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MAAちゃんパニック 老いの不安

 嬉しそうに走っているのは、15年前の厚洋さんだ。教師なのに手加減もせず,子どもを引き離して走っている。
 真愛は、ロンシャンのケーキを持って応援に行った。
 厚洋さんは亡くなり、ロンシャンも閉店した。
 真愛は、眼が悪くなり独り恐怖と闘っている。
 時の流れは止められず、老いの不安も増してくる。
 新聞や雑誌、テレビ番組でも頻繁に取り上げられる。
 当然である。人口比率27.3%の高齢者がいるのだから、その人たちの持つ不安を話題にすれば、そこそこの視聴率・販売率は上げられるのだ。
 もちろん真愛も読んだり、視聴したりしている。

 老いの不安
⭕️脳の老化・「認知症になったら…。」
⭕️体の老化・「動けなくなったら…。」
⭕️心の老化・「やる事がなくなったら…。」
⭕️収入源の老化・「先立つモノはお金の社会
         お金が無くなったら…。」
 厚洋さんが元気だった頃は、上記の他に
🔴「厚洋さんがいなくなったら…。」と言う不安
 があった。
 彼がいない生活を想像するのが不安で、考えないようにしていた。結婚してからずっと同じ不安を持っていた。
 寂しがり屋のうさぎが1匹になって生きていけないような「心細い」不安だったと思う。今考えれば、彼に依存している部分が多かったからだろう。
 1から4までの不安は、退職するまでは気にならなかった。働けていれば、それなりの収入はあり、心も体も脳も使えていたので「まだ、若い」つもりでいたのだ。
 退職金が入って、2、3年は不安があっても何とか落ち込む事は無かった。もちろん厚洋さんも健在だったからだ。
 と言う事は、老後の不安が生じても何とか生きていけたのは、
「愛しい人が元気で側にいること」
であったと思う。
 彼が先に逝き、独りになって、更に老後の不安を抱えたまま生きている。
 不安と悲しみの渦の中をもがいて生きてきた。
 それでも「よし❣️頑張るぞ❣️」なんて思える時もあったから、出版もしたし、ボランティア活動も出来た。若い頃より活動的な生活をしたかもしれない。(コロナ禍になる前は…。)

⭕️脳の老化・「認知症になったら…。」
⭕️体の老化・「動けなくなったら…。」
⭕️心の老化・「やる事がなくなったら…。」
⭕️収入源の老化・「先立つモノはお金の社会
         お金が無くなったら…。」

 老いの不安は周期的にやってくる。
 4つ一気にやってくるのは、体の老化『病気』になった時だ。
 真愛は、目の手術をする時に、その不安に押し潰されそうになった。
 眼が悪くなり、失明したら一人では何もできなくなる。外に出られない。買い物に行けない。食べられない。お金も底をつき介護施設に入れず孤独死するのかな?と思った。
 どんなに息子が心配してくれていても、息子の優しさを計算に入れられなかった。
 他にも「認知症になったら…。」真愛は、認知症だから何も考えず、多分幸せにやりたい放題しているのだろう。しかし、今度は「優しい息子」に迷惑をかけると言う不安が生じる。
「病気・怪我」で動けなくなっても同じことだし、「認知症」より切なく辛い。自分の意識がしっかりしていて、「迷惑をかけている。」事がわかっているからだ。
 しかし、これもお金持ちなら心配はない。
⭕️収入源の老化が1番厄介なのかな?
 と、思いつつも宝くじを買ってしまう
        「無駄遣い野郎」なのである。
 要するに老いの不安解消のために一番いいのは🟢心の老化を防止する事だ。
 考え方を前向きに(真愛の場合は良い加減に)する事だ。
 「認知症」になっても、実際には軽度、重度ではその症状も異なり、サッチャーさんみたいに生きる事(首相)だってできる。
 軽いうちは仕事だって出来るわけだ。
 更に、医療が進み早期の治療や予防をすれば、進行は遅らせられると言う。
 予防として、【日常的な習慣をやめない】ことで進行は緩やかになるそうだ。
 「認知症」出なくても、老化によってできなくなる事が多くなるが、たとえ出来なくなっても、【出来ることに目を向け】て、昨日できていたことを今日もやる。
 昨日できなかった事が今日できたとしたら『凄い。若い!」と思う事なのだ。 
 仕事をしていた時は、社会のしがらみに身動きできず、厚洋さんに泣きついていた真愛だった。 
 厚洋さんの看病の時は、彼の生きる時間に自分の時間を重ね合わせて動けなかった。
 彼が亡くなってから、
「頑張ったね。旦那は喜んでるよ。
 これからは自分の人生を楽しみなさいって
 言ってるよ。」
と友達に言われたが、なかなか「そうね。」とは言えなかった。
 厚洋さんが可愛がっていた愛猫が、先月あちらに逝った。ニャンコロスになりそうだったが考え方を前向きにした。
 チャーちゃんは、自分の具合が悪くなり考えた
「自分がいると真愛の眼の手術の時に心配をかけ
 る。お金も掛かる。
 いっぱい心配させるなら、お父んの所に行って
 応援しようと思ってくれたのだ。」と。
「チャーちゃんがくれる眼だ。
 頑張って開眼しなくちゃ。」
と、手術も頑張り、治療にも専念している。
 なんとも都合のいい解釈である。
 しかし、そう考えないと生きてられない。
🟢人間の脳は、不安と心地よいを同時に考えられ
 ない。だから、前向きな事・面白いこと・楽し
 いこと・発見することで脳内をいっぱいにする
 のだ。

 厚洋さんが逝ってしまった悲しみから抜け出すのに、
「厚洋さんを一番愛しているのは私」
「厚洋さんに1番愛されたのも私」
「みんなが忘れても真愛だけは思い出せる幸せ」を噛み締めたことで、前を向けたのだ。
 それは真愛にとって、厚洋さんがいなくなった後、1番「心地よい」事だったのだ。
 だから、少しずつ抜け出して来て
「厚洋さんのやりたかった事・真愛がやりたい事
 をやるようになっている。やりたいことに夢中
 になれる時間が持てるようになった。」

⭕️軍資金不足は否めないが、ケチりながらやる。

 ダラダラと書いて来たが、
老いの不安を恐れないヒントは、次の通りだ。
🔵出来ることに目を向けよう。
 日常的な習慣をやめないことだ。
🔵老後こそ、社会の尺度に囚われず、
 自分の本当にやりたい事をやろう。
🔵医学と科学の進歩を信じて、ITではなく
 AIに頼ることも良いではないか。
 自分の脳がちゃんとしてれば…。
🔵まずまず、自分の脳内に
「心地よい」をいっぱいに満たそう。
 「不安」の入る隙間をつくらないように。
🔵老後の資金だけが気になるが、
 今日から少し節約しよう。お金の掛からない楽
 しみ方だって色々あるのだから。若い頃のよう
 に欲張らないことだ。
 しかし、お金が稼げる夢を持とう。
(やっぱり生まれつきの欲張りなのだ。
 まずここから悟りを開かなければない。)
🔵お手軽noteブログを書くことも
         老後の不安解消になる❣️

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります