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MAAちゃんパニック 箸持つ力

「大変!親指が立っているわ!」
 お箸の持ち方で加齢に伴う体の変化・箸を持つ力が低下しているというのだ。まさに、真愛のお箸の持ち方がそれの症状だった。
 年をとると足腰の筋力の低下を実感するのは毎日のこと。
 ちょっとした坂道を歩くのに何度も止まって休みを取らなくてはいけなかったり、畳の上にお布団を敷いて寝た時に、立ち上がりがフラフラしたりする。
 歩くことより車で移動することの方が多くなれば足が衰え、ベッドで寝起きすれば、柔らかい布団の上で立つと、体幹が弱まっているので、フラフラするのは当然のこと。
 同じように、手の筋力も弱まっている。
 考えてみれば、瓶詰めの蓋が開けられず、
「厚洋さん。開けてー。」
と騒いでいたのは、退職間もない頃だった。
 現役の体力テストで、子どもと一緒に測った時には、握力、右も左も42.0kgで
「先生。すげ〜!」
って言わせて喜んでいたのに、使わないと直ぐに落ちてきた。
 厚洋さんも、入院する1ヶ月前に組み立てたプラモデルのネジはしっかりと回せなかった。
 年をとるとともに足腰の衰え、ての筋力も低下するのだ。
 細かい作業が不得意になり、箸で摘んだものを落としやすくなると言う。
「落とさないように」との気持ちが働き、無意識のうちに指先に力が入ってしまうので、細い箸を🥢しっかり握ろうと親指の腹で抑え始めるという。
 そのため親指に力が入って人差し指で押すようになると、更に箸が交差して「クロス箸」になる。

クロス箸

 真愛は、まだクロスまではしていないが、早めの矯正をしないといけないと思ったわけだ。
 治し方?直し方は、いたって簡単。
 手にあった箸を使うのだ。
【箸の太さを変える】
 1mm太くすれば良い。
【箸の形】
 丸型より三角にする。
 六角もいい。
【箸の長さ】
 理想は、一咫半。
 高齢者には、ここからマイナス1cm。

太く短くする

 箸使い生涯現役を保つには、足腰を鍛えなければならないという。
 食事の際に背中を伸ばして正しい姿勢で保てること。腰骨を立て、背筋をきゅっと伸ばした美しい姿勢だ。
 要するに、背筋も腹筋も内転筋も鍛えてないといけないのだ。
 さて、今から「風が吹けば…桶屋がもうかる」の論法で一言。
「筋肉が落ちると…スプーンになる。」
 食事の時は多くの人が左手に茶碗、右手に箸。
 人の頭は重いので、
 筋肉が落ちれば支えきれず猫背になる。
 猫背になればバランスを崩す。
 前に掛かった体重を支えるために
 肘から手首を机につくようになる。
 肘をつけば皿に筋力が弱まる。
 筋力が弱まると、
 自分で体を支えることができなくなる。
 支えられなければ茶碗が持てない。
 茶碗が持てなくなれば、
 ご飯を口まで運ぶ距離が長くなる。
 距離が伸びれば、こぼしやすくなる。
 こぼしやすくなれば、スプーンで食べる。

真愛の箸は🥢OK

 昔は、生活の中で鍛えられていた筋肉が、この便利な世の中で動かさなくなったのだ。
 トイレは和式から洋式に
 雑巾は絞らずに、クイックルワイパーに
 箒も使わず、ルンバが躍る。
 布団は干さずに乾燥機。
 布団は敷かずにベッドで万年床
 お皿も機械が洗ってくれる。

 困った便利な時代になったものだ。どんどん体を動かさなくなったものだから、「車」で、スポーツジムに行き、ハムスターになってウォーキングマシーンに乗って走る。
 愚かだと思うが、止められない。
 少しでもいいから、生活の中で動いて死ぬまで箸を使える人でありたい。

 おっと。ここまでは手の筋肉だったが、足の裏の筋肉も衰える。
 最初に書いた立ち上がりがフラフラするのは、足腰だけではなく。足の裏・足の指の筋肉なのだと思う。
 手のツボがあるように足のツボもあるのだから、大事な筋肉が繋がっているのだと思う。
 健康番組で足の指が固まってしまって、体のバランスを崩している。足の指で地面を掴むことがなくなったからだ。
 人の心は窮屈な状態に置かれれば、何らかのストレスを抱えて、身体まで病に罹る。
 足も同じだ。
 窮屈な靴の中に閉じ込められ、解放されることがない。ストレスを抱えたままその苦しみも気づいてもらえない。
 気づいた時には、病に罹っているのだ。

 手足の指の運動も
 脹脛や太腿の筋肉も
 腹筋も背筋も
 腕の筋肉も
 首の筋肉も…
 鍛えなければならない。
 ボディビルダーではないのに、
 健康維持のために、
 老人は一日の大半を使って
 運動をするために生きているようだ。
 
 昔のように、日常生活をしていれば、運動が出来てるような生活に戻るべきなのだろうが、楽を覚えた体には無理な話しだ。
 

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります