいろなことを吸収し実現していく。
 怪我や傷だらけになるのもこの頃が多い。
 親がここで尻込みをしてはいけないのだ。
 また、その頃の探究心をずっと持ち続けられれば良いのだが、実際は学校や家で目標を与えられ、情報を与えられるか、正解を与えられることを繰り返してしまう。
 自分で決めたり選んだりする機会が減り、盛大な探求心は知らず知らずのうちにそぎ落とされてしまう。
 7〜8歳くらいまでの子供に好きなものを自由に考えて作ってごらんと言うと、何の抵抗もなく作り出すが、10歳を超えてくると、最初は何をやっていいか戸惑う子が多くなるという。 
 学校に通っているうちに自分の考えを自由に表現することが苦手になってしまうというのだ。
 子供の探究心に火をつけるために、子どもが自分の意思で決めたり、動いたり、選んだりできるようにサポートしていく。
 このサポートこそが大人の重要な役割なんだ。
 大人が、まずやるべき事は子どもに暇な時間を作ってあげるということらしい。
 今の子どもの日々の生活を思い浮かべるとやるべきことで埋まっている。
 そういえば、真愛も息子が子どもの頃には、 
 朝、起きるところから
「早く起きなさい。」
「早くご飯を食べなさい。」
「早く顔を洗いなさい。」
「早く出掛けなさい。」
と登校させた。
 息子は学校で
「次は何をやる!」
「◯分で考える。」
「1時間目です。2時間目です!」
とやることだらけ休み時間だって、区切られていて自由に暇になることがない。
 やらなきゃいけない事がいっぱいあって(やることがたくさんあるのに)自主的に動いてほしいと思うのは、お腹いっぱいの相手にまだ何が食べたいと聞くようなものだ。
 もう食べられん!
 子どもは、暇になれば必ずやりたいことが出てくる。
 そうやって子どもの中から『あれしたい、これしてみたい』と言う気持ちが出てくるまで待ち、出てきたらその気持ちを受け止めてサポートしてほしい。
 厚洋さんはとてもうまくてこの【待っていたら出てこない。どうしましょう】という部分を
上手い撒き餌で誘き寄せる。
 博物館に連れて行く。
 一緒に何かで遊んでみる。
なんてことの中から息子やりたいことを拾い出せるようにしておいたのが凄いと思う。
 そして厚洋さんは必ず息子にに「上手いね。」とか「できたね!」と自信をつけさせてくれた。
 要するに厚洋さんは手探りでまだわからない彼の無限の可能性を信じ、やりたいことをやらせ《いいね》と認めたのだ。
 子どもは、自分ができたことを認められると「自信がつく」「見て見て!」「聞いて聞いて!」と言ったら探究心に火がついている証拠である。
 息子は、小学校2年生まではこの状態だった。
 要するに8歳までである。
 10歳過ぎたら、学校の枠にはまってしまった。
 我々夫婦も学校の枠にはめてしまった。
 子どもたちが集中して何かに作業をしているときには、できるだけ口を出さない。
 子どもが聞いてくるまで教えずに、自分のやりたいことを自分で工夫してやるようにガイドすればいい。
 足らないものがあったら足らないものを欲しがったら渡せばいいのだ。
 物事の結果を焦らず、常に一歩後からゆとりを持って子どもたちの自然な判断や行動を見守ると良い。
 子どもの想像力を大切にし、正解かどうかよりもなぜそう考えたのか、なぜそのようにしたのかに目を向け、この子どものあらゆる可能性を探る姿勢で、子供に接すれば良いのだ。
 以前にも書いたが、千葉大学名誉教授であり、言語教育研究者である首藤久義先生がずっと前から提唱してきた考え方・指導法・子どもを育てる方法と合致する。
(note blogも書かれているので
        お読み頂ければ宜しいかと…。)

 気をつけなきゃいけない事は、危険を取り除いて安全面を確保することである。
 探究心を引き出すその案内人は子供にとって何でもかんでも頼れる人ではなく、本当に困ったときに知恵を貸してくれる人。
 必要であれば手伝うし思っていることや知っている事は伝えるけど、
《決めるのはあなただから!》と言う態度で接してくれる人だったら良いのだ。
 子どもが自分で決める。
 そのサポートをすれば良い。
 今の時代は、誰かから正解を与えられるのを待つのではなく、自ら課題を設定し、自分で自分なりの正解を見つけ出していく。
 その力が求められている時代だと言う。

 探究心を持つ子に育てられた
        成功例の3つのポイント

①基本的な価値観はしっかり伝える。
 親が持っている価値観や哲学・信念などはし
 っかりと伝えていきたい。
 その一方で、学校や仕事といった人生を選択
 する上で重要な事は、選択肢を示す事はあっ
 ても、基本的に本人に決めさせることだ。
②子供の可能性を信じ機会を与えることである
 国内外の学校への留学や習い事をしている子
 も多いが、これらは本人が希望し、親を説得
 して、それを親が認めると言う形をとってい
 る場合がほとんど。
 本人の主体的、行動を尊重しながら機会を与
 え支援をしている。
③甘い道、安易な発想を許さない。
 指示はせず、子どもの自主性に任せることを
 前提としながらも、甘やかしたりほったらか
 したりするわけではない。
 どういう態度で取り組んでいるのか、
 受け身か、能動的か、惰性なのか、計画的な
 のかを見極めていることだ。
 子どもに選ばせると同じことばかりやってし
 まい偏るのではないかと心配になる人もいる
 かもしれないが、短期的には同じことを何度
 も繰り返すが、一通りやると満足し、次の興
 味に移っていく。
 自ら課題を設定し自分で自分なりの正解を見
 つけ出していく。

 探求型の生き方は、楽な生き方ではないかもしれない。
 しかし、もともと備わっいる学ぶ意欲や探究心を抑えなければ、必ず探求型の生き方は身に付けられるという。

 おばあさんになった真愛が、今だに学ぶ意欲があるのは、前出の首藤先生の哲学的な「言語教育」のあり方を学ばせてもらったからだと思う。
 子どもの育て方は難しいが、子どもを育てるのではなく自分も育てられている事に気づいた時に双方の「幸せ」がやって来るもんなんだ。
 首藤久義先生どうしていらっしゃるかな?

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります