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方向転換

 既に生き甲斐になってしまったnote blog。 
 3ヶ月前に
【出版社やテレビ局を合わせて過去最多の21
 メディアの協力のもと、

とお知らせが入った。
 自費出版の目処が立たない年金暮らしのおばあさんは小躍りした。

【応募期間は、
4月23日(火)から7月23日(火)まで です。
 募集部門は全部で12。
 昨年の部門に加えて、新たに「#ホラー小説部門」「#創作漫画部門」「#レシピ部門」「#ビジネス部門」を追加。
 いずれの部門も、プロ・アマチュア問わず応募可能です。】という。

 即、応募要項を開いてみた。
 10,000字まで
 真愛の書いているnoteは、エッセイのようなものだ。
 書き始めの目的は、文章修行のためだった。 

 愛しい人を亡くし、半狂乱のまま書いた拙著「白い花にそえて」を自費出版して一年後のことだった。
 2001年にも同じ出版社で詩画集「夢幻」を出版した。
 亡き夫は、明治図書とか小学館とかで原稿を書かせてもらい、それなりの原稿料もいただいていたので、
「お前は金を払って書かせてもらっているが、
 俺は金を金をもらって書かせてもらっている
 分かるか?この違い!」
 そう問われても、十分に理解している真愛は、悔しくても何も口答えが出来ない。
「フン!」の後に
(いずれ売れる作家になってやる。)の一言は恥ずかしくて言えなかった。
 更に、
「思ったように文章が書きたいなら、
 もっと読書をする事だ。
 何でもいい、もっと書く事だ。
 作品を多作しろ!
 書く事が楽しくなったら、
 書きたい事が書けるぞ!」
とだめ押しされた。
 小学校教員をしていて学級担任もさせてもらっていたので、当時は学級通信が発行できた。
 今では、写真の肖像権が…。
 個人情報保護法で…。
と、当時のような学級通信は発行できないようだ。つまらん世の中になったものだと思う。
 2000年の七夕様の短冊には、
「詩画集が出版したい!」と書いたことを覚えている。
 出版社の何かのイベントに応募して、「いいね。」と言われ舞い上がり、『我が社で自費出版しませんか?』と言われて、貯めたヘソクリを全部叩いたのだ。

一冊め 詩画集


 それから18年も出版していなかった。
 お金も無いし、売れなかったので能力も無い
《死ぬまでに本1冊!という夢は叶った》
と思っていた。
 ところが、2018年9月、考えてもいなかった《愛しい夫の最期を看取った》ことで、書きたいこと・書き残したいこと・誰かに伝えたいことが溢れ飛び散った。
(厚洋さんが大好きで堪らない。
 彼と私の恋の全てを書き残したい。
 彼に愛されていたという誇りを
 彼を心から愛し尊敬していたことを…。)
 2012年から始めたhome page「ゆめにゃんこちゃーちゃ」に書き殴った。
 1983年から入った同人誌「玄」に「命懸けの恋」を投稿した。
 短編小説の長さだった。
 私小説である。
 小説とエッセイの一番の違いは、「作り話」か「実話」かであるが、小説のような実話なのだから「私小説」である。
 縁というのは不思議なもので、夫に馬鹿にされても、前出の出版社の童話賞に応募していたところ、またもや『素敵な作品を書いてますね。我が社で本にしてみませんか?』と声をかけられた。
 夫には申し訳ないが、彼の遺産の半分を頂いたので剛気になっていた妻は、(彼との恋の物語と彼が褒めてくれた花の詩画集を出すなら叱られないだろう。)と即決。
 2ヶ月で原稿を書き上げた。

白い花にそえて

 売れると思ったが、今読み返すと「半狂乱の八百屋お七が半鐘鳴らしている文章」で、恥ずかしい限りである。
 そんな真愛の所にも【「創作大賞2024(第3回)」を開催します!】の連絡が届いたのだ。
 文章修行の途中でも参加してみよう…。
と、ちょっと思っていたのだが、「恋愛小説」を書き始めて、12000字になって考え直した。
 厚洋さんに言われたみたいに、真愛はやっぱり文才はない。まだまだダメだ。
 真愛の思いを病床の厚洋さんに7枚ほど書いたが、
「文脈バラバラ!」
と言われてショックを受けた。
 真愛の想いに対する答えではなく、文章の書き方の評価だったのだ。
 今思えば、真愛の重すぎる「愛」にどう答えて良いか分からなかったのだと思う。その後亡くなるまでの一か月は、「愛してる❣️」をたくさん言ってくれたし、大恋愛をして真愛の元を去って逝った。
 今回の小説も「文脈バラバラ!テーマ不明」と言われそうで応募するのを辞めた。
 3冊目の創作本を出したいと思って、方向転換を考えてみたが、方向転換というのは余程の力量と熱量がなければ出来ないのだ。
 厚洋さんから
「もう少し生きて文章の修行するんだな!」
と、生きる目当てを貰った気もする。
 ゆっくり真愛らしく「厚洋さん大好き」を書き綴るエッセイを続けながら、方向転換のための「創作童話・小説」も書き始めよう。


ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります