旦那様は心理学者? 私は…。
真愛は妄想性パーソナリティ障害。
今までも(私は精神障害かもしれない。)と思ったことがある。
結婚する前からだ。
抱きしめてもらった厚洋さんの腕が、真愛の前に付き合っていた人も抱いたのだと思うと切なくて、悔しくで消毒用アルコールでごしごしと拭いたことがある。
「真愛が一番。
済んだこと。今はお前だろう。」
と言ってくれても、独占欲の強い真愛はパニックになった。
真愛を見て困った厚洋さんが、もっともっときつく抱いてくれることで、「真愛が1番ね。」と確かめた。要するに困った奴だったのだ。
病床にあった時にも厚洋さんを疑って困らせた。それも、根も葉もない噂好きの人の作り話に転がされたのだ。
(拙著「白い花にそえて」の中の【命がけの恋】に書いてある。)
しかし、どんなことがあろうとも、真愛は厚洋さんが好きで、真愛が厚洋さんを好きというのは誰にも止めることができないことと自分で自分の気持ちを決定して、死の床にある厚洋さんを最後まで愛し抜くことができた。
厚洋さんのいない今でも、「真愛は厚洋さんを愛している。」と自信を持って言える。
さて、こんな真愛の精神状態が、「妄想性パーソナリティ障害」なのではないかと想える資料を発見した。
妄想性パーソナリティ障害は、他者の動機を敵意や有害性のあるものと解釈し、他者に対する根拠のない不信や疑いの広汎なパターンを特徴とするそうだ。
(正しく真愛の厚洋さんへの疑惑だったのだ。)
・妄想性パーソナリティ障害の患者は、
他者が自分を搾取したり、欺いたり、害を与え
たりしようと計画しているのではないかと疑っ
ているため、侮辱、軽蔑、脅しがみられないか
常に警戒する。
* 妄想性パーソナリティ障害の診断は、生活の多く
の側面での不信や疑いなどの、特定の症状に
基づいて下される。
* 有効な治療法はない。
が、認知行動療法が試みられることがあり、
薬により一部の症状が軽減する場合がある。
・パーソナリティ障害
(人格障害とも呼ばれる。)とは、本人に重大な
苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたして
いる思考、知覚、反応、対人関係のパターンが
長期的かつ全般的にみられる人に対して用いる
(真愛の場合は軽度なのかな?)
・妄想性パーソナリティ障害の患者は他者を信用
せず、自分の感じ方に何の根拠もない。
または不十分な根拠しかない場合でも、他者が
自分に害をなそうとしている、または自分を
欺こうとしていると考える。
(正しくこれだ。真愛に何の根拠もなく。
厚洋さんも違うというのに、疑うのだ。
真愛は厚洋さんを取られると思ってしまった。
自分だって好き勝手なことをしていたのに、
厚洋さんだけは、許せなかったのだ。
厚洋さんは困っただろうなあ。
良くこんな真愛をずっと愛してくれていたと
思うと本当に申し訳ない。)
・妄想性パーソナリティ障害は米国の一般の人の
約2~4%以上にみられるそうだ。
この病気は男性により多いと考えられている。
一部の証拠から、妄想性パーソナリティ障害が
家族内で受け継がれることが示唆されている。
小児期に情緒的、身体的虐待を受けたり、犯罪
の被害にあったりしたことがこの障害の発症に
関わっている可能性があるという。
(真愛は犯罪や虐待ではなかったが、母が内縁
関係にあり、父を愛していたが、父は母を置い
て行方不明になった。 別の女性のところに
行ったのではなく、思想活動をするために
行方知れずになったのだが。
男は女を捨てるという先入観をずっと持ち続け
ていたのだ。)
・他の病気もしばしば認められる。
例えば、妄想性パーソナリティ障害患者には
以下の病気の1つ以上もみられる場合がある。
* 統合失調症または統合失調症に似た病気。
* 社交恐怖症(社交不安症)などの不安症
* 心的外傷後ストレス障害
* アルコール使用障害
* 別のパーソナリティ障害(境界性など)
(別の性格が出たことがあったそうだが、
厚洋さんが 見守ってくれたおかげで、子ども
ができたおかげでそれは治ったようだ。)
症状
妄想性パーソナリティ障害の患者は、他者が自分を搾取したり、欺いたり、害を与えたりしようと計画しているのではないかと疑っている。
患者は、いかなるときでも、理由もなく自分が攻撃されるかもしれないと感じている。
証拠がほとんどないかまったくない場合でも、自分の疑念や考えを主張し続けます。
(正しくこれだ。
厚洋さんが何を言っても
自分の思い込みで精神障害を起こした。
最終的に、厚洋さんが呆れて、
「そう思えばいい。」と言い、
真愛はもっとキレる。
そのキレた真愛を厚洋さんが殴るとこになる。
結婚生活で2回あった。
しかし、その後厚洋さんに抱きしめられれば
ケロッと治るのだ。)
しばしば、妄想性パーソナリティ障害の患者は、他者が自分を大きく取り返しのつかないほど傷つけたと考えている。
患者は侮辱、軽蔑、脅し、および不忠がみられないか警戒しており、発言や行動に隠れた意味がないか探る。
自分の疑念を裏付ける証拠を探そうとして他者を詳細に吟味する。
例えば、手伝いの申し出を、自分が一人で仕事をすることができないことをほのめかしていると誤解することがあったり、なんらかの形で侮辱された、または傷つけられたと考えると、患者は自分を傷つけた相手を許さない。
傷つけられたと感じて反応し、反撃したり、怒ったりする傾向があります。
他者を信用しないため、自分のことは自分で行い、主導権を握っていなければならないと感じているのだ。
妄想性パーソナリティ障害の患者は、他者に秘密を打ち明けたり、他者と親密な関係を築いたりすることをためらうが、それは情報が自分に不利な形で使われるのではないかと心配するためである。
患者は友人の誠実さや配偶者またはパートナーの貞節を疑う。
(真愛は、これだ。)
極端に嫉妬深い場合があり、自分の嫉妬を正当化するために、配偶者またはパートナーの活動や動機について絶えず問いただすことがあると言う。
(真愛のやったことだ。)
このため、妄想性パーソナリティ障害の患者は付き合いづらい場合がある。
他者が患者に対し否定的に反応すると、その反応を自分がもともと感じていた疑念を裏付けるものととらえる。
(そのとおりだ。)
・妄想性パーソナリティ障害の診断を下すには、以下の4つ以上に示されるように、他者に対する持続的な不信や猜疑心が認められる必要があるそうだ。
* 他者が自分を利用している、傷つけている、
または裏切っていると、十分な理由もなく疑っ
ている。
* 友人や同僚の信頼性について根拠のない疑いに
とらわれている。
* 情報が自分に不利に使われるのではないかと
考え、他者に秘密を打ち明けたがらない。
* 悪意のない言葉や出来事に、誹謗、敵意、
または脅迫的意味が隠されていると誤解する。
* 侮辱、中傷、または軽蔑されたと考える場合は、
恨みを抱く。
* すぐに自分の性格や評判が批判されたと考え、
性急に怒りをもって反応したり、反撃したり
する。
* 疑うべき十分な理由もなく、自分の配偶者または
パートナーが不貞を働いているのではないかと
繰り返し疑う。
また、症状は成人期早期までに始まっている必要があるそうだ。
22歳でそうだったのだから…。
しかし、これも思い込みかもしれないな。
治療
* 認知行動療法
妄想性パーソナリティ障害の一般的治療は、すべてのパーソナリティ障害に対するものと同じ。
妄想性パーソナリティ障害の患者は非常に疑い深く、不信感が強いことから、医師が患者と協力的で互いを尊重し合う関係を築くことがしばしば困難になるという。
協力関係を築き、患者が治療に参加するのを促す一助として、医師はしばしばなんらかの妥当性のある疑念を認めようと心掛ける。
妄想性パーソナリティ障害に有効な治療法はない。しかし、患者に協力する意思があるなら、認知行動療法が有用となる。
(厚洋さんが真愛の主治医だったのだ。)
特定の症状を治療するために、抗うつ薬や新しい(第2世代)抗精神病薬などの薬が処方されることがある。
厚洋さんが亡くなって暫くの間は、精神安定剤を処方されたが、今は強い薬は処方されていない。
ひょっとしたら、真愛は「妄想性パーソナリティ障害」だったかもしれない。
しかし、「厚洋さんに愛されている」という感覚を常に持つことができたため、安定して生活できたのかもしれない。
厚洋さんが「こんな真愛」を捨てることなく、愛してくれたことが発症しなかったのかもしれない。
年をとってくると
「一体、自分とは何なのか?」
と、尾崎豊みたいに疑問を持つことがあり、自分自身を見つめる時間も持てるようになる。やや歳をとってしまっているが、「自分とは何者か」
「私は〇〇かも知れない。」と負の性格も認められるようになる。
『論語』の中に
「子曰(のたま)わく、
吾十有五(じゅうゆうご)にして学に志し、
三十にして立ち、
四十にして惑わず、
五十にして天命を知る、
六十にして耳従(したが)う、
七十にして心の欲する所に従いて矩(のり)
を踰(こ)えず。」
というのが有るが、学も志さず、30歳でも60歳でも旦那様に依存し続け、ずっと、今でも惑わされっぱなしで、天命なんて聞けず、厚洋さんがやりたかったことを引き継いでいる。
そして、厚洋さんが亡くなってから、ようやく「耳従う」「人の言葉」を素直に聞けるようになった。だから、70歳になって、「己の心の欲するようにしたら、とんでもないことになりそうな」真愛であることをわかるようになった。
厚洋さんも言っていた
「年をとったら、人の話を素直に聞けるよ。
でも、それじゃ遅いかね?」
と。
今だからこそ、私は〇〇で厚洋さんを困らせていたんだと思えるし、そんな真愛をずっと見てくれていた厚洋さんに
「ありがとう
こんな真愛を愛してくれて。」
と言える。
もっともっと、感謝の言葉を言えばよかったと後悔している。
少しだけ救えるのは、厚洋さんの介護を命がけで行えたこと。
最期まで「命がけの恋」ができたことだと思っている。
この記事を書いていて、真愛の旦那様は心理学者だと痛感した。
彼でなければ、今の真愛はなかった。
明日は、厚洋さんの好きなものを作ってお供えしなくちゃ。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります