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夏至

 日の出   4:25。
 日の入り 18:58。
 5時に目が覚めたが、すでに明るかった。
 夏至の日の太陽は見えず、薄曇り。
 洗濯物を外に干すか、乾燥機にかけるか悩む様な1日のスタートだった。
 夏至は、一年で一番昼間が長い。
 だから、日の出も一番早いんだと思っていたのだが、そうではないらしい。

 実は、
* 日の出が一番早い ⇒ 夏至の1週間前
* 日の入りが一番遅い ⇒ 夏至の1週間後
 なんだそうだ。
 東京での夏至の日の出は4時25分。
 1週間前の6月14日も4時25分。
 変わらんじゃないか、と思ったが1週間のうち、数秒ずつ遅くなっているんだ。
 それは、日の出・日の入の早さ・遅さを決めている要因に、太陽の動き方があるからだ。
 地球から見ると、太陽が空を動いているように見えるが、この動き方は年間を通して一定ではない。
 日の出・日の入りの早さ・遅さは昼間の長さで決まる。
 しかし、実際には、太陽は季節によって動く速度が違う。
 太陽の通り道である黄道と天の赤道が23.4度傾いているため、太陽が天の赤道に対して動く速度が一定ではないのだ。
 地球の公転軌道も楕円であるため、太陽の日々の進みが一定ではない。
 だから、夏至の日より1週間前の日の出が早く。夏至の日より1週間後の日の入りが一番遅くなるのだ。
 なんとなんと、なんと、太陽が南中するのも12:00ではないのだ。
 今日は11:43らしい。
 調べていくうちに、南中時刻は、ちょうどお昼の12時ではなく、年間を通して変動がある。
 これも、上記2つの理由による。
 夏至と冬至の頃は、南中時刻がどんどん遅くなっている時期にあたり、南中時刻は日の出から日の入までのほぼ中間にあるので、単純に考えて、南中時刻が遅いほうにずれれば、そのぶん日の出、日の入も遅いほうへとずれていく。 
 ちょうど、夏至、冬至の前後は、この効果が大きくあらわれるため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていくのだそだ。
 そのため、日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になる。
 また、日の出がもっとも遅い日は冬至の半月ほど後、日の入がもっとも早い日は冬至の半月ほど前になる。
 日の出が一番遅い ⇒ 冬至の2週間後
 日の入りが一番早い ⇒ 冬至の2週間前
 つまり、夏至になって「明日から日が沈むのが早くなるのか~」と思っているとちょっとズレる。
* 昼と夜の時間が近づく日(春) ⇒ 
              春分の数日前
* 日の出が一番早い日 ⇒ 夏至の1週間前
* 昼間の時間が一番長くなる日 ⇒ 夏至
* 日の入りが一番遅い日 ⇒ 夏至の1週間後
* 昼と夜の時間が近づく日(秋) ⇒ 
              秋分の数日後
* 日の出が一番遅い日 ⇒ 冬至の2週間後
* 昼間の時間が一番短くなる日 ⇒ 冬至
* 日の入りが一番早い日 ⇒ 冬至の2週間前

 時期としては大体それぞれの二十四節気の頃なので、日常生活に支障が出るほどの違いはほぼ無いらしい。
 真愛は、こんなおばあさんになるまで、
「冬至が過ぎたのに、日の入りがどんどん早く 
 なっている気がしていた。」
 その不思議が今日。夏至の日にはっきりした。


 夏至の日に、真愛の孫は誕生日を迎えた。
「太陽に愛された子」である事にも、初めて気づいた。
 ママとパパに愛されて、可愛く向日葵みたいに笑う子だ。
 何十年も生きてきて、教員もやっていたのに
「不思議だと思った事」を調べようとしなければ、ずっと知らないままだったのだ。
 一年で一番昼間が長い日に、生まれて初めて知ったこと。
 それは「幸せ」の発見でもあった。

 夏至の日の入りだ。
 生きているから、発見がある。
 発見があることが、生きている証だ。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります