919日 会いたくて
雪柳の白が切ないです。
愛しい人が逝ってしまって919日。
会いたくて、話したくて、髪を撫でてもらいたくて、情緒不安定な真愛になりました。
「お前の描く白い花の絵が好きだ。」
彼の優しい声が聞こえます。
「命がけの恋」をして、命がけで愛されて、彼はひとりで逝ってしまいました。
彼の書き続けていたメモ日記に「今日からは私が書く」と記して、狂ったように書きました。
亡くなってからも書きました。
どんなに、真愛が厚洋さんを愛していたか、彼に伝えきれなかった思いを書きました。
彼が逝ってから91日め、出版社から「絵本を出版しませんか?」と連絡があしました。
彼との「命がけの恋」については、同人雑誌に書きましたが、読むのは同人だけです。
連絡をくれたところは、大きな出版社なので、全国に「真愛の厚洋さん大好き」の思いを伝えられると思って、絵本ではなく「命がけの恋」を書くことにしたのです。
今考えると、とても恥ずかしい稚拙な文章なので反省していますが、誰にも止められない「恋の暴走」みたいな真愛でした。
最期の時を迎える中で、彼と一緒に「共著を出そうね。」と未来を見させてもらった本の出版だったのです。
彼は元気な頃から、
「俺は、真愛の描く白い花の絵が好きだ。」
と言ってくれていました。
治療の術がなく、「死を待つ床」になった日に、真愛のスケッチブックから、どの花の絵にするか選びました。150枚近くの絵の中から、30枚の「白い花の絵」を選びました。
愛しい人が居なくなることを想像出来ないほど楽しい時間でした。
彼の病床で作った詩を「白い花の絵」にそえました。
真愛の詩も相聞歌のようにしてそえました。
その時の表紙が、「雪柳」なのです。
題字を書いてくださるM先生が、原画を見て「もう一本加えるといいな。」
と助言してくださり、左の上に伸びていく枝を一本描きました。
ちょうど、今ごろです。
5枚の白い小さな花びらは、触るとハラハラと散っていきました。
萼しか残っていない花托に、
(きっと散らなければこう見える。)
(厚洋さんが生きていたらこう言うと思う。)と、繰り返し呟いて描きました。
書家のM先生の文字は、真愛の想いを見事に表現してくださいました。
「白い花にそえて」
出版社と相談した最初の題名は、「白い花」だったのですが、同名の書籍が存在し、「没」 そこで「愛の白い花」「白い花の愛」など「愛」を入れて考えました。「あ」から始まると書籍閲覧の初めになるかもしれないと出版社の方は言ってくれましたが、
大事をお願いしたM先生に絵を見せると、
「 そえて を付けたら?」
と助言してくれたのです。そうです。
〜白い花にそえて〜
です。
この方が、沢山の思いが表現できるのです。
919日。
白い雪柳の花にそえて、愛しい人を語ることができています。
去年から始めたこのnoteは、まさに「愛しい人の思い出語り」読んでくださっている方は、「またか!」とげんなりしていると分かっていても辞められない。
(申し訳ないです。)
ここまで惚気てくると、泣きそうだった涙も引っこみましたので、もう一つ惚気させてください。
この裏表紙は、購入しなければ見られないものですが、公開。
これは、雪柳で厚洋さんと真愛の頭文字を合わせたもの。
やや右に傾いた「A」と、
Aと重なるように「M」。
Mの左山は、Aと重ねて、
Mの最後はAに乗せて…。
ちょっとだけ秘密の惚気話。
919日め。
ちゃんと厚洋さんを思い出せました。
手の温もりも
恥ずかしそうな笑顔も
優しい声も
意地悪な話も
雪柳の穴の中に落ちたら、愛しい人が抱きとめてくれるような気がします。
宵闇が白い花だけを浮き上がらせて
暮れていきます。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります