見出し画像

子育てパニック パパと娘

 ドラマ「監察医 朝顔」で、パパの桑原くんが、娘の結婚式を思い「泣きたくなるシーン」があった。
 我が家の孫が生まれた時、愚息は「嫁に行かせない。」と言って、おじいさんになる厚洋さんに笑われていたのを思い出す。
 我が家は、男の子1人だったので、「女の子」を持つ親の気持ちが分からない。
 真愛は、こどもは男の子が欲しかった。何故なら、可愛い娘に旦那様を取られてしまいそうな気がしたからだ。
 男の子だったが、旦那様を取られた。
 子煩悩で、奥さんを放っておいて息子を可愛がる旦那様に「私も可愛がって!」と言って馬鹿にされた。
 それからの厚洋さんは、やきもち焼きの真愛も息子も真愛の母も連れて4人で出かけた。
 手の焼ける嫁だったのだ。
 さて、その息子も2人の娘の父親になった。
 ばあちゃんから見ると、父親似の可愛い女の子である。
 母親(お嫁さん)と一緒の時は、やはり母親にも似ている。二人の子供なのだから、どちらにも似ているのはおかしな事では無い。
 コロナ禍で5ヶ月も会っていないので寂しいが、嫁も息子も「孫娘の可愛い写真や動画」を送ってくれる。
 ファインダー越しに(可愛くてたまらない)という想いが伝わって来る。
 真愛が厚洋さんと息子の写真をたくさん撮ったように…。
 厚洋さんが真愛と息子の写真をたくさん撮ってくれたように…。
 親子なんだなあと思う。
 ただ、違うのは私達は、男の子が一人。
 彼らには、娘が二人なのだ。
 もっと言えば、厚洋さんは男の子を育てたのだが、息子は女の子を育てるのだ。
 
 厚洋さんが、息子が生まれて直ぐに言った言葉が
「早く一緒に呑みてぇなぁ!」

と、
「嫁に行かせない!」と言った違いである。
 真愛の教え子の中にも、女の子3人というパパもいる。どんな風に接しているのだろう。
 
 真愛は、母が女手ひとつで育ててくれたので、父親との記憶が少ない。
 大きな胡座の上にすっぽりと入り、髪の毛を撫でられてもらった優しい父親の記憶があるだけなので、父親が娘にどう接するかは、よく分からない。
 パパと娘の関係って?
 気になったので、いろいろな人の話を聞いた。
 パパは、娘と異性の親。
 娘がどんなふうに成長しながら大人になって行くか経験して来たママとは違う。
 だから困るし、だから新鮮なのだ。
 将来、娘がパートナーを選ぶ時、良くも悪くもパパは、そのモデルになっていくという。
 確かに真愛は、父がいないので父性を感じる人が好きだった。厚洋さんの「先生だったり、お父さんだったりしてくれていた事」は、他の誰にもないものだったのだと思う。
 
 子供の頃からのパパとの関わりやちょっとした一言が、娘の人生を大きく左右する事だってあるのだそうだ。
 聞くところによると、夫婦仲の良い家庭の娘ほどパパの事を魅力的に感じているそうだ。そして良い娘に育つようだ。
 我が家のお嫁さんの家庭がそうだった。いい娘が育っている。
 さて、
 児童期までは、愛情が伝わることが大事!
 幼児期から、10歳ぐらいまでは、「自分は、大事にされている」感を伝えることだ。
 特に0〜3歳までは、パパも仕事盛りで帰宅が遅く一緒に過ごすことが少ない事が要注意。
 ママとは遊んでいるけれど…。
 お金なんてかけなくて良いから、子どもと屋外での活動を増やして、「パパかっこいい!」「パパといると楽しい。」「自分が大切にされている」感覚を持たせられたらGOOD。
 幼い頃の絆があれば、娘が難しい年頃になって離れていっても必ず戻って来るそうだ。
 我が家では、愚息がスケボーに乗り、孫娘は、チャリンコで並走している。なかなか可愛い動画だった。
 
 10歳ぐらいが境。
 それは、娘の生理が始まり「大人への入り口」だからなのだ。そんなことも分からずに
「一緒にお風呂入ろう!」なんて「馬鹿やろー」である。
 でも、まだまだ子どもなのだから、甘えたい。「そこん所分かって!」必ず考えなくてはいけないことは、男女・大人子ども関係なく、一人の人間であって、保護者であるが権力者ではないことを「肝に銘じて欲しい」
 それが分からない親が子どもを支配、隷従させてしまい、関係の修復ができなくなってしまうのだと思う。(真愛がそうだった気がする。
子どもは、可愛がる対象で私のものだった。)
 
 青年期は、そっと見守ろう。
 
中学生から社会人になるまではの青年期になると「アイデンティティー」の形成期に入り、将来や自分について悩み出す。
 この時期の娘は、家では無口になり部屋に閉じこもって出てこなくなったりする。(息子も同じだった。全く聞く耳を持たなくなった。)
 そんな時は、そっと見守ることが大事。
 高村光太郎の「道程」だ。

詩集『道程』
僕の前に道はない
僕の後ろに道はできる
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた廣大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の氣魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
 
 これは、僕だけでは無い。娘もだ。
 また、ある調査では、パパと一緒に外出して社会的な関わりを多く経験して育った女性は、高いキャリア意識を持っていることが分かったそうだ。
 外の世界に詳しいパパからの一言や行動は,進路選択の際に参考になることが多いようだ。
 無理に話そうとするのではなく、ちょっと「話しても大丈夫そうな時」に、パパの仕事や世間の仕組み・会社の仕組みなんかを話すといいそうです。
 でも、家庭によって状況は様々。
 これで絶対はないことも知っていなければならない。
 要するに、「我が子の幸せを考え、パパ自身の生き方も守りつつ、その姿を見せることが一番なのかもしれない。」
 
 厚洋さんは、
「俺は、拓の反面教師。
 アイツはアイツでしっかり生きていく。
 俺の金が困るまで、アイツにちょっと支援す
 ることぐらいかな。」
と笑っていたが、最高のパパだったのかなと思う。
 とかく亡くなった人は、神格化してしまう。

追加。

「褒め言葉例」

幼児期
 「ママみたいに上手だね。」
 「パパより上手だよー。」
児童期
 「〇〇してくれてありがとう!
       とってもうれしいよ。

「しこりを残す言葉」
幼児期
 「どうして、
  いつも同じことを言わせるんだ。」
 「ママに怒られるぞ。」
児童期
 「〇〇は、こんな事しないぞ。」
  兄弟姉妹と比べてはいけない。
青年期
 「最近太って来たなあ。」
 「おっ。よく食うなあ。」

 こりゃ大人になったって、パパからじゃなくたって、頑固なしこりになるわね。    

 満開の桜の中をパパと娘が歩く。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります