亡き夫へ あなたが好きです。
厚洋さんの祥月命日です。1096日経ったけど、まだ会いたいです。
少しだけ、「願っても生きて戻ることはないと」思えるようになりました。
でも、昨日の朝の夢みたいに、若い頃の厚洋さんの横であなたの歌が聞きたいです。
関白宣言を2番までしか歌わないで、ニタニタ笑って焦らすのでもいいのです。
22才のお正月に、一緒に手を繋いで神野寺に初詣に行きました。あの頃、二人揃って着物を着てお参りなんて余りいなかったので目立って恥ずかしかったけど嬉しかっのに、ずっと「嬉しい。」って言わなかった気がします。
真愛の日本髪姿を
「着物が似合うんだな。
帯解く時に、お代官様ごごやろうか?」
なんて笑ってる夢でした。
3年前のあの夜も、あなたの傍で寝て、夢を見ました。あなたが若い頃の元気な頃の夢でした。
不思議なことに、今でも、素数日や命日には必ず夢を見ます。隣に滑り込んでくる気がするくらいです。(どうもエッチな私です。)
毎日、あなたを思います。
この日が近づくと、一日中、あなたを思ってしまう真愛です。
今朝は、お稲荷さんを作ります。
教育実習生と教官の形で知り合った翌年の秋。市民体育祭で真愛の作ったお稲荷さんを食べてくれて、
「お前。料理出来るんだ。
上手いなこのお稲荷さん。」
と言ってくれましたね。
金木犀の終い香りがする頃でした。
結婚してからも、油揚げが好きな厚洋さんのお弁当にはお稲荷さん。
馬鹿の一つ覚えで、「美味しい。」と言われたら、せっせとたくさん作りました。
子どもも巣立ち、母も送り、二人だけの生活になりました。
おつまみ係の真愛は、油揚げの甘煮も作り、煎り豆腐にも甘煮を入れました。金平にも…。
あなたは文句も言わず、食べてくれました。
3年前。
8月3日。
緊急入院した貴方に
「何が食べたい?」
と聞いたら、
「真愛のお稲荷さん。」
と言われた時には困りました。
付きっきりの看病で家に帰れなかったからです。急いで来てくれた息子に頼みました。
「稲荷寿司を買って来て!」
でも、一口で辞めて
「真愛のお稲荷さんが食べたい。」
「ずっと側に居ろって言っていながら、
私のお稲荷さんは無理。
わがまま者」
って言ったけど、ホントは嬉しくって嬉しくってどうしようもなく嬉しかったのです。
真愛のためだったのでしょう。少しだけ持ち直してくれたあなたのために、5時に家に帰り、朝食を作って病院に戻りました。
「お稲荷さんは食べられないけど、
油揚げの甘煮よ。」
「ほう!お粥と一緒に食べたら、
真愛のお稲荷さん。」
って言って笑ってくれましたね。
真愛のお稲荷さんを褒めてくれるあなたが、大好きでした。
毎月の命日には、「あなたが褒めてくれた真愛のお稲荷さん」を作ります。
今日のお稲荷さんにも、具がいっぱいです。
野菜嫌いなあなたが、こうして細かく切って混ぜご飯にするとなんとかたべてくれたからです。
3年もそちらで過ごして、好きな物ばかり食べていては身体に良くありませんから。
一周忌の時は、台風の後の停電の中、チャーちゃんを抱きながら、あなたを思って泣きました。
三回忌の去年も、コロナ禍で誰も来られず、一人でお寺で法要して頂きました。
年回ではないけれど、昨日、お塔婆を書いて頂きお墓に供えてお参りしました。
だからでしょうか、あなたの夢を見ました。
体育祭であなたへバトンを渡した時の夢です。
真愛が27歳。あなたが33歳の時。
地域の体育祭。
八重原の市民運動公園。
南子安地区の選手でしたね。
今朝の夢は、バトンをもらう夢でした。
「ほれ!走れ!」
って、渡されました。
あなたは、真愛に何を託したかったのでしょう。気持ちよく走っている夢でした。
西の厨窓を開けて、お稲荷さんを作っていたら、金木犀の花の香りが流れて来ました。
あなたが植えてくれた金木犀です。
穏やかな秋の風になって真愛を包み込んでくれます。
あなたの胸の中で、いつもそうしたように、大きな長い深呼吸をしました。
真愛の胸の中に、あなたの匂いが入ってきます。
あの頃は、ロングピースの匂いだったり、石鹸の匂いだったり、お日様の匂いだったりしてたけど、どの匂いも好きでした。
真愛はあなたの匂いが好きでした。
今は、金木犀の香りが貴方のような気がします。
3年目の命日は、穏やかな秋の日差しの中で、一人金木犀の下にいます。
真愛は、今でもあなたが好きです。
あなたが好きと言い続けられることを
「幸せ」だと思っています。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります