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2022.11.7 立冬

 シャラシャラと音を立てて吹き溜まりに集まり、その後は、初冬の陽だまりの中でじっとしている落ち葉たち。

 冬が来た。
 まだ、そこは白い冬ではない。

10月の柊

 しかし、確実に季節は変化している。

柊の花が咲いた。

 出かける前に玄関ドアの鍵を閉めているときに、入り込んでくる柊の花の香。
 静かで淡い甘さの白い香りだ。
「銀木犀が咲いたね!」
と厚洋さんは必ず言った。

 金木犀の咲いた日の朝に逝った人は、銀木犀の花が香り始めたこの小道を通って帰ってきてくれるような気がする。

 玄関の鍵をかけて、一歩踏み出したら、
「おい!
 早く乗れ!」
って、テリオスキッズのドアを開けて、厚洋さんが呼んでるような気がした。
 止まっているのは、真っ赤になった南天の実と同じ色の真愛のハスラーだ。

 今日は、今からお墓参りに行って、荒彫りのままの板石をクレンザーで磨かないと土汚れがついたままになってしまう。
 掃除用の荷物を持って、車に乗り込んだが寒い。
 不思議だ。
 地球温暖化、異常気象と言われているのに、
「立冬」の日に合わせて、鈍色の雲が垂れ込めて、まるで雪でも降りそうな正午である。
 お墓の素掘りの場所をゴシゴシと磨いていたら、雨が降り始めた。

 人はお墓参りという同じ事をしても、気温や天候でずいぶん気持ちが違うものだ。
 お盆のお墓参りで、猛暑日の中出掛けたが、寂しい思いはしなかった。しかし、今日は泣きたいほど寂しかった。
 そうだ、同じ一人寝でも、夏の夜と冬の夜では全く違う。
 寒いというのは、寂しいのだ。
 同じ「宀・ウ冠」だからかな?
 なんと、科学的に説明されていた。

 秋や冬に感じやすい物寂しさや物悲しさは、 日照時間が減ることで「セロトニン」が分泌されにくくことなることが関係しているのだそうだ。
 セロトニンとは…別名「幸福ホルモン」とも言われる”心の安定”に関わるホルモン。
 不足すると精神のバランスが崩れ、 イライラしたり鬱の原因にもなる。
 また、セロトニンは、自律神経を整え腸の蠕動運動を活発にする働きがあり、夜になると睡眠を促す働きをするメラトニンに変化することから、 睡眠の質の向上にも役立つのだそうだ。
 セロトニンが少なくなり、メラトニンも少なくなって眠れない。切ない一人寝になるのはセロトニンの影響なのだ。
 セロトニンが不足すると、心のバランスが崩れ鬱やストレス障害を引き起こす危険性が増すほか、 睡眠障害や肥満などの原因にもなるという。

私たちが幸福であるためには、 文字通り「幸福ホルモン」であるセロトニンをしっかりと働かせることが不可欠なのだ。
 一気に日が短くなり、寂しさや不安を感じやすくなる秋。「日照時間の減少」が原因だった。
 セロトニンが心に関わるホルモンであることから脳内で作られるようなイメージがあるが、実際には脳内の神経で作られるのはわずか2%ほど。 
 その他、血液中の血小板で8%が作られるが、90%が腸内で作られているそうだ。
「腸の良し悪しが体と心の健康に大きく関わる」とされるのはまさにこの為。 
 要するに、腸を健康な状態に保つことがセロトニンの活性に繋がり、 結果的に体はもちろん心の健康にも大きく影響を与えると言う。
 セロトニンを活性化するための対策として、
腸内を良好な状態に保つこと。
 腸内環境を整える為には、日頃から生活リズムを整え適度な運動に取り組むなど、 健康的な生活を心掛けるのが基本。
 中でも食事は重要で、栄養バランスの整った食事をすることに加え、 野菜やキノコ、海藻類から食物繊維をしっかりと補い、 漬物や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂るなど、 腸が喜ぶ食事を日々心掛けることが大切なのだそうだ。
 当然、適度に太陽の光を浴びる事が必要。
 セロトニンを活性化するためには太陽の光を浴びることも重要で、太陽の光を浴びることで脳へと信号が行き、セロトニンの合成が促進される。
 日照時間が一気に減ってくる秋や、冬の寒い時期はセロトニンが不足しやすくなるため、 適度に太陽の光を浴びてセロトニンの合成を促そうと言っていた。
 他にも、リズム運動をすることでもセロトニンは活性化される。
 このリズム運動とは、一定のリズムで繰り返す運動のこと。 
 ウォーキングやジョギング、縄跳びや踏み台昇降運動など、 こうした運動を行うことでセロトニンを作ることができるという。
 立冬の今日。
 鈍色の空の下で、切なくて泣いてしまった真愛は、セロトニンを作らなくてはいけないのだ。
 セロトニンの材料となるトリプトファンや、 トリプトファンからセロトニンの合成を促進する働きのあるビタミンB6を、 日々の食事からしっかり取り入れることも心の安定には不可欠らしい。
 トリプトファンは、肉や魚、卵、大豆製品などに豊富で、これら必須アミノ酸は体内では作り出すことができないため、食事から補うことだという。レバー、カツオ、マグロ、バナナ、ニンニクを使った料理を考えないといけないようだ。
 クレアチニンが高くなるのを怖がって、レバーもバナナも食べていなかった。
 それも泣き虫真愛に戻った原因かもしれない。
 今日は「立冬」
 不安な気持ちや寂しさは、日照時間が少なくなってセロトニンが作れなくなったのだから、 セロトニンを増やすことが大事。
 これから、12月の冬至まで、どんどん日照時間が短くなる。

立冬の日に咲く花

 なんとなく感じていた「立冬」の寂しさが科学的にわかったのだから、
「厚洋さんに会いたい。」
って泣ける真愛もいいと思うが、その切なさをちゃんと詩に書いたり、絵にしたりと厚洋さんが褒めてくれた事を頑張る真愛でもありたいと思った。

で、この noteを公開する11.8は、室内温度25度のぽかぽか陽気!まさに「小春日和」である。

洗濯物も干し柿もよく乾く

 なお、「小春日和」は、12月初旬まで使えるが、それを過ぎてからのポカポカ陽気は、
「冬日和」という。
  外でご近所さんに会ったら
「いいお日和で❣️」なんて使ってみたい良いお天気だ。
 気温や気候の変化で体の具合を悪くしないように、情緒面の安定を保ち、ハッピーな毎日をお過ごしください。(チャーちゃんより)

ちょうどいい場所


ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります