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秋になるの?

 秋になる前にこの暑さで植物が枯れてしまった。
 🎶落ち葉の舞い散る停車場に〜🎶ってのは秋だと思うが、酷暑の中、無風状態で葉が散っていく。
 日陰の紫陽花までも枯れ始めた。
 8月8日は立秋である。
 秋になるのだろうか?

落ち葉の上に、真昼の影

 毎日のように、午前9時になると「熱中症警戒アラート」が発表される。
 ちょっと早く起きて水かけをすれば良いのだが、雨戸を入れて冷房をかけて寝ると宵っ張りの真愛は熟睡状態が長く続く。
 24:00〜8:00。
 2階の遮光カーテンを閉めたベッドルームで寝ると、冷房をかけて寝ていても、「暑い!」と早く起きられる。
 厚洋さんがあちらに逝ってからも暫くは上のベッドルームで寝ていたが、5月の地震が結構揺れたので、安全な2階のない一階の厚洋さんの部屋で寝始めた。
 すると、不思議とトイレにも起きずによく寝られた。今年は、ゆっくり下で生活をしようと一階での生活が始まった。
 起床7:30〜8:00になったのだ。
 口濯ぎや掃除・洗濯干しや仏唱と薬飲みをして、さて、水掛けに出かけけると9:00!
 今の水掛けは1時間ぐらい掛けないと“焼け石に水”になってしまう。

12:00

 絶対に午前中の水掛けはできないと思ったので、最近はプールから帰って来た17:00に撒き始める。
 7月の初めの頃は、水掛けをすると
「ゴクンゴクン💦」とみずを飲み込む木々達の音がする気がした。
 しばらく続いた「猛暑日」の結果、彼らも熱中症に罹ってしまったらしく、水分補給を自力で出来なくなっているように思う。
「萎れた」のではなく「枯れた」になってしまった。
 8月8日の立秋までこのカラカラ天気が続きそうだ。

露草

 チャーちゃんのお墓の近くには露草の青い花が咲いていた。
 側に小さな小さな雨蛙がじっとしていた。
「人工的だけど、雨だよー!」
って声をかけながら、水をかけてあげた。
ー 日は日暮れよ 夜は夜明けよと 啼く蛙 ー
               与謝蕪村
と読まれたように、朝晩にはよく泣いていた蛙ちゃんなのに、このかんかん照りて、みんな「ぐりまやぐりだ」のように干からびてしまっているのだろうか。
 今年の空梅雨で、雨蛙の色はみんな茶色や鼠色になっている。
 葉っぱの上には暑くていられないのだ。
 日陰の土の上だったり、冷たい石の上を探してじっとしているから、保護色が妙な色になってしまう。
 世の中を ななめにみたる 蛙哉
          ー 会津八一 

ではないが、
「ねぇ?本当に秋が来るの?」
ってカエルに見上げられてしまった。

秋はいつ来るの?

 真愛も、同じように思う。
「うーん!
 8月7日にはちょっと傘マークがついたよ。
 台風が来るんだろうね。
 だから、立秋になったら、ちょっと雨が
 降るかもね。
 それまで、頑張って水掛けするから、
 夜になったらここにおいでよね。」
「夜だね。
 カラスもいないから来られるね。」

月夜の蛙

ぐりまは子供に釣られてたたきつけられて
死んだ。
取りのこされたるりだは。
菫の花をとつて。
ぐりまの口にさした。

半日もそばにいたので苦しくなつて
水にはいつた。
顔を泥にうづめていると。
くわんらくの声々が腹にしびれる。
泪が噴上のやうに喉にこたへる。

菫をくはへたまんま。
菫もぐりまも。
カンカン夏の陽にひからびていつた。

 草野心平さんの「ぐりまの死」である。
 菫の花を口にさすので、春なのだが、
 菫もぐりまも
カンカン夏の陽に
      干からびて行った


 今朝は、ちょっと曇っていたので、草取りをしたのだが、蚊はいなかったが、砂埃が舞い上がった。
 そこらじゅうにミミズや蛙が干からびて死んでいる。
 これはいずれ、何十年か先の人間の世界なのかもしれないと思った。
 今年の立秋は、
 本当に秋が来るのだろうか?

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります