出逢うべき人に
「糸」が映画化されたという。真愛が「糸」に出会ったのはシングルCDの「命の別名」の中の短い歌だった。22年前。
厚洋さんと同じ北海道の人というだけで、新人さんの「アザミ嬢のララバイ」を好きになり、荒井由美さんよりも中島みゆきさんの歌を聞いた。
厚洋さんは「ドロドロした歌詞・唸る声」と言ってあまり歌わなかったが、真愛はキーが合ったことが、彼女の歌詞の「ドロドロ感」が哲学的だと思った事が、自分に近いと感じた。
「命の別名」という曲が好きだ。知らない言葉を覚えるたびに大人に近づくが、死ぬまで気づかないままの言葉だってあるのだ。
まさしく真愛である。命に付く名前を「心」と呼ぶ。
真愛の書く詩画集に、雑草と言う名前はない「庭石菖」「カタバミ」と名前がついていると記した。
石も樹よも水よも、全てのものの命の平等とそれを思う心という名前があると言う。
全てのものに名前があるという事実。
その名前をつけた時の思い(愛しさ)が切ないほど、嬉しく伝わって来た。
中島みゆきさんの歌も良い。
今は、さだまさしさんのファンだが…。
その歌と一緒に入っていたのが「糸」。
この歌の方が歌い易かった。
その頃の真愛にとって、厚洋さんと一緒に生きることが「布を織る」事だと感じたし、その布で我が子を守ること、教え子たちを守ることだと思った。
45歳の頃だ。今では、多くの方のカラオケ18番になっているが、その頃はまだまだマイナーだった。
その当時から ー糸ー を歌った。
なぜ 、いつ巡り合うのかも、真愛も厚洋さんも知らなかった。だからこそ、奇跡なのだし運命なのだと真愛は、思っている。
縦の糸は厚洋さん 横の糸は真愛
織りなす布が誰かを暖めたら嬉しかった。
縦の糸は厚洋さん 横の糸は真愛
逢うべき糸に 出逢えること。
それは、最高の幸せなのです。
厚洋さんを亡くして、700日。
真愛にとって、厚洋さんは
「出逢うべき人に出会い。
その人と共に生きられ
幸せをくれた人」
北海道・釧路の彼が、東京から流れてこの地に来た真愛と一緒になったのだから、不思議としか言えない。
出逢うべき人が愛しい人であると同時に、
恩師となる人である事に感謝したい。