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76歳・50歳・46歳のお雛様
見出しの写真のお雛様は、76歳のお雛様です。1945年の3月10日の大空襲で焼け出され、敗戦を迎えた翌年の雛祭りに購入してもらったお人形だそうです。
「復興雛」と言うそうです。
真愛が小学校の頃には、親王台にのっていて、前には御神酒が置かれ、後ろには屏風も桃の花もありました。
(母が父とお付き合いをしていた頃なので、父に
買ってもらった物だとすると、真愛は、母と
同じ道を辿っているのかも知れません。)
真愛のお雛様は、46歳のお雛様です。
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真愛が、お人形だけになった母のお雛様を大事そうに飾っているのを見た厚洋さんが
「段飾りは高くて買えなかったけど…。」
とケースから取り出してくれた時の嬉しさは、今でもはっきりと覚えています。
父親の味を知らない真愛にとって厚洋さんは「父親」でもあったのです。
母と同じように愛しい人に買ってもらったお雛様です。
息子は授かりました。
娘がいないのですが、毎年毎年、欠かさずにお雛様を出して、ひな祭りをしました。
仏がかかってお正月をしない年もありましたが、お雛様を出して、
「厚洋さんに買ってもらったお人形。」
と、彼に嬉しかった話も43回もしました。
笑いながら、
「壊れ始めたんだから、勝浦の雛人形祭りに寄付
したらどうだ?」
と言われたこともありましたが、寄付する「ご縁」がなかったのです。
寄付しなくて良かったと今は思います。
お雛祭りには、厚洋さんが
「若き日を 巡り巡りて 雛の夜
ー 満望 ー 」
という句をひねってくれたこともありました。
彼が逝ってしまっても、この時期にはお雛様を飾ります。今は、
「厚洋さんのお嫁さんにしてもらって、
幸せな真愛でした。
🎶お嫁にいらした姉様に、
よく似たかんじょの白い顔🎶」
って歌いながら、
🎶お嫁サンバ❣️お婆サンバ⁉️🎶
とも付け足すようになりました。
お雛様はやっぱり女の子のお祭りなのでしょう。(LGBTQ、性的マイノリティを理解した上で)女の子の心を持った人の心優しくなるお祭りなのだと思います。
厚洋さんが元気な時も、そして今も、お人形をしまう時には、「婚期が遅れちゃ困るから…。」
と言っては、厚洋さんに笑われています。
今日は、お友達のお家の50歳になるお雛様にお会いして来ました。
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右近の橘ではありませんが、我が家の酸っぱい甘夏蜜柑と教え子の育てた大きな苺を召し上がって頂くことも出来ました。
もっと凄い事は、そのお雛様と一緒に迎えてくださったお友達のお母様です。
齢90を超えていらっしゃるのに、矍鑠としていらっしゃり俳句を捻ったりお歌を歌ったりと素晴らしい生き方をされている方です。
真愛の紫陽花の庭も見に来てくださった方ですのに、このコロナ禍で暫くお会いできていませんでした。
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お母様、最近「曾孫さん」が誕生され、「ひいばあちゃま」になりました。
真愛のお友達は「おばあちゃん」の仲間入りをしました。
彼女のように元気で全ての人に愛される「老い」を迎えられたら幸せでしょうね。
お友達は、「外のお庭でお茶でも…。」と用意してくださったのに、今回はご遠慮。
免疫力を高めるために、有酸素運動をしにいきました。
が、お友達のお雛様も、我が家のお雛様も同じ事が起こっていることに気づき、泳ぐ事をやめて、急いで帰ってきました。
noteが書きたくなったのです。
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どちらのお雛様も、お顔がお内裏さまの方を向いているのです。
我が家のお雛様がお内裏様の方を向いていると気づいたのは、もう20年以上も前、
「厚洋さん見て見て、
お雛様がお内裏様の方向いているの!
素敵ね。好きなのよ。とっても!」
と言う真愛に、
「はいはい。好きなんですね。」
と返されて、
「真愛も厚洋さんが大好き。」
と言えずにむくれた事を思い出します。
それから、気をつけて見るようになり、お雛様もどんどんお内裏様を見つめるようになりました。
良く見ると、お雛様のお髪は長く、後ろに垂らされているので、その髪が後ろの屏風に当たり、少しずつ内側に押されて来ているのです。
理由は分かりましたが、
「今年も、大好きです。
🎶お内裏様とお雛様
2人並んですまし顔🎶」
と、内蔵されたオルゴールに合わせて歌うようになりました。
ところが、お友達のお雛様もちゃんとお内裏様を見つめていたのです。
素晴らしい発見をしました。
我が家のお内裏様は、お雛様の方に向いています。真愛が退職した年の雛祭りに
「あなた、見つめられて、好きって言われている
のに、真っ直ぐ向いていたら失礼でしょう?」
と厚洋さんに聞こえるようにお内裏様のお顔をお雛様に向けたからです。
厚洋さんが逝ってから1252日。
なんだか、真愛が動かした以上にお雛様の方を向いています。(気のせいでしょうか?〕
長年連れ添ったものは、必ず思いが通じると言う事でしょう。
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4年前に手に入れた可愛いお雛様です。
孫の初節句に飾るところが少ないマンション用に購入しましたが、やはり飾ることができず、お祝いは我が家で行いました。
真愛が飾るのですから、当然お雛様とお内裏様はガッツリ向かい合わせます。
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この孫のお雛様は、真愛の母の鏡台に飾りました。納戸の奥にしまっていた鏡台の引き出しの裏に「思い出の鏡台・昭和五年」と記されています。
不思議な事に、最近三絃を習い始めたので、その姿勢を確認するためにこの鏡台を出したのです。92歳の鏡台です。
人のご縁だけでなく、物にも「ご縁」があり、その不思議なご縁を感じられる自分にも嬉しくなりました。
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ジェンダーフリーです。やっぱり見つめ合わせます。ちゃんとお内裏様お雛様を抱くように…。
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このお雛様。
真愛のお仕事のお手伝い
「総合的な学習の時間にイギリスのALTに
かぐや姫の英語劇を見せた時」に、かぐや姫にもなったので少々気が強そうです。
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厚洋さんが通っていた鰻屋さんに
「おい。仲良くしろよー。」
って言いながらプレゼントしたお雛様だそうです。
大将の奥様が笑いながら教えてくださいました。
「なんて失礼な奴なんでしょう。
ごめんなさいね。」
と言いながら、
(夫婦とは寄り添うものだ。
お互いがお互いを思いやることが大切なんだぞ
俺はちゃんとやってるぞー。)
って言いたかったのでしょうね、と思いました。
このnoteを書きながら、また、厚洋さんの
「愛してる💕」の声が聞こえた気がします。
何年も何年も続く雛祭り。
思いも込めて、長く長く大切にしたいと思います。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります