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年末年金支給日

 12月15日。
 今日は、やけに爺さん婆さんが街に溢れていた。年末の年金支給日だからだと思う。
 学校はまだ授業があるので、日中には子どもは現れていない。
 9月の敬老の日より、この12月15日を老人の日にした方が良さそうなくらいだった。

 天然酵母で作るサルタナレーズンパンが焼き上がる13:00にパン屋さんの駐車場に入った。
 入り口正面にドーンと停めてる車があったので、仕方がなく左端の出口付近に停車すると「ぱっぱあーバッバアー」
と大音量のクラクションを鳴らされた。
おじいさんが窓を開けながら、
「退けろ!」
って言う。
「えっ!」
 だって、貴方がど真ん中に止まっているから私は避けたのでしょう?それに出口から出るんだったら、ゆったりと開けているじゃない?
いやぁ!自分だって年寄りになっているのに
「このクソジジイ。
 お前の運転が鈍くなっているだろう?」
心の中で叫んだ後、無性にイライラした。
 まあ、目的の「サルタナレーズンぎっしりの天然酵母パン」が買えたのだからいい事としよう。
 で、パン屋さんを出て主要道路に出ると前には、爺さんマークのついた車がゆっくりと走っている。
 爺さん多いなと思いながら、車間距離を広めにとって10メートルも走ったら、後ろからクラクションを鳴らされた。
 爺さんが、後ろから煽っているのだ。
 ブレーキを踏んだら、追突する距離である。
 ムカッとしたが、そこは我慢。
 後ろの爺さん何を思ったか、ウインカーを出して、追い越し・追い抜き禁止のyellow LINEを大きく超えて抜いて前に行ったが…。
 大変!
 爺さんの正面からダンプが走って来た。
 ダンプがビックリして止まった。
 前の爺さんがゆっくりしていたから、なんとか左に逃げられたようだが、これで事故になっていたら、巻き添えになっていたと思った。
 なんでこんなにも爺さんは早く行きたがるのだろうと思った。
 婆さんたちも運転しているが、普通に穏やかに運転しているように思えた。

 更に会議に出席のため市役所の駐車場に入った。何かの会議が重なったらしく、いや、年金支給日だったからかもしれないが、駐車場はいっぱいで、しばらくゆっくりと駐車場スペースを探した。
 いた爺さんだ。
 出るんだから入れたんだからわからない。
 しかし、中途半端にケツを出したまま止まっている。 
「あゝあ。会っちゃったよ。」
と呟いてしまった。
 愛しい厚洋さんも元気でいれば、後期高齢者に後一歩。このお爺さん達のように嫌な運転をするのだろうかと考え、(カッコいい運転のままの厚洋さんの思い出で良かった)と安堵していると、中途半端な状態で止まっていた爺さんの車がバックして来た。
「おい!おい!
 そんなにバックせんと回せんのか?」
というほど下がって来る。
 思わずバックミラーで、後ろに車がいないか確認しながらシフトを変える準備をした。
 爺さん、🚗3台分ほどバックしてから、出て行った。
 年末年金支給日。
 12月15日・晴れ!
 日本人の総人口は1億2,322万3,561人
(2022年8月9日、住民基本台帳に基づく人口 
 人口動態および世帯数(2022年1月1日現在 
 で、13年連続で減少。
 出生数は、1979年の調査開始以降
 最少の81万2,036人。

 国の総人口は、前年に比べ82万人減少して
 いる一方、
 65歳以上の高齢者人口は、3627万人と、
 前年(3621万人)に比べ6万人増加し、
 過去最多。
 総人口に占める割合は29.1%と、
 前年(28.8%)に比べ0.3ポイント上昇し、
 過去最高となりました。
   男女別にみると、男性は1574万人
 (男性人口の26.0%)
 女性は2053万人(女性人口の32.0%)
と、女性が男性より479万人多い。

 高齢者人口を詳しくみると、
 70歳以上人口は2872万人(総人口23.0%) 
 前年に比べ39万人増(0.4ポイント上昇)、 
 75歳以上人口は1937万人(同15.5%)
 前年に比べ72万人増(0.6ポイント上昇)、
 80歳以上人口は1235万人(同9.9%)
 前年に比べ41万人増(0.4ポイント上昇)

 なお、75歳以上人口は、総人口に占める割合が初めて15%を超えた。
「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)が2022年から75歳を迎え始めたことによると考えられるという。
 爺さんが多いわけだ。
(本当は婆さんが多いはずなのだが、免許を持っている年寄りは爺さんが多いのだ。)
 真愛の年代になると、免許取得者の男女差が無くなるらしい。
 後数年すると、爺さんも婆さんも「年末年金支給日」には、もっと車でワラワラと出て来るのだろう。
 イライラしていた気持ちが、とても悲しくなった。すでに、世界で一番の少子高齢化社会になっているのだ。
 そして、自分もそれを増す要因になっているのだ。
 総人口の4分の1の老人の力を何かに使わなくては勿体無い。
「退けろ!」のエネルギー
「追い越しをかける」エネルギー
「他者を考えない」エネルギー
 有効利用は無いものだろうか?
 自分の事も入ったいるのだから、真剣に考えないと、かつて昔の「姨捨山」にされそうな気がするする。
ー 年末年金支給日 ー
 人のことは言えない。
 15日に書いたことを公開するのが、随分遅い。毎日公開できるように「下書き」を溜め込んでいるからだ。
 酷い認知症になり、そのうちnoteの芽がスマホから出て来そうな婆さんになった。😮‍💨 

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります