見出し画像

可愛いものが好き

 夜中の番組で「おじさんはカワイイものがお好き」って言うのがある。
 イケメンで仕事もデキるおじ課長の秘密は、
「カワイイものパグ太郎」に目がないところ! 
でも、高校の頃、パグ太郎を抱っこしてるところを笑われ、「誰にも言えない秘密」となる。
 このドラマの素もコミック漫画だ。
 面白い。
 侮れない「漫画の世界」である。  
 
 真愛は、女なので「可愛い💕」と言う事は隠さなくて済む。まあ、若い女の子が言うのと違って、年寄りだからキモいかもしれない。 
 小さい頃からキューピー人形に服を作って、おままごとをするのが好きだった。
 小学校でアルバイトをして買ったのが、「ピンクの熊のぬいぐるみ」だった。
 貧しくて可愛い服も可愛い物も買えずにいたので、就職してからはその反動が起こった。
 教師をやっていたので、勤務する時の服は「ハンサム系」だったが、家では、「可愛い物・可愛い服」だった。
 結婚しても、厚洋さんが認めてくれたので、(諦めたのか?)「可愛いもの・服」は、大好きなままだった。
 新婚旅行の帰りに
「お前のお土産は何がいい?」
と聞かれて、
「ロバさんのぬいぐるみ!」
って言って、千歳空港で買って貰った。
 子どもの様に機内で抱いていて、stewardessさんに笑われた。
「お嬢さん。可愛いですね。」
厚洋さんは、真愛のお父さんになっていた。
 その後、息子が生まれると大手を振って「カワイイもの」を買うことができた。
 息子が大人になっても、「ちょっと引いてしまう行動」は止まらなかった。 
 教え子たちがプレゼントしてくれる物も「可愛いもの」が多かった。教室にぬいぐるみが置いてあるのだから、考えたら異常だ。 
 息子もドン引きしていたが、厚洋さんが許してくれていたので、やりたい放題だった。
 
 厚洋さんが入院する前の年の真愛の誕生日。
 彼の日記には
「真愛の誕生日。何か可愛い物を…。」
と書いてある。貰ったプレゼントは、ニャンコの音楽隊だった。

 彼が亡くなった今でも、可愛い物は好きだ。

 だから、ドラマの男性を見ていると
「そうか。男の人にはこんな苦労があるの 
 か?」と思ってしまう。
 今は、もっと自由な時代だと思っていたが、
自分自身で「〜在らねばならない。」と呪縛が解けなくなるのだ。凄く真面目だったり、誠実だからだろう。
 真愛は、公然の事なので、「呆れられる事」はあるが、本人はお気楽なものだ。

 更に、「ひとりで寂しいだろう。」と可愛い物をプレゼントしてくれる人も多い。
 今日は、↓ ニャンコピザのプレゼント。

が、届いた。   
 息子のお嫁さんからだった。 
 コロナ禍で、来ることができなかった真愛の誕生日を祝ってのプレゼントだと言う。
「可愛いくて食べられない💕」 
と返信した。  
 彼女は、何時も真愛の欲しいものをプレゼントしてくれる。
 昨年は、日本画の顔料セットだった。
 一昨年、厚洋さんが病床で
「お前の白い花の絵が好きだ。」
と褒めてくれた。 
 真愛は、来ない未来を見るために、
「あなたが元気になったら日本画を習ってもい 
 い?」と尋ねた。
 厚洋さんには見せられないが、彼が「やってもいい」と言った日本画を独学で始めた。
 それを知っての「日本画の顔料セット」だ。
 今年のプレゼントも最高だ。
     「ニャンコのピザ」
 梱包を解いてしばらくニタニタしてしまった。真愛の心を鷲掴み!

 考えたら、兄貴もお土産に

猫パンを買って来てくれた。
「お前が好きそうだったから。」
「可愛い💕ニャンコだ😍
          食べられないね。」

 兄貴は、笑っていたが購入時に苦労したのかな?
「あっ。土産なので…。」とか
「プレゼントにして…。」とか。
 ドラマのおじさんの様にぶつぶつ言ったのだろうか。ゴルゴ13の様な182cmの漢の兄貴だ。(きっと恥ずかしかったろうなあ。)と思うと申し訳ない。

 年甲斐もなく「可愛いものが好き」だ。
 恥ずかしげも無く「可愛い服」も着る。
この自由さが幸せだと思う。
 周りには迷惑をかけているのだろう。
 感謝・陳謝・謝謝。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります